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第51時
観測1 天気の記号
2017 10 25(水) 26(木)
普通教室はじめに
今日から地学分野が始まります。気象の学習です。私個人の目標は、子どもたちがテレビニュースや新聞にある天気図を読み取り、大まかな天気予測ができるようになることです。 そのために毎回、朝刊の天気図をコピーし、授業でそれを読み解く作業を繰り返します。内容は基礎から始め、毎時間5分程度とします。天気図とその日の学習内容がピッタリだった場合は10分以上使ったり、授業のさまざまなタイミングで振り返ったり利用したりします。復習に使うこともあります。このような実践・作業を毎時間繰り返すことで、子どもたちは天気図に親しみを持ち、バーチャルで平面的な天気図とリアルな気象現象を直結させる力を身につけていくことができる、と考えています。
さて、1時間めの今日は『天気の記号』です。授業では18個紹介しましたが、これらは目で見た天気です。その他、いろいろな基準による天気や記号があるので、興味ある方は気象庁HPでお調べください。とても豊かな情報があります。なお、授業で扱うの天気の記号は日本専用です。
上:本時の学習プリント(クリックすると拡大します)
本時の目標
・気象分野で学習することを概観する
・天気図について興味をもつ
・天気の記号を知り、記憶する
・天気は雲量(目視)によって決まることを理解する準 備
生 徒 教 師
- 教科書
- 理科便覧
- ファイル
- 本日の学習プリント(1 /人)
授業の流れ
(1)本時、および、単元『気象』の学習内容の紹介 (5分〜10分)
今日から新しい単元に入ることを知らせます。そして、教科書や資料集を概観させます。先生が気になる写真について、子どもたちに発問してみましょう。先生と子どもたちの関心レベル、知識や理解度の違いがわかると思います。いずれの内容においても深追したり長い説明をしたりすることなく、期待感を高めるようにしてださい。
(2)昨日21時の天気図(10分〜15分)
中日新聞の場合、朝刊の天気図は前夜21時のものです。ネットを検索すれば、もっと新しいものを簡単に入手できますが、授業ではあえて新聞を使います。日本人の活字・新聞離れを少しでも食い止めることができれば、と考えているからです。授業では『前夜の天気図』と『今日の天気予報』をコピーし、それを読み解いたり予想が当たっているか調べたりします。教室の窓を開け、外気を体感することは晴れでも雨でも新鮮な気持ちにさせてくれます。
子どもたちはテレビで天気図を見ることはあっても、しっかりと見たことはないようです。そこにある情報を読み解けないばかりか、天気の記号(快晴・晴・くもり・雨など)すら分からないのが現状です。その原因はメディア各社が独自にわかりやすい記号を工夫していることにあります。今日からの授業では、気象庁が使う天気の記号、前線の記号など、小さな天気図に効率よく情報を掲載していく方法を学習していくことを知らせます。
また、驚くべきことですが、地図がわからない子どもがいます。
「利き手を出してください。そして、人差し指を用意して(先生も人差し指を出し、子どもたち全員が同じように用意できたら)、では、北海道を指差してもらいますが、友だちをみてはいけません。制限時間は10秒、できた人はしばらくお待ち下さい。(10秒後)では、近くの友だちどうしで確認しなさい」
上のような作業をいくつかの地点で行い、最後に自分の中学校の位置(名古屋)を赤ペンで書かせます。この作業は初日1回で十分だと思うのですが、怪しい子どもには個人的に複数回確認してあげてください。日本地図における自分の家・自分の位置を指摘できることは重要です。
(3)天気の記号 (15分〜20分)
日本の天気の記号は、とてもよくできています。その意味と成り立ちが完全にリンクしているので、学習することで頭が中がすっきりします。まず、丸を書きます。そして、快晴は何も書かず、晴れは縦1本線、曇りはちいさな丸を書き、雨は塗りつぶします。
上:天気の記号その他の記号も、本当によく考えられているので、天気と記号を関連性を考えながらおさえていきましょう。
雪の記号
雪の結晶は六角形です。したがって、3本の線で六角形に成長する雪の結晶を表現するのですが、基準線は横です。縦からではありません。これを先に教えると、『みぞれ(雪と雨が同時に降る)』の記号がわかりやすくなります。『雷(かみなり)』の記号は『上は快晴で下は雨』という激しさを表現しているようです。
みぞれと雷を関連づけさせても面白いと思います。
(4)雲量で決まる天気 (5分〜10分)
天気は雲量で決めます。雲量は0〜10の数値で表現します。0は雲が全くない快晴になりますが、雲量1(10%)でも快晴になります。快晴・晴・曇の基準については、下表のようになっています。ただし、雲量は目測で行うものであり、実際の空を見ればわかりますが、ざっくりした分量できめることになります。
上:雲量と天気の関係、および、その他のまとめ(5)水に関する簡単なまとめ (3分)
水に関する簡単な確認を行います。液体の水が降る→ 雨
固体の水が降る→ 雪、あられ、ひょう
天気は、大気中の水によって起こる現象である。(6)本時の感想、考察 (5分)
上:A組の板書(クリックすると拡大します)
上:A組の板書(クリックすると拡大します)
上:A組の板書(クリックすると拡大します)
授業を終えて
ゆったりとした内容だったと思うのですが、子どもたちの視点からすると、覚えることが多い1時間だったと思います。地学初日なので、頑張り過ぎないようにしてください。期待感を持たせることが重要です。
富士山 3.776km 0.0004万km チョモランマ 8.848km 0.0009万km 対流圏 10km 0.001万km 飛行機の高度 10km 0.001万km 飛行場から30km地点 1.5km 空気抵抗が小さくなる&推進力を得られる空気量 飛行場から20km地点 1.0km 飛行場から10km地点 0.5km 大気圏 80km 0.008万km 国際宇宙ステーション 400km 0.04万km 月の直径 3500km 0.4万km 地球の直径 12800km 1万km 車の走行距離 10万km 月までの距離 38.5万km 太陽の直径 140万km 太陽までの距離 15000万km
実践ビジュアル教科書『中学理科の地学』
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