このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 3年(2004年度)です

実験2 自由落下運動(距離)
              
                   2004 6 7(月)
                   第1理科室

 前時と全く同じ実験ですが、縦軸が距離になります。落下実験は1回でも良いのですが、本物の記録テープでグラフを作りたいので1人10回落しました。出来上がりのグラフは、下図のような放物線になります。

(上:板書案)

<本時のねらい>
 乾電池を自由落下させ、その落下運動を記録タイマーで記録する。テープを1秒毎に切断、順に張り付けることで、乾電池が等加速度で落下していることを発見する。


<授業の流れ>
1 実験データの処理方法

 「できた記録テープは6打点毎に切ります。そして、下端をそろえて順に糊付けします。階段状になります。教科書41ページに結果がありますので参考にして下さい。」

2 生徒実験『乾電池の自由落下』
 実験方法は前回と同じ。ただし、今回は同じ記録を1人10本作るので、テープを節約することが大切。
<実験上の注意>
・ 記録タイマーを60Hzにセットする
・ 記録テープは20cmで十分(8、9、10本目は30cm)
 → 理論的には6本目(0.1秒後)の落下距離は4.9cm、12本目(0.2秒後)は19.6cm。



3 データ処理

同じように正確な実験を繰りえせば、同じ結果が得られるので問題ないが、生徒の実際は誤差だらけ。したがって、記録テープを横一線に並べられないので、どうにもならない。

(上:A君は比較的正確な実験をくり返した)

<評価基準>

1 自然事象への関心・意欲・態度
 B 自宅から、鋏・のり・短い定規を持参できる
 B 乾電池の落下実験を10回くり返すことができる

2 科学的な思考
 A 自由落下する物体の加速度は、常に等しいことを指摘できる
 A 誤差が生じた記録テープの原因を考え、それを修正してグラフ化できる

3 実験・観察の技能・表現
 A 実験データから、放物線を描けられる

4 自然事象についての知識・理解
 B 自由落下する物体の距離は、時間とともに加速度的に増えることを理解できる


授業を終えて
 今日の授業が苦しかった理由は次の3点。こんなに大きな問題があっては無理でしょう。

1 実験の誤差が大きい
 生徒は同じ実験をくり返すことができない。誤差の原因のほどんどが、記録テープとタイマーの摩擦。

2 実験誤差を修正できない
 誤差が出来ても、記録テープを並べる時に修正できるだろうと判断していたが無理だった。どこで、どようにして誤差が出来たのか推測できなければ修正できない。
写真左のように中間部分に着目してしまう生徒もいる。

3 数学で放物線を学習していない
 これから学習するんだって・・・


 ということで収穫の少ない実験でしたが、記録タイマーに慣れ、自分達の実験誤差の大きさに気づくことはできたでしょう。もし、もう自由落下運動の距離について測定する時間が与えれれるなら、実験は1回だけにして、そのデータ処理に時間をかけるのが正解だと思います。下に板書案を掲載します。


(上: 左端に番号(時間)と距離を書き込んだ記録テープを添付、その右側にデータをグラフ化させる。)

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実験1 自由落下運動(速さ)

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実験3 斜面を滑り落ちる台車

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