このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録> 3年(2018年度)です |
第44時
実習2 ヒトが持ちこんだカンジキウサギ2018 9 19(水)
普通教室はじめに
教科書にあるニューファンドランド島の記事(ウサギ・ヤマネコ・トナカイの数量変動)を読み、生物種間の数のバランスについて考えます。
本時の目標
・ある生物種の数は、他の生物種との関係の中でバランスとり、周期的な変動をしていることを理解する準 備
生 徒 教 師
- 教科書
- 理科便覧
- ファイル
- 本日の学習プリント(1 /人)
授業の流れ
(1)本時の授業内容の紹介 (1分)(2)ニューファンドランド島の背景(10分〜15分)
教科書を読み、ニューファンドランド島の歴史、背景を学びます。その前に、教室前に掲示してある世界地図で島の位置を確認してみましょう。中学3年生になっても、カナダの位置を知らない子どももいます。北海道よりも北に位置する大きな島で、その島民は食料として食べるためにウサギを持ち込みました。現代の日本の子どもたちはウサギを食べたことがないので、驚くかもしれませんが、恵まれた自然がなければウサギやヤマネコやトナカイは生息できません。サンタクロースはトナカイに乗って空を飛ぶそうですが、私は子どもたちに豊かな自然と心を与えたいと願っています。
図2:ニューファンドランド島の背景背景
(ア)島民がウサギを持ち込んだら
(イ)ウサギが逃げて野生化した(3)3つの生物の個体数変化 (20分〜25分)
3つの生物は、ウサギ・ヤマネコ・トナカイです。ウサギは野生化することができれば、個体数がどんどん増えます。新しい環境に適応できなければ死ぬだけのことです。ウサギが無限に増え続けることができないことは、簡単に予測できると思います。この島においては、ウサギを食べることができるヤマネコが増えることになりました。ウサギもヤマネコも10年ほどは増え続けましたが、やがてウサギの食べ物や生息地域が限界になったからでしょうか、ウサギの数が頭打ちになりました。
ウサギの数が増えなくても、その捕食者であるヤマネコはしばらく繁殖し続けます。その結果、食料であるウサギの数は激減することになります。その後、ヤマネコは後を追うように数を減らします。ある程度ヤマネコの数が減れば、ウサギの数が回復しますが、ウサギが増えればヤマネコも増えるので、同じようなサイクルが繰り返されることになります。この島の場合、10年サイクルで増減が繰り返されていたようです。
図1:ニューファンドランド島の生物数の変動(クリックすると拡大します)さて、トナカイについて調べると、この島のトナカイとヤマネコは無関係でした。しかし、ウサギを食べるようになったヤマネコは、ウサギが減少した時にトナカイを食べるようになりました。その時から、ヤマネコとトナカイは捕食者・被食者の関係になったのです。
上:別学級での板書(クリックすると拡大します)(4)本時の感想、考察 (5分)
授業を終えて
生物種間の規則的な数的変動は、具体的な例を示し、それを子どもたち自身に説明させると理解が深くなります。本時に暑かったニューファンドランド島の例は、とても良い教材の1つだと思います。実践ビジュアル教科書『中学理科の生物学』
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(C) 2018 Fukuchi Takahiro