このページは中学校2年理科『地学』/takaの授業記録2003です |
実験1 雲をつくろう
2003 4 18(金)巻雲、巻層雲
2003 4 21(月)乱層雲、積雲
第1理科室<授業の流れ>
1 ただいまの雲を調べる
みなさんも一緒に答えて下さい。
「今日はとっても変わりやすい天気で1時間めは雨でしたが、3時間めの今はもう太陽が出ています。雨を降らさせていた雲は東に移動してしまい、青空が見える北の空には雲がぽかぽかと浮いています。では、早速それらの雲を調べてもらいましょう。教科書の写真を見て答えて下さい。3分間、席を立ってもよろしい。」
(上:東の空の雲です)
(上:全く同じ時間の北の空の雲です)2 工場の煙突から出る白いものの正体を考える
「学校の北に、大同特殊鋼の工場がありますね。そこの煙突から毎日、白い煙りが出ているのを知っていますか。知っている人は手を挙げてください。
「みなさん知っていますね。では、質問です。その白いものは何ですか。答えが分かる人は黒板に書きに来なさい。煙りが白いのは何故か?
(上:B君の学習プリントから)
「それでは、答え合わせをしましょう。順番に○△×をつけていきます。」
「まず、二酸化炭素。これは、、、×です。コンサートのステージで出てくる白い煙りはドライアイスを溶かした二酸化炭素ですが、残念ながら煙突はとても高温なので違います。」
「水蒸気は、、、×。だって、みなさんは自分の周りにある水蒸気が見えますか? ほら、ここにある水蒸気が見えますか? 見えませんね。水蒸気は見えないのです。寒い冬には息が白くなって見えますが、水蒸気は見えません。」
「ということで水は、、、○。そうですね、気体の水蒸気は見えませんが、液体の水は見えます。」
2 沸騰する水の図を書く
「見える見えないを説明するために、沸騰する水を書いてもらいます。」
「やかんから湯気がでますが、それがポイントです。気体か液体かに注意して書いて下さい。」
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(上:B君の学習プリントから)3 気体と液体のモデルを書く
「ここで1年生の復習をしましょう。気体と液体の状態を書いたことを覚えていますか。」
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(上:B君の学習プリントから)
「気体は1つひとつの粒が小さく見えませんが、液体は全体が大きな塊として肉眼で見ることができます。しかし、過熱してばらばらの気体にすると見えなくなってしまいますが、冷えて集まると液体に戻り見えるようになります。」4 雲の作り方を考える
当初はここで実験する予定だったが、時間がなくなったので『作り方』をまとめて次時の予習にした。
◎ Dさんの学習プリント
<評価基準>
1 自然事象への関心・意欲・態度
A 自分の経験にもとづいて『雲』の正体を考えることができる
B 学習プリントを丁寧・正確にまとめることができる
2 科学的な思考
B 水の状態変化から『雲』を説明することができる
3 実験・観察の技能・表現
B 水の状態変化のモデルを正しく図示することができる
B 本日の雲を観察し、その名称を答えることができる
4 自然事象についての知識・理解
B 雲の正体が、空中に浮かぶ水(液体)であることを理解することができる
授業を終えて
雲の正体を説明していたら時間が一杯になった。それでも状態変化についてしっかり復習することができたし、目に見えない水分子についてイメージすることができたのではいかと満足している。次時はいよいよ本番。1時間使ってじっくり実験をしたい。
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授業の初めに演示実験『雲の発生』を行ったクラスもある。
(上:雲発生装置。詳細は次時『実験1の2雲を作ろう』参照)
観察1いろいろな雲 |
実験1の2雲を作ろう |
note
授業前の素案(本時のねらいなど)
1 状態変化の復習
・ 水蒸気(気体)は見えないが、水(液体)は見える
・ 大同特殊鋼の煙突の煙りが白いのは何故か?
また、その白いのが消えてしまうのは何故か?
→ 水蒸気が含まれているから×
→ 煙りに含まれている水が見えるから
→ 水(液体)が水蒸気(気体)に戻るから
※ 図によってまとめる
・ 沸騰しているやかんから出てくるものは何か?
次の例も同じように説明する
・ 車の排気ガスが白いのは何故か?
・ 冬、吐く息が白いのは何故か?<気体を液体にする、雲をつくる方法>
→ 水分子を引っ付ける(状態変化)
・ 圧力を上げる
・ 湿度100%にする
水になる条件は、次の2つ
1 高度が上がるので気温が下がる
2 空気の塊が上昇すると、断熱膨張により温度が下がる