このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 3年(2004年度)です

実験1 自由落下運動(速さ)
              
                   2004 6 3(木)
                   第1理科室

 みなさんに問題です。『乾電池とでは、どちらが先に落ちるでしょう?』予想できた人は下の画像をクリックして下さい。(余談ですが、初めてパラパラ動画を作りました。3時間消費。)

(上:乾電池の上に赤い紙を載せて落します。)

<本時のねらい>
 乾電池の自由落下運動させ、その記録テープを1/60秒毎に切断、順に張り付けることで、等加速度で速くなっていることを発見する。


<授業の流れ>
1 演示実験『と乾電池の自由落下運動』

 上の実験では、乾電池の方が速く落ちました。みなさんは、その理由が分かりますか?乾電池の方が重いからではありませんよ。

 理由は空気抵抗の大きさです。もし、紙を小さく丸めて空気抵抗を小さくし、乾電池と同じにすれば同時の落ちます。実際に実験してみましょう。心の準備が出来た人は、下の画像をクリックして下さい。

 お疲れ様でした。紙と乾電池が同時に落ちてくることが分かったでしょうか。真空状態なら、紙を丸めなくても同時に落ちます。また、鳥の羽もすとーんと落ちます。

2 生徒実験『乾電池の自由落下運動』
 使い古した乾電池に記録テープをつけて落下させる。
 初めの1クラスは、落下した『距離』をグラフ化させようとしたが失敗。記録タイマーの使い方、記録テープの処理の仕方など実験上の問題点が多いだけでなく、数学の授業で二次方程式を学習していないことも発覚。とても無理と判断し、2クラスめから
『速さ』をグラフ化させた。
<実験上の注意>
・ 新しい乾電池に衝撃を与えると液漏れ・発熱などして危険
・ 記録タイマーを60Hzにセットする
・ 記録テープは、教師が70cm程度に切って渡す

<説明1:実験上の注意>
 「乾電池と記録テープを真直ぐに付けます。これは摩擦を少なくするためですが、その他にいくつか工夫する必要あります。真上からみた時に記録テープが一直線になっていることや、紙テープの中間ではなく上端を持つことなどです。その他にも自分で工夫して下さい。さて、装置をセットしたらボタンを押します。と同時に乾電池を落します。一瞬で終わりです。出来た人は先生に見せて下さい。合格した人から学習プリントに糊づけしますが、勝負は初めの瞬間だけです。失敗した人には、もう1本テープをあげますから、勝手にテープを捨てるのではなく先生に失敗したテープを見せて下さい。

<説明2:記録テープの処理>
 「できた記録テープは1打点毎に切ります。そして、下端をそろえて順に糊付けします。階段状になります。教科書41ページに結果がありますので参考にして下さい。」

<生徒の様子>
・ 実験は、数分〜10分で終了する
・ 失敗して、新しい記録テープを使う生徒は3割

 → 2回めのテープは短くして配付する
 → 3回めはもっと短くする(摩擦や誤差を小さくするため)

・ データが揃っているので、処理が楽しそう


3 ある瞬間の速さを求める

 ほどんとの生徒の処理が終了したところで、10本目のテープが落ちた時の瞬間の速さを求めた。
 速さ=距離÷時間


 
私は、小学校の延長だと思っていたが大失敗。まず、速さ=距離÷時間を忘れている。次に、自分の10本目のテープの長さを測定させて、それを距離とするところまでは良いが、距離を1/60で割れない。まあ、確かに、2.8を1/60で割るのは難しいかも知れないが、全く分からないようなので私は次のように説明した。
 「この記録タイマーは、カタカタカタカタカタカタカタカタって1秒に60回振動していることは分かる? いいよね。で、カタの間に2.8cm落ちたんだから、それは1/60秒の時間だから、1秒なら何cm落ちる? もう1度説明するよ。 1/60秒で2.8cm落ちたんだから1秒なら?」
 「そうですね。60倍すれば良いですね。」

4 本時のまとめ




◎ Aさんの学習プリント



◎ Bさんの学習プリント


<評価基準>
1 自然事象への関心・意欲・態度
 B 自宅から、鋏・のり・短い定規を持参できる

2 科学的な思考
 A 自由落下する物体の加速度は、常に等しいことを指摘できる
 B 記録テープの長さから、運動の速さを求められる

3 実験・観察の技能・表現
 A 記録テープの階段が、原点を通るように処理できる
 B 記録テープを1打点毎に切り、規則的な階段状に添付できる

4 自然事象についての知識・理解
 B 自由落下する物体の速さは、時間とともに速くなることを理解できる
 B 物体の移動距離と時間から、瞬間の速さを求められる


授業を終えて
 美しい実験結果がでるので生徒は満足していた。ただ、1/60秒の瞬間の速さの理解度は低いので、次回は6/60秒(0.1秒)にしよう。

地球の重力加速度(g)= 9.80665 m/秒/秒

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