このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録> 3年(2018年度)です |
第77時
観測3 日本から見た太陽の動き、季節の変化2018 12 4(火)
普通教室はじめに
今日の作図は、中学3年生でもハイレベルの空間処理能力が要求されます。時間をたっぷりとって、美しい作図をかけるようにしてください。同じような図は『観測5 地球から見た星の動き』でも書きます。
本時の目標
・太陽の1日の動きを天球に図示する
・春分、夏至、秋分、冬至における太陽の日周運動を図示する
・それぞれの太陽の南中高度を計算する
・夏至と冬至における、宇宙から見た名古屋の地面の角度を書く
・それに、南中高度を書き加える
・南中高度が季節変化する原因は『地球の傾き』と『地球の公転』であることを理解する
準 備
生 徒 教 師
- 教科書
- 理科便覧
- ファイル
- 本日の学習プリント(1 /人)
授業の流れ
(1)本時の授業内容の紹介 (1分)(2)日本から見た太陽の動き (15分〜20分)
世界の中心に日本があり、その中心に自分がいる、と考えた場合の太陽の動きです。地面は平面で、太陽は天球上を動くものとして考えます。天頂は、自分の真上になります。この考えは天動説といいますが、今日は紹介しません。天動説の説明図はいくつかの書き方・視点がありますが、ここで紹介するものは、天の北の斜め上から見たものです。ややこしい視点ですが、これからの学習で、どこから見ている図を表しているのかを理解できれば、その図の意味が理解できるので、とても重要になります。逆に、立場が理解できない図は、何を表しているのか理解できません。
図2:名古屋から見た太陽の動き
図2の指導手順
1)丸を書き、その名を問う
2)それは天球であることを確認する
3)天頂を確認する
4)天球の中央に平面を書き、その中心に自分を書く
→ 天動説
5)北と南を確認する
6)東と西を確認する
7)真南の高さ55度の位置に太陽を書く
8)真東から出て真西へ入る『昼の太陽』の軌道を書く
9)夜の太陽の軌道を書く
10)年に2回ある8)-9)の軌道の日、を問う
11)春分と秋分であることを確認する
12)本年度は、春分3/21、秋分9/23であることを確認する
13)夏至と冬至を確認し円周上に太陽を書く
14)太陽の角度が何度変わるか、と問う「夏至と冬至の日の太陽を書いてもらいますが、適当ではいけません。正確に書いてもらいます。実は、先ほどの太陽は55度の角度になっていたのですが、その理由がわかる人はいますか? •••そうですね。90度-名古屋の緯度、90度-35度=55度になります。では、夏至と冬至は、どれだけ増えたり減ったりするでしょう。直感で分かる人もいると思います。•••その通り。23.4度です。地軸が傾いているので、その分だけ角度が変わります」
15)55度±23.4度であることを確認する
16)夏至と冬至の太陽の軌道を書く(3)名古屋から見た太陽の動きをまとめる(12分〜15分)
下図のように、太陽の日周運動をまとめます。
図3:A組でのまとめ
図4:B組でのまとめ
図5B組の板書(4)宇宙の北の斜め上から見た図で、太陽の角度が変わることを説明する (12分〜15分)
指導方法は2004年度の実践記録『観察7 日本の四季3年(2004年)』をご覧ください。
図6:A組での板書
図7:数学で学習済みの『円の接線』の確認
図8:B組での板書(5)本時の感想、考察 (5分)
授業を終えて
このあたりは指導順序は、かなり迷いました。子どもたちの対応力はとても高いので、どのような順序でも理解してもらえるのですが、効率よく学習を進めたいものです。天文分野で身につけさせたい力の1つは、3次元空間を多角的な視点から説明できるようにすることです。一見すると非効率に感じるカリキュラムの方が、最終的に目標へ近づく可能性が高いように思います。空間処理能力を鍛える内容は、1年『地層のつながり』、2年『電流と磁界と力』、そして、ここが主なものです。天文分野は空間だけでなく、視点がかわることによって時間も変化します。形にとにとらわれず、実際の子どもの思考状況に合わせ、いったり来たりする授業を展開したいと考えています。私は現場教師なので、子どもに合わせることが一番大切だと思います。
note:生徒と先生の会話
「春分と秋分の日が休みの理由を知っていますか?」
「•••」
「太陽が真東から出て真西に沈むからです」
「それだけえー!」
「それだけです」
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(C) 2018 Fukuchi Takahiro