このページは、Mr.Taka による中学校理科の授業記録:物理 2年学(2003年度)です |
実験16(電流による発熱)の続き
2003 10 6(月)
第1理科室<本時のねらい>
1 電力について理解を深める
2 電力量と熱量は比例することを実験で確かめる
3 熱量(cal)について知識を得る前時に「放課中から実験を始めてもよろしい。」指示しておいたので、駆け足で理科室に入ってくる班がいくつかあった。約15分間実験させた後、『比例定数4.2』に近いデータにボーナス得点を与えた。
(上:A君の班は『比例定数3.6』を得て合格印をもらった。)
各班の実験データが良ければ、上記の計算式を紹介するつもりだったが、結果が良くない。誤差が大きすぎる。このまま実験を続ければ混乱が大きくなると判断して、時間による発熱量の変化を調べることにした。これ(定性実験)なら、どの班も成功する。
<誤差の原因について>
どの班も、水温が高くなった。低いなら、「熱が逃げてしまった」と簡単に説明できるが、結果は逆である。おそらく、水を十分に撹拌していないのが原因だと思うが、詳細は分からない。とにかく誤差が大き過ぎるので、学習意欲が高まらない。
本時の実験『1分間毎の水の温度上昇を調べる』
<変化させない条件>
・ 水の量(100g)
・ 電圧36W(電熱線2.5Ω、電圧10V、電流3.6A)
(上:表の1番下に『時間』、その上に『水温変化の量』が記載されている)
(上:上のデータをグラフ化したもの)
美しい比例関係が得られた。ここまでなら誰でもできると思うんだけれど、この傾き量(比例定数)を求めようとすると、「実験上の問題」と「数学の基礎知識の問題」が重なってしまい、チンプンカンプンになる。
◎ A君の学習プリント
◎ Bさんの学習プリント
<評価基準>
1 自然事象への関心・意欲・態度
B 実験結果を正確、かつ、丁寧にまとめることができる
2 科学的な思考
B 熱量(cal)の定義を正しく捉えることができる
3 実験・観察の技能・表現
A 発熱量と時間の関係をグラフ化することができる
A 誤差±10%で比例定数を求めることができる
B 誤差±30%比例定数を求めることができる
4 自然事象についての知識・理解
B 発熱量と電力量の関係を正しく理解することができる
授業を終えて
私自身、もっと勉強してから授業に臨まなければいけなかったと反省している。そして、同じ混乱を招かないためにも、次の手順で授業を展開することを提案したい。
第1時
熱量(J)=電力量(W秒)
1J= 1W秒第2時
熱量の単位は、ジュール(J)とカロリー(cal)の2つがある
1cal= 4.2J
1cal= 4.2J=4.2W秒
熱量(calカロリー) 熱量(Jジュール) 0.24cal 1J 0.48cal 2J 0.72cal 3J 0.96cal 4J 1cal 4.2J 2cal 8.4J 3cal 12.6J 4cal 16.8J 5cal 21J 入試で単位変換の問題がでた時にために、1cal= 4.2J=4.2W秒だけを丸暗記することをお勧めします。これだけ覚えておけば、簡単な比例計算で全ての答えを出すことができます。いくつかの資料には、熱量(cal)=0.24×電力量(W秒)という式が掲載されていますが、これは混乱を招くので見ないようしてほうが良いと思います(定数0.24には、cal/W秒という単位が省略されています)。Mr. takaもこの関係を考えているうちに深みにハマり、数日間眠れない夜を過ごしました。今となっては単なる勉強不足だけれど、他の理科の先生をつかまえて何回も同じ質問を繰り返していました。とにかく、1cal= 4.2J=4.2W秒だけで十分です。 ヨーロッパ連合(ユーロ) 日本(円) 0.0078ユーロ 1円 0.0167ユーロ 2円 1ユーロ 127円 2ユーロ 254円 現金(ユーロ)=0.0078×現金(円)
1ユーロ=127円
2003年10月17日現在
実験16 電流による発熱 |
熱量について |
note
熱量(J)= 電力量(W秒)
熱量(J)= 電力(W)× 時間(秒)
熱量(J)= 電圧(V)× 電流(A)× 時間(秒)
熱量(cal)= 水の質量(g)× 温度(°C)
熱量(cal)= 0.24(cal/J)× 熱量(J)= 0.24(cal/W秒)× 電力量(W秒)
1cal= 4.2J=4.2W秒