このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 3年(2018年度)です

第61時
実験7 塩化銅の電気分解

     2018 10 29(月)、30(火)
     普通教室

はじめに
 7年前に本校で行った同じ内容の記録『塩化銅の電気分解(3年)2011年』、他校の記録『塩化銅の電気分解(2年)2003年』もご覧ください。このページは写真を中心した記録スナップです。

実験は、2人1組で実験を行いました。


図1:実験中のスナップ
 黒板の記述内容は、塩化銅の電離式(モデル図)、塩化銅の電気分解(モデル図)、銅の調べ方、塩素の性質(まとめ方)、プリントにまとめる内容、始業前に準備するもの、です。モニター画面に映っているものは、私のHP『塩化銅の電気分解(3年)2011年』の画面です。教師用実験台には、次時に使う実験器具『H管』、炭素棒、薬包紙に載せた塩化銅、などが見られます。


本時の目標
塩化銅電離式そのモデル図を理解する
・塩化銅の電気分解の化学反応式とそのモデル図を理解する
塩素の脱色反応、および、銅の金属光沢を確認する

準 備

生 徒 教 師
  • 教科書
  • 理科便覧
  • ファイル
  • シャープの芯(2)
  • 本日の学習プリント(1 /人)
  • 塩化銅 (1g /2人)
  • 50mLビーカー(1 /2人)
  • ガラス棒(1 /2人)
  • 50cmリード線 (2/2人)
  • 炭素棒 (2/2人)
  • ろ 紙 (1/人)
  • 試験管 (1/1人)
  • 電源装置(1 /2組)
  • セロハンテープ(1 /2組)
  • 実物投影機 & モニター


図2:実験を2つのステップに分ける
 まず、水に溶かす(電離させる)、次に、電流を流す(電気分解する)


図3:電気分解のモデル図、始業前に準備するもの
 2ステップの化学反応式とそのモデル図をかけた人から、実験に必要なものの準備を開始します。 図3の右にあるものは始業前に準備するものです。


図4:本日の化学反応式(モデル図)、銅と塩素の性質、結果のまとめ方


図5:シャー芯を使った電気分解


図6:同上
 電気分解が進むと、塩化銅水溶液の色がなくなり、無色透明になってきます。『銅イオンは青色』であることを教えてあるので、銅の析出によって色がなくなることは、簡単に予測できます。


図7:ろ紙の上に取った銅
 図7では銅がうまく取れず、シャー芯もボロボロになっています。実は、シャー芯製造会社によって、その成分が違います。主原料はカーボン(炭素)ですが、粘土や糊などの含有量が違うのです。図7の芯は、粘土の量が多いのでしょう。下図9を見てください。プラス極とマイナス極に使用した芯を添付してありますが、あまり変化していません。カーボンだけでできている製品もあるようです。


図8:A君の学習プリントに添付られたシャー芯、ろ紙


図9:ほとんど変化していないシャー芯


図10:炭素棒による電気分解
 炭素棒を使うと、図10のように黒いリード線をつけた−極がたくさん析出します。赤いリード線をつけた+極では、炭素棒に小さなつぶつぶの気体が発生していることがわかります。これが塩素です。プールの消毒液のようなにおいがします。

 このあたりで、学習プリントにまとめる内容を板書します(図11)。


図11:学習プリントにまとめる内容


図12:塩素による脱色反応
 右端の赤がよく脱色しています。


図13:採取した銅を試験管の底でこすったもの


図14:シャー芯2本なら、スピードも2倍


授業を終えて
 シャー芯と炭素棒、両方とも実験させることで、子どもたちなりの発見があるようです。発見というより単なる遊びと表現すべきことですが、そうしたゆとりある実験授業がしたいものです。学習意欲は高度な遊びから生まれるものです。

note:生徒と先生の会話
「先生、脱色しません」
「残念でした。明日は塩酸の電気分解ですが、そこでも塩素が発生するのでリベンジしてください。ただし、脱色するかしないかはインクによって決まります。高級ペンは脱色・変色しにくいので、安物のペンがおすすめです。試してみたいものを全部持ってきなさい。とくに赤、茶、緑色がわかりやすいようです」

参考・関連ページ
塩化銅の電気分解(3年)2011年
塩化銅の電気分解(2年)2003年
塩化銅の電気分解(3年)2001年
銅メッキ(3年)2001年

実践ビジュアル教科書『中学理科の化学

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