このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録> 3年(2018年度)です |
第60時
実習6-2 カップル(イオン結合)を作る2018 10 25(木)、26(金)
普通教室はじめに
前時『カップル(イオン結合)を作って水に溶かす』の続きです。
本時の目標
・任意のプラスイオンとマイナスイオンで、イオン結合(や共有結合)の物質を作ることができるようにする。準 備
生 徒 教 師
- 教科書
- 理科便覧
- ファイル
- 穴をあけた白紙(1 /人)
授業の流れ
(1)本時の授業内容の紹介 (1分)
本時の学習プリントはありません。白紙です。前回の続きです。小テストを行ってから、カップルをつくります。(2)イオン周期表の小テスト(5分〜10分)
今日は小テスト4回めです。テスト用紙は前回配布したもの、問題は20問です。そのうち4つは原子団のイオンです。
図1:本日の問題(解答の一部が書かれています)(3)いろいろなカップルを作る2(25分〜30分)
前時と同じです。本年度は、以下の手順でカップルを作りました。基本路線は、プラスイオンを固定し、マイナスイオンを順に結合させていきます。
1)H+ とマイナスイオンで作る(図2)
2)Na+ とマイナスイオンで作る(図3)
3)Mg2+ とマイナスイオンで作る
3)Al3+ とマイナスイオンで作る
図2:H+ とマイナスイオンで作る
+イオンは『H+』で固定し、−イオンは原子番号の小さなものから組み合わせていきます。『3-』→『2-』→『1-』の順です。まず、3-は『N3-:窒化物イオン』だけです。2-は『O2-:酸化物イオン』『S2-:硫化物イオン』『CO32-:炭酸イオン』『SO42-:硫酸イオン』の4つです。1-は『Cl-:塩化物イオン』『OH-:水酸化物イオン』の2つです。なお、 水素イオンとマイナスイオンの結合は『共有結合』といいます。イオン結合は『金属イオンとマイナスイオンの結合』です。この違いについては、授業で触れませんでした。
図3:Na+ とマイナスイオンで作る
図2のH+と同じ手順で結合させていきます。
図4:Mg2+ とマイナスイオンで作る
図2、図3と同じ手順で結合させていきます。
図5:Al3+ とマイナスイオンで作る
これまでと同じ手順で結合させていきます。酸化アルミニウムのところで、3分ほど時間を使います。アルミニウム原子:酸素原子=2:3、になります。その説明は簡単なので、立候補した子どもにさせればよいでしょう。複数人の立候補があれば、最小公倍数『6』、という言葉が出てくると思います。また、炭酸カルシウムのところでも3分ほど使います。炭酸イオンは4つの原子の団体さん(原子団)です。したがって、炭酸イオン3個を表現するために、炭酸イオン全体をカッコする必要があります。さもなければ、最後の原子『O』だけを3倍することになりますが、この場合はCO33となり、C(炭素)原子1個・O(酸素)原子33個になります。
A組での板書3枚
図6:A組での板書その1
↓
図7:A組での板書その2
↓
図8:A組での板書その3(4)本時の感想、考察 (5分)
授業を終えて
タイトルに『イオン結合』を入れましたが、省略した方が良かったと思います。今回と前回は反省すべき点が多い授業になりました。ただし、時間をかけることで子どもたちの理解度は高くなるので、定着度の観点からは悪いものではないと思います。note 簡略化したイオンのモデル図は要注意
電子モデル図は、時間をかければ問題なく理解できます。そこから電子が出たり入ったりすることも理解できます。その結果、電子がプラスやマイナスの電気を帯びることを理解できます。しかし、簡略化したイオンのモデル図を紹介したP組は大混乱になってしまった。
ナトリウム原子の電子モデル図は、最外殻電子1つが余っているように表現しました。これは問題ありません。これがイオンになると、電子1つを放出し、最外殻電子が安定した『丸い形』になります。さて、これを簡略化したモデル図にするときに注意が必要です。
電子が1つ不足している状態なので、凹んだモデルにすれば良いように思います。しかし、先ほどの電子モデル図の流れからすると最外殻電子が安定した『凸凹のない丸』になります。それでは直感レベルの理解にならないので、授業では『凹んだ丸』にしたのですが、これで大混乱に陥りました。
モデル図は直感レベルでわかるようにするためのものです。凹ませなければ価値がありません。1つの解決策として考えられることは、モデル図に表題をつける方法です。電子モデルは『実際の電子配置』、イオンモデルは『電子の過不足』を表現するものとします。実践ビジュアル教科書『中学理科の化学』
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(C) 2018 Fukuchi Takahiro