このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 3年(2004年度)です

これまでの復習問題1(速さの単位変換)
              
                   2004 6 
                   各教室

 期末テストも迫ってきたので、市販の問題プリントを使って練習問題を解かせた。すると、出るわ出るわ、「先生、分かりません!」の嵐。前時学習した『合力』も、嵐対策として行った特設の2時間授業だったが、今日の特設15分授業は、全く別次元だった。初めは速さの単位変換の説明だった。問題『時速60Kmを分速にすると?』・・・。まあ、このレベルなら1度は説明するべきだ。しかし、丁寧に復習しているうちに、トンでもない呟きの嵐が吹き荒れた。「あっそうか、速さは距離÷時間か。初めて知った!」・・・。どこまでレベルを戻すのか! この重大問題は今に始まったことではないが、目の前に吹き荒れる嵐を見逃すべきか、受け止めるべきか。それが問題だ。授業が終わった時点では、みなさん「単位変換まで分かった!」と帰宅してくれるのだが、それ以上は宿題でも出さない限り・・・、やはり、宿題は必要なのか。あるいは、単純かつ純粋な算数的数学的問題は、数学科に任せるべきなのか、やや、やれることは理科も協力してやるに決まっているけれど、それでは理科の内容がおろそかになるし・・・、それに、今やっている復習は小学校5年生の問題だから、中学を卒業した後は小学校6年生入学?なかと思うけれど、そんな話をはじめたら、ノートに何を書いたか自分でも分からないとか、我慢する時間がほとんど0とか、感情をそのまま言葉に出してしまうとか、挨拶できないとか、忘れ物が多いなどといった幼稚園までの躾が・・・、中学校では何を教えれば? 僕は中学校理科の授業に専念し、それにすべてを集約できなければ中学校教育は成り立たないと考えている。だんだん理科の授業記録から脱線してきたので、本時実践した『速さの単位変換』を記そう。


◎ 授業の流れ
1 問題プリントを配る
(1分)
2 各自で問題を解かせる
(24分)
3 答え合せ→ 間違えたところを考えさせる
(10分)
4 速さの単位変換
(15分)
 <説明の例>
 「それでは、速さの単位を変えれない人がいるので、簡単に復習しましょう。」
 「第1問。秒速2cm(2cm/秒)は、分速何cm(何cm/分)ですか?
 「えっ、分からない!! 考え方を紹介します。秒速2cmとは(1秒で2cm進むこと)だから、1分なら、つまり、60秒なら60倍進みます。だから、2cmを60倍すれば良いですね。」
 「そうです。答は120cm/分です。よくできました。しかし、もし、解答欄が(何cm/分)ではなく(何m/分)だったらどうなりますか?」
 「120cmを、mにするだけですよ。」
 「そうですね。1.2mです。ですから、120cm/分= 1.2m/分、です。」
 「では次に、120cm/分を時速にしましょう。どうすれば良いですか。」
 「そうですね。距離を60倍すればいいですね。さっそく計算してみましょう。」
 「答は・・・」
 「7200cm/時。正解です。それは、何m/時?」
 「72m/時。正解です。さらに、何km/時?」
 「ええっ、桁を間違えないで下さい。」
 「そうです。0.072m/時です。」
 「ふー、やっと出来ました。今度は、時速を秒速にしてみましょう。」

 「第2問。新幹線の時速240kmは秒速何メートル?
 「ノーヒントで解いて下さい。」
 「答え合せの前に考え方を紹介しましょう。240km/時は、1時間に240km進むということだから、つまり、新幹線で2時間走ったとすると480kmになるから、名古屋から東京まで新幹線で2時間だから、実際の距離は400kmだけどだいたい合いますね。時速240kmは1時間に240km進むということです。ということは、S君! 30分で何km進みますか?」
 「なるほど、分かりませんか。もう一度説明すると、1時間に240km進むんだから、30分なら1時間の半分しかないので半分しか進めないから、答は・・・、・・・240kmの半分だから・・・」
 「正解! 120kmです。」
 「ちょっと怪しい人がいそうなので、P君に問題です。時速240km、20分なら何km進みますか?」
 「えっ、パスですかあ・・・。じゃあ、P君に代わって皆のために間違えてくれる人を指名して下さい。」
 「ではU君、お願いします。」
 「素晴らしい。正解です。間違えてくれませんでしたね。時速240kmで20分なら、160km進みます。計算方法は、20分は1時間の1/3だから、距離も1/3になるから、240kmの1/3で80kmです。」
 「じゃあ、再びP君に質問です。」
 「分からん、じゃありません! 考える前に『分らん』は間違いです。時速240kmで10分なら?」
 「復習しましょう。1時間で240km、その半分の30分なら120km、20分ならもう少し減って80kmでした。となると、10分なら?」
 「20分の半分ですよ・・・」
 「はい、よくできました。40kmです。大正解です。考えればできるじゃないですか!」
 「さあ、距離と時間と速さの関係はこれまでにして、今日の問題に進みましょう。」
 「時速240kmの新幹線が1分で進む距離は?」
 「そうですね。240km÷60で4km。ですから、分速は4km(4km/分)です。」
 「次に、分速4kmを秒速にします。」
 「その前に、4kmは何m?」
 「そうです。4000mです。新幹線は1分間に4000m、4km進みます。」
 「これで最後です。4000m/分は、何/秒?」
 「自分で計算して下さい。」
 「適当なところで四捨五入すれば良いです。」
 「そうですね。67m/秒です。」
 「計算式は、速さ= 距離÷ 時間= 4000m÷ 60秒= 66.66666・・・m/秒= 67m/秒です。」

<評価基準>
1 自然事象への関心・意欲・態度
2 科学的な思考
3 実験・観察の技能・表現
4 自然事象についての知識・理解
 B 1学期期末テストで50〜79%を正解できる


授業を終えて
 クラス5番以内の生徒でも、新発見のしたときのような光り輝く目をしていた。

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