このページは中学校2年理科『地学』/takaの授業記録2003です

低気圧の誕生から消滅
              
                   2003 5 19(月)
                   各教室

本時のねらい
 低気圧にともなう寒冷前線と温暖前線について調べ、それらが閉塞前線となり消滅するまでを模式的にまとめることで、低気圧についての理解を深める。


授業の流れ
1 低気圧の復習

(1) 低気圧の中心には四方八方から風が吹き込む。
(2) この季節、低気圧は日本の南西で誕生することが多い
(2) 北半球で低気圧が発生すると、北から寒い風が吹き込んでくるので、寒冷前線が、南から暖かい風が吹き込んでくるので温暖前線ができる。
(3) 低気圧は、発達しながら西から東へ移動する。
(4) やがて、寒冷前線が温暖前線に追い付くと閉塞前線になり、低気圧は消滅する。

  (上:Aさんの学習プリント)

2 低気圧の2つの前線と雨域
 「それでは、低気圧にできる寒冷前線と温暖前線を書きましょう。まず、日本の場合、寒い寒気はどこから吹いてきますか。北風ぴゅーぴゅーですですから、北からですね。それを地図上に書く時は、台風の雲をイメージしながら反時計周りに書きましょう。その最前線が寒冷前線なるので、そこまで書きます。寒気は青など寒い色で塗りなさい。また、寒冷前線の記号は前の時間に学習した通り、三角で表わします。」

 「次に、温暖前線を書きましょう。暖かい空気は南から吹いて来ます。傾ける方向は寒冷前線と同じ反時計周りです。今度はピンクなど暖かい色で塗って下さい。そして、半円の温暖前線の記号を書いて下さい。」

  (上:Aさんの学習プリント)

 「次に、雨が降っている場所を考えます。先生が4つの点A〜Dを書きますので、それぞれの天気を「雨」か「晴」で答えて下さい。点Aは寒冷前線の手前、点Bは寒冷前線がこれから通過することろ、点Cは温暖前線の手前、点Dはこれから温暖前線が通過するところです。」

 「えっ、ヒントが必要ですか。ヒントと言うより、3時間前に学習した『4つの前線』の断面図を見れば答えが書いてるし、教科書や理科便覧にある低気圧の雲を見ても分かると思います。では、考える時間を3分あげます。」


(上:Aさんの学習プリント)

 「それでは、答え合わせをしましょう。雨の降っているところは2箇所、晴れているところも2箇所です。点Aは、、、雨。点Bは、、、晴。点Cは、、、晴。点Dは、、、雨です。雨が降っていることろに注目すると、いずれも寒いところですが、点Aと点Dでは雨の降り方に違いがあります。激しいのはどちらでしょう。教科書や理科便覧の写真を見ればすぐにわかるので調べて下さい。」

 「そうですね、点Aのほうが激しく降ります。雲の名前は分かりますか。」
 「そうですね、入道雲や雷雲のあだなを持つ積乱雲です。」

  (上:Bさんの学習プリント)

3 低気圧のその後
 「授業の最後に、低気圧の最後を調べてみましょう。生まれたばかりの低気圧には寒冷前線と温暖前線があり、その間に暖気(暖かい空気)がはさまれています。しかし、周囲からどんどん空気が流れ込んでくると、寒気と暖気の進む速さの違いから、どちらかの面積が少なくります。では、質問です。寒気と暖気で、速く進むのはどちらですか。」

 「そうですね、寒気の方が速く進みます。したがって、2つめの図を書くときの注意点は、寒冷前線と温暖前線を回転させるだけでなく、それらの間にある暖気の部分を小さくします。」


  (上:C君の学習プリント)

 「そして、低気圧の最後は、寒冷前線が温暖前線に追い付いてしまい、前線が閉じてしまことです。ところで、閉じてししまった前線の名前を覚えていますか。」

 「そうですね、閉塞前線です。」

◎ D君の学習プリント

評価基準
1 自然事象への関心・意欲・態度
 A 自分の体験に基づいて感想やまとめをすることができる
 B 学習プリントを正確かつ丁寧にまとめることができる

2 科学的な思考
 A 平面的な前線ではなく、立体的な前線面をイメージしながら思考することができる

3 実験・観察の技能・表現
 B 低気圧にともなう寒冷前線、温暖前線、閉塞前線、雨域を正確にまとめることができる

4 自然事象についての知識・理解
 B 低気圧の誕生から消滅まで、前線の変化から説明することができる
 B 低気圧中心付近の雨域を、雨の降り方にまで注意して説明することができる


授業を終えて

 ここ数時間、教室での学習になっているが理解度は高いと思う。

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