このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 3年(2004年度)です |
理科で使う単位
2004 7 14(水)
第1理科室
期末テストで発見した生徒の弱点克服のための第3弾として、『理科で使う単位』を学習した。理科、とくに物理分野にはたくさんの単位が存在するが、単位を完璧にマスターすれば半分以上理解できたと考えて良い。今日は時間の許す限り単位の復習をしたい。また、k(キロ)やm(ミリ)など、単位の桁を変える語についても、授業の早い時間にまとめる。
(上:10の乗数を表わす語)
◎ 授業の流れ
1 導 入
<説明の例>
「今日は理科で使う単位について復習しましょう。理科便覧193ページを開けて下さい。」
「ここには長さ、質量、圧力、温度などたくさんの単位がありますが、時間が許す限りプリントにまとめていきたいと思います。まず、長さについて調べてみましょう。」
2 長さ(距離)の単位
<説明の例>
「みなさんの知っている長さの単位を紹介して下さい。」
「メートル! いいですね。」
「センチ!? それは違いますよ。正確には何ですか?」
「そうですね。センチメートルです。センチだけでは長さを表わしません。」
「他には?」
「キロ!? キロも違います。正確には?」
「そうです。キロメートルです。例えば、友達に体重を質問する時、あなたの体重は何キロですか? と言いますが、あれも間違いです。正確にはグラムをつけて、キログラムと言わなければ間違いです。だって、自分の体重を答える時、「50キロ」だけでは、50Kmなのか50Kgなのかパソコンで使う50Kバイトなのかわかりません。普通の会話ではキロだけでも間違うことはありませんが、実はキロは1000倍を表わす言葉なので、50キロだけでは、重さなのか距離なのか分かりません。これについては、この後すぐ、表にしてまとめるので、もう少し『長さの単位』を発表して下さい。他には?」
「里!! なるほど! 昔の距離を表わす単位で、1里は約4Kmです。他には?」
「長さの単位がで尽つくしたようなので、ここで、先ほど後回しにした単位を1000倍したり、100倍したりする語についてまとめてみましょう。理科便覧193ページの下に表があります。これを見ると、100万倍したり、10億分の1にしたりする語ありますね。自分でまとめ直した後、練習問題をやってみましょう。」
(上:A君の学習プリント)
<単位変換の練習問題の説明例>
「じゃあ、練習してみましょう。A君、1メートルは何センチメートル?」
「正解。1mは100cmです。」
「B君。 5mは何cm?」
「正解。5mは500cmです。このように、c(センチ)は1/100を表わすので、ゼロが2つ増えます。」
「C君。 20cmは何m?」
「正解。 0.2mです。」
→ これは理想的な授業展開ですが、教室の現場では、しだいに分からない生徒が増えてきます。k(キロ)はゼロを3つ増やすんだよ。m(ミリ)はゼロを3つ減らすんだよ。例えば、1Kmは1mにゼロを3つ書けば良いから1000mになるんだよ。などと、くり返し丁寧に説明すれば、だんだん分かってくるのですが、ゼロが増えたり減ったりする算数的拒絶反応を抑えるのは容易ではありません。丁寧かつ分りやすく、そして、さっと切り上げることが肝要です。
3 質量の単位
<説明の例>
「次に、質量の単位をやろうと思いましたが、距離の単位変換でへとへとになったようなので、g(グラム)とだけ書いて終了にします。単位変換の方法は距離と同じです。」
4 時間の単位
<説明の例>
「次は、時間の単位です。みなさんの知っている単位を発表して下さい。」
「練習問題をやってみましょう。D君、君の好きな時間を言って下さい。」
「えっ、何? 5月23日8時24分ですか。了解です。」
「では、この時間を使って問題を創りましょう。」
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5 本時のまとめ・感想
・ 自分で「2時間は何分?」というような簡単な練習問題を作らせると良い
・ 理科便覧を使って、他の単位についてまとめさせると良い
◎ E君の学習プリント
<評価基準>
1 自然事象への関心・意欲・態度
B 日常生活にある単位を探し、発表できる
B 単位を10の乗数倍する語を、丁寧にまとめることができる
2 科学的な思考
A 単位のもつ意味を思考できる
3 実験・観察の技能・表現
4 自然事象についての知識・理解
B いろいろな単位を正確にまとめられる
B 長さや質量の単位変換ができる
授業を終えて
もう少しいろいろな単位を復習できるような気もしたが、落ちこぼれを作りたくないので先を急がないようにした。今日の授業は、もともと復習なのである。それから、最後のまとめ・感想の時間を7、8分確保したが、ほとんどの生徒が熱心に自分の力に応じたまとめをしていたので授業レベルは適正だったと判断した。それから、時間は60進法、12進法、14進法、7進法、30進法、100進法などが混在するややこしい単位であることを再認識した。だから、距離を時間で割る『速さ』はさらに混乱して当然である。慣れるしかない。
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