このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 年(2017年度)です

第45時
実習19 化学変化は、必ず熱が出入りする

2017 9 26(火)
普通教室

はじめに
 化学変化には必ず熱の出入りが伴います。この事実はいまさら確認するまでもなく、子どもたちは受け入れてくれるレベルになっています。今日はこれまでの化学反応式を復習、そして、珍しい吸熱反応について紹介する時間になります。机上の1時間になるので、ゆっくり進めたいと思います。


上: 本時の学習プリント


本時の目標
・化学反応式の作り方を再確認する
・化学変化には、必ず熱の出入りが伴うことを認識する

準 備

生 徒 教 師
  • 教科書
  • 理科便覧
  • ファイル
  • 本日の学習プリント(1 /人)

授業の流れ
(1)本時の授業内容の紹介 (1分)

(2)基本的な化学反応式(発熱反応(10分〜15分)
 これまでに学習した化学変化のうち、代表的なもの3つを取り上げます。いずれも発熱反応なので、反応後の右辺に『+熱』と書かせます。

  1. 炭素+酸素 → 二酸化炭素+熱
  2. 鉄 +硫黄 → 硫化鉄  +熱
  3. 塩酸+水酸化ナトリウム → 塩化ナトリウム(食塩)+ 水+熱

(3)酸化カルシウム+水 → 水酸化カルシウム+熱(5分〜10分)
 酸化カルシウム(生石灰、せいせっかい)は、乾燥剤の主成分です。いろいろな食品の乾燥剤の成分表示を調べてみてください。子どもたちに持参させても面白いと思います。無料で入手できます。

 これをペットボトルに入れ、水に溶かせば、・・・何と、石灰水ができます。石灰水=水酸化カルシウム水溶液、だからです。ただし、乾燥剤(シリカゲル)はまったく違う物質なので、お間違えのないように、、、

 なお、水酸化カルシウムは消石灰(しょうせっかい)といいます。酸化カルシウム(生石灰、せいせっかい)と混同しないように注意しましょう。いずれも、ほどんど水に溶けませんが、溶かしたものは石灰水になります。二酸化炭素によって白濁する(炭酸カルシウムの沈殿ができる)水溶液です。


上:酸化カルシウムを水に溶かしたときの反応

    指導上のポイント
    (1)モデルを可愛く書く
    (2)原子番号20番カルシウムは大きめ、8番酸素は小さめ
    (3)原子番号1番水素はとても小さく
    (4)(2)と(3)を組み合わせ、水酸化カルシウムを作る
    (5)原子の組み替え=化学変化、です!
    (6)水素酸素による『化物イオン』は、その名称を教えない

(4)教科書にある吸熱反応(10分〜20分)
 教科書にある、次の吸熱反応を紹介します。吸熱反応なので、反応後の右辺に『− 熱』と書かせます。

水酸化バリウム+塩化アンモニウム  塩化バリウム+アンモニア− 熱

化学反応式は指導する必要はありませんが、私の授業では教えました。以下はその板書です。


上:2つの吸熱反応の化学反応式に関する板書

指導上のポイント
(1)外側と外側、内側と内側で結びつく
(2)(1)は化学変化、組み替えの基本

(4)本時の感想、考察 (5分)


授業を終えて
 水酸化カルシウムや水酸化バリウムの『水酸化物イオン』は、そのモデルを書くことによって理解できたようです。ただし、家庭で復習しない生徒は記憶が定着することなく、忘れてしまうでしょう。それは仕方ないので、次の授業チャンスでやりましょう。長い目、3年計画で指導すれば良いことです。

実践ビジュアル教科書『中学理科の化学

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