このページは、Mr.Taka による中学校理科の授業記録 3年(2004年度)です

観測9 1日の星の動き(星の年周運動)
                   2004 10 21(木)
                   各教室

 みなさんは、季節によって見える星座が変わることは知っていますね。毎日観測していると、星は1日に4分ずつ早く昇ることが分かります。1年で24時間になります。つまり、星は1日で360度(地球の自転)動くのではなく、季節による変化まで加えると361度(地球の自転と公転)回転することになります。

<授業のおおまかな流れ>
前半: 星の日周運動(前時の復習→ 日周運動の速さ)
後半: 星の年周運動(本時のメインディッシュ)
復習: 地球の自転と公転


◎ 授業の流れ
1 1日に動く角度(星の日周運動)
<説明の例>
 「今日は誰に真北に立ってもらいましょう?・・・A君でいいですか?・・・では、みなさん、真北のA君を描きます。」・・・「A君、君の頭の上に輝いている星は何ですか?・・・そうですね、北極星です。」
 「次に、北極星のまわりにたくさんの点々が印刷してありますが、北極星の左にあたる点に星を1描いて下さい。ここで皆さんに復習してもらいます。全ての星は、北極星を中心にして日周運動をしていますが、どちらの方向に回転しますか?時計まわりだと思う人?・・・反時計まわりだと思う人?・・・正解です。では、矢印を次の小さな点のところまで書いてから、矢印に日周運動と書きましょう。」

 「次に、この短い矢印の動く時間を調べてもらいますが、その前に、薄い色のペンで北極星と星、北極星と次の点を結びます。すると、2本の直線でできる角度は何度になるでしょう?・・・答が出ないようなのでヒントをあげます。北極星の周りには小さな点がいくつあるか数えて下さい。・・・そうですね。24個です。でるから、・・・そうそう、これで1時間に動く角度であることは分かりましたが、その角度は?・・・そうです、350度÷24で、15度になります。」

 「ついでなので、1時間から24時間まで適当な時間を先生が書くので、時間の後にあるカッコの中に角度を書いて下さい。単純な計算なので、出席番号で指定します。今日は21日なので、1番、11番、21番、31番、41番、6番、16番、36番、46番の人は自分のプリントが完成したら黒板に発表しに来て下さい。」

(右:星の日周運動の時間と角度の関係)

 「ここで簡単な練習問題をしましょう。B君、ここにある星が、点4つ分動いたときの時間は何時間で、何度でしょうか?・・・時間は簡単ですね。点は24個だったので、・・・そうです! 4時間です。そして角度は?・・・そうですね、今、黒板に発表してもらった通り60度です。」


  「北にある全ての星は、北極星を中心にして同じように日周運動しているので、幾つかの星を書き込んで完成としましょう。」

(上:星の日周運動のまとめ)


2 1年に動く角度(星の年周運動)
<説明の例>
 「では、ここからが今日の本番です。地球の自転によって星が日周運動しているようみえることは分かったと思いますが、もっと詳しく調べると、季節によって見える星座が少しずつ変わります。毎日少しずつ変わっていき、春には春の星座である獅子座、夏には織姫星や牽牛星が見えたり、秋にはペガサス座やアンドロメダ座、冬にはオリオン座が見えるようになります。そして、1年かけてもとの星座に戻りますから、こうした星の運動を『星の年周運動』といいます。」「さてさて、この年周運動をプリント右側に書いて下さい。日周運動と同じように、真北にA君と北極星を書きます。そして、北極星の右側に1つ星を書きます。この星は、毎日少しだけずれますが、356日で1周するので、1日にでは約1度回転することになります。」→何故、反時計周りに回転するのかは、後で説明するが、最終的には理解できなくても大きな問題は発生しない。大切なのは、星の1日の動きは、日周運動+年周運動=360+1=361である。360−1=359ではない。

 「次に、日周運動と同じように年周運動の時間と角度の関係をまとめておきましょう。」

(右:星の年周運動の時間と角度の関係)



3 地球の自転と公転の復習
 <説明の例>
 「最後に地球の自転と公転を復習して、本時は終了です。太陽と地球を書いて下さい。さて、地球は太陽を中心として回転していますが、これを何と言いますか?・・・そうですね、公転です。1年で1回転します。地球は、自転しながら公転しているのですね。この2つの回転を1つの図で書き表わすと、公転方向と自転方向は同じなので、太陽に対しては、24時間よりちょっと短く、具体的には4分短く(24時間÷365日=4分)なります。」

日周運動 年周運動
原  因 地球の自転 地球の公転
1時間に動く角度 15度
2時間に動く角度 30度
1日に動く角度(時間) 360度 1度(4分)
1ヶ月に動く角度(時間) 30度(2時間)
1年に動く角度(時間) 360度(24時間)


(上:地球の自転と公転)

4 感想と発見


◎ Dさんの学習プリント
 
◎ 板書例



<評価基準>
1 自然事象への関心・意欲・態度
 B 色ペン等を使って、学習プリントを丁寧かつ正確にまとめることができる

2 科学的な思考
 B 宇宙から見た地球の自転と公転を関連づけて、星の1日の動きを考えることができる

3 実験・観察の技能・表現
 B 星の日周運動と年周運動を正しくスケッチすることができる

4 自然事象についての知識・理解
 B 星の1日の動きを正しく説明することができる


授業を終えて
 本時は北の空だけしか学習していないので、練習問題を使って南の空の場合も練習する必要がある。

 ほとんどの生徒は、地球の自転と公転によって、星が1日に361度回転するように見えることを理解できたようだが、友達に説明できるレベルに達している生徒は少ないと思う。やはり、練習問題や家庭での復習が重要になる。

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