このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録> 3年(2018年度)です |
第78時
観測4 太陽の1日の動き(透明半球)2018 12 11(火)、13(木)、17(月)
第3学習室→ 運動場はじめに
透明半球を使って、太陽の1日の動きを調べます。1人実験、継続的な記録をするために1日〜数日使います。観測データの処理は後日、1時間使って行います。この授業は太陽が出ている日(時間)に行います。透明半球の数やその置き場所に限りがあることから、1クラス終了後に、次クラス実施となります。したがって、実施日がまちまちになっています。なお、2018年の冬至は12月22日(土)で、その前後の太陽高度はかなり低くなります。
図1:運動場で、太陽の位置を記録する様子
本時の目標
・透明半球によって、太陽の動きを調べられることを理解する
・ネットで、本日の気象や太陽の動きのデータを知る
・透明半球を使って、太陽の動きを調べる
・継続して太陽の動きを調べようとする意欲を持つ準 備
生 徒 教 師
- 教科書
- 理科便覧
- ファイル
- 油性サインペン
- 本日の学習プリント(1 /人)
※画用紙で作成- 直径20cmの透明半球(1 /人)
- セロハンテープ (5/組)
授業の流れ
理科室に入ってきた生徒から順に、透明半球を選びます。古いものは10年以上前のものです。(1)本時の授業内容の紹介 (1分)
(2)本日の気象データ、など(10分〜15分)
スマートフォンで最新情報を入手し、紹介します。2年で学習した気象の復習を兼ねた、楽しい時間です。なお、 確実におさえたい項目は次の3つです。
- 日の出時刻
- 南中時刻
- 日の入時刻
図2:本日の気象データ(A組)
図3:同上(B組)
最近はUV指数もあり、楽しいと思いました。(3)東西南北の確認(10分〜15分)
本時の学習プリントは画用紙で作ります。透明半球を固定する台紙になるので、ある程度の硬さが必要になるからです。印刷しておくことは、透明半球と同じ大きさの円、および、円を4等分する(直交する)線です。
図4:画用紙(台紙)に印刷された透明半球の底面まず、東西南北を記入します。これは簡単にできると思います。しかし、実際の方位がわからない生徒がいます。驚いてはいけません。方向音痴の大人は、世界中いつの時代にもいます。そのような人は方向がわからないのではなくて、方位に興味がないのでしょう。あるいは、目的にたどりつくことに興味•関心がないのかもしれません。もちろん、方位を学んだことがない人もいると思いますが、•••
図5:腕を伸ばして太陽を差す生徒「これから小学生でもできる問題を出します。答えは瞬間にわかると思いますが、わかっていなさそうな顔をしている人を指名しますので、絶対に口に出さないでください。 では、問題です。みなさんが指している方位は何ですか。東西南北で、答えてください。・・・(あっ、わからない!、という顔をしたAさんを指名して)では、Aさん、答えてください・・・(間違えたら、みんなから優しく教えてあげるようにしてください。助け合い学び合いです)」
このようにして、太陽は南を通ることを確認します。その後、太陽はどちらから出てきて、どちらに沈むか確認してください。この作業は瞬間にできます。
その後、再び時間をかけて、実際の方位を確認します。Aさんの他にも、方位がわからない子がいるはずです。先生は太陽が昇る方位を指差し、それが東西南北のどれになるのか、あやしい子を指名してください。間違えると恥ずかしい思いをしますが、知らないことはもっと恥ずかしいことです。大人になってから教えてもらうことは至難です。
図6:同上腕と床がつくる角度=太陽の高度、です。このようにして腕を伸ばすと、太陽の角度がかなり低いことに気づきます。今は12月です。『日本から見た太陽の動き』で、冬至12月22日の名古屋の南中高度は、31.6°であることを求めました。
(4)透明半球の使い方(分〜分)
透明半球を台紙に固定し、東西南北を合わせて設置します。太陽が当たる場所を選びますが、日の出と日の入が記録できる場所になれば最高です。また、水平にしないと、南中高度が高くなったり低くなったりします。次に、透明半球に鉛筆の先を当てます。太陽の光によって影ができますが、先端の影と透明半球の中心が一致するようにします。影が中心になった時、中心と鉛筆の先端と太陽は一直線上になります(図7)。
図7:太陽と鉛筆先端と観測者(透明半球の中心)、3者は一直線上にある図7のようになったら、透明半球に『印』と時刻を記入します。しばらく経ってから同じように調べると、太陽の動きを透明半球に記録することができます。
図8:同上図8は、太陽が12:10にほぼ南、13:00に西へ移動することを示しています。時間が12:10という中途半端な時間になっているのは、図8を説明した時刻が12:10だったからです。
(5)実習:教室での準備 (5分〜8分)
図9:透明半球を台紙に固定する様子
図10:透明半球の上にセロハンテープを載せて運ぶ様子準備ができたら、油性マジックを持って運動場へ移動します。油性ペンで書くと消せなくなるので、セロハンテープを貼った上に書くようにします。図10のセロハンテープは、そのためのものです。
(6)実習:運動場で記録 (15分〜20分)
移動時間を含めて、15分は確保してください。
図11:日当りの良い水平な場所で記録する様子
図12:同上透明半球は地面に固定したいのですが、天気によって汚れたり他の活動の妨げになるので、毎回移動させることになります。地面は水平に見えても、微妙な傾斜があります。図11や図12の鉄板も同じように、1枚ずつ微妙な傾きがあるので、初めに設置した場所を覚えておきます。そして、毎回同じ場所にすれば、傾いていたとしても同じ傾きになります。
図13:真南ではなく、やや東に太陽がある
図14:自分が太陽の光を遮らないように、北側に座る===
授業では1回しか記録ができないので、休み時間毎に記録するように指示します。これで1時間ごとの観測ができます。また、日の出&日の入り正確な方位を求めるために、登校したらすぐ&下校直前に記録するように指示します。
図15:休み時間に記録する様子
図16:同上
図17:同上(7)日時計の紹介
日時計は、正確な方位に設置されています。図18を見ると、基礎のセメント台と日時計が平行になっていないことがわかります。これは、校舎が正確な南に面していないことを示すために、あえて基礎台と日時計に角度をつけて設置したからです。
図18:運動場に設置された日時計
授業を終えて
透明半球の置き場所は、少人数学級なら教室にしましょう。教室で毎時間のように記録できます。大人数の場合は、場所に工夫が必要です。保管場所は、運動場に近い下駄箱が良いと思います。また、理科室での観測は自由に出入りできないことから、おすすめできません。
図19:下駄箱の上、使っていない下駄箱に置かれた透明半球(クリックすると反対側)荒れた学校でも同じように下駄箱に置いていましたが、いたずらや破損の経験はありません。自分もやってみたい、と思う気持ちの方が強いのでしょう。
note:生徒と先生の会話
「先生、じゃま。どいて!」
「おっと、すみません。太陽が背中にいるので」
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(C) 2018 Fukuchi Takahiro