このページは、Mr.Taka による中学校理科の授業記録:物理学 2年(2003年度)です

実験5 電流と電圧

                   2003  7 8(火)
                   第2理科室

はじめに
 1学期期末テストを終えてほっと一息。生徒に自己評価もさせたので1学期評定のめども立った。今日から、実験を再開できるので浮き浮き気分だ。生徒にとっても久しぶりの実験だけれど、私の想像以上の回路を組んでくれるものと期待している。

 さて、夏休みまでにオームの法則抵抗を終了するため、これからのプラン作りをした。以下にそのメモを残しておく。

◎これまでの学習の内容(実験)
1 静電気と動電気、(電子について)
2 直列回路と並列回路(2時間)
3 電流の測定
4 電圧の測定
5 電流と電圧

したがって、

夏休みまでの学習プラン
(最低5時間)を次のようにしよう。
1 電流と電圧の関係を測定(実験)する
2 電流と電圧の関係をグラフにする
3 オームの法則を知る
4 オームの法則を検証実験する
5 オームの法則から抵抗を導く(実験)
6 合成抵抗について(応用)

※ フレミングの左手の法則、右手の法則、モーターづくり、電磁誘導、熱量は、2学期から始める。


(上:やっぱり私の予想以上の回路を組んで、正しい結果を出しました。)

注意1: 一般には、豆電球ではなく『電熱線』を使います
  → 豆電球の短所は、発熱にともない抵抗値が変化して結果が悪くなること
  → 豆電球の長所は、明るさから電流・電圧の大きさを視覚的に感じられること

注意2: 一般には、豆電球ではなく『乾電池』の数を変化させます
  → 豆電球の短所は、回路が複雑になるだけでなく、結果のまとめ方が難しいこと
  → 豆電球の長所は、応用範囲が広く実験の楽しみが大きいこと


<本時のねらい>
1 実験の感覚を取り戻す
2 直列につなぐ豆電球の数を増やしていくと、回路に流れる電流の大きさが小さくなることを実験で確かめる
3 並列につなぐ豆電球の数を増やしていくと、回路に流れる電流の大きさが大きくなることを実験で確かめる 
4 オリジナル回路を組んで、そこの流れる電流の大きさを予想し、実験で確かめる
※ 1と2は、生徒全員に達成してもらいたい
※ 3と4は、発展学習

<授業の流れ>
1 本時のねらい
(2分)
2 実験手順の説明
(3分)
3 生徒実験
(40分)
4 本時のまとめ
(5分)


◎ 生徒実験の様子
 90%以上の生徒が、正しく電流計と電圧計をつないでいたので感激しました。

(上:電流計は直列に、電圧計は並列につなぐ。)

◎ ひたすら豆電球を並列につないだA君の学習プリント
 私のねらい通りの実験を行って頂き、ありがとうございます。この結果からたくさんのことが読み取れると思います。
・ 豆電球(抵抗)を増やすと、電流の大きさは小さくなる
・ 回路全体にかかる電圧の大きさは、1つひとつの抵抗にかかる電圧の大きさの和になる
・ 乾電池は1個だったけれど、接触不良等で多少のばらつきがある
 
A君は、この後、たくさんのオリジナル回路を組み、さらなる発見をしています。

◎ B君の学習プリント
 豆電球を直列に1、2、3個つないでから、次に、並列に1、2、3、4とつないだ実験をしています。また、直列と並列を組み合わせて回路についても調べています。豆電球(抵抗)と電流の関係は、<まとめ>で正しく整理され、抵抗という語句も正しく扱われています。

◎ Cさんの学習プリント
 豆電球の直列つなぎ1、2、3個しかできなかったけれど、これが私の目標だったし、Cさんも満足しています。さて、Cさんの「はっけん」には、豆電球を1コ増やすと、電圧(V)が半分になることが書かれていますが、(私としては、電流の大きさに着目して欲しかったけれど)、彼女の発見も間違っていません。

◎ D君の学習プリント
 下の画像をクリックすると拡大します。

 → E君F君のプリント

◎ 本時のまとめの板書案
 直列につなぐ豆電球の数を増やす。左から順に、1個、2個、3個。すると、回路全体に流れる電流の大きさは減っていいく。この黒板に書いてある電流220mA.180mA.160mAは、とある班の実験結果を発表してもらったものなので、班毎に数値は違う。逆に、同じ数値になってしまっては実験の面白さがなくなる。

 そして、電流の流れにくさ=抵抗で締めくくる。


授業を終えて
 
抵抗器を使えば、はるかに誤差が小さく良い結果が得られるけれど、ほんのり光る豆電球を使った方が面白いです。中学生なんだから、面白さも大切だし、たとえ誤差が出ても、その原因を追求するほうが、いろいろな視点から結果を考察したり、実験を工夫する必要が出てきます。

なお、今回の実験は乾電池の数を1個、または、2個で固定して行いましたが、これについては問題ありませんでした。敢えて言うなら、ずっとつけておくと電池が弱くなることです。

← 前 時
1学期の自己評価基準

次 時 →
電流と電圧の関係

↑ TOP


→home本ページに関するお問い合わせは、taka1997@ons.ne.jpまで
Copyright(c) 2003-2005 Fukuchi Takahiro, All rights reserved.