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第88時
天文分野 これまでの補足2019 1 10(木)、15(火)
普通教室はじめに
定期テスト1週間前となり、出題範囲が終了したので、教科書の補足説明をしました。わずか25ページですが、たっぷり1時間使うことになりました。
図4:教科書を持ち、星の回転を説明するB君
本時の目標
・テスト範囲の教科書の内容を漏れなくチェックする
・これまでの学習のおさえをする準 備
生 徒 教 師
- 教科書
- 理科便覧
- ファイル
- 特になし
授業の流れ
(1)本時の授業内容の紹介 (1分)(2)太陽高度の年変化(10分)
太陽高度の年変化のグラフの解説をしました。教科書は東京の資料なので、名古屋における数字をみんなで計算、教科書に書き込みました。
図2:東京と名古屋における、太陽高度の年変化東京と名古屋の数値を併記することで、理解が深まったように思います。
(3)天の北極から見た図における、地球人の方位(10分)
私の授業では、地球上の人は赤道上に置きました。しかし、教科書の地球人は、日本に立っています(図3右)。
図3:赤道上にいる人(左)、北緯35度にいる人(中央&右列)の方位図3は地球の自転によって、方位(東西南北)がくるくる変わることを説明するための図です。いずれも、北:北極、南:その反対、となります。赤道上でも北緯35度でも同じように考えることができるのですが、生徒によって理解しやすい方があると思います。
(4)天の北極から見た『地球の公転』と地上から見た『オリオン座の動き』 (10分)
図4を見てください。
図4:天の北極から見た『地球の公転』と地上から見た『オリオン座の移動』図4『地球の公転』とその右下『オリオン座の移動』は、同じ現象を説明しています。同じ現象でも、視点が変わると違うもののように見えます。左の地動説は『天の北極から見たもの』、右の天動説は『地上から見たもの』です。
(5)太陽の角度による受光量の変化(5分)
図5のように、太陽光線の角度が変わると、受光量が変わります。
図5:太陽光線の角度による受光量の変化図5の黄色は斜め左から、赤色は真上からの光線です。黄色と地面の角度が30度なら、数学的に1:2の光量になります。
(6)北の星も、東から西へ動く(5分)
東西南北のうち、北を除く3方位は『星は東→南→西、と動く』ように見えます。 しかし、北の星は沈まないので、うっかりすると『西から東へ動く』ように間違えることがあります。わからなくなったら、地面を書くと良いでしょう。
図5:体を反らせ、北の空を見るようにして腕を回転させるA君
図6:これまでに何度も説明してきた図図6右上に『カシオペア座』を書きました。教科書に、カシオペア座をつくる5つの星の距離を紹介してたからです。その距離はまちまちで、54光年〜。天の川銀河との距離関係はかなり理解できているのですが、なんと、カシオペアの形を知っている生徒は5%以下でした。
(7)椅子を回転させ、教室の壁にある星座を観測する(5分)
前時『観測12 四季の星座の見え方』は、太陽・地球・星の関係でしたが、図7〜図9で体験していることはカンタンです。
図7:後ろの黒板に貼られた『オリオン座(冬)』
図8:椅子を回転させて、オリオン座を観測する生徒たち
図9:さらに椅子を回転させて見るための廊下側に掲示された『しし座(春)』
授業を終えて
教科書にある多様な図を解説しました。最近の教科書はいろいろな資料を掲載しすぎているので、すべてを学習することは至難です。学問、その分野の背骨を見極め、それを中学生にわかるように記述する工夫を重ねて欲しいと思います。これは日本のおける教科書出版各社に当てはまることです。資料集や問題集と差別化をはかることで、よりよい本になります。
企業として生き残ることは最優先事項ですが、売り上げを伸ばすために教科書の位置を見失わないようにすべきだと思います。週3時間の授業時間なら140ページ、4時間なら180ページまでです。中身はそのまま、贅肉を削ぎ落とす作業になると思います。決断と勇気が必要ですが、美しい教科書に現役先生は採用を決断すること間違いなしです。なお、ページ数を減らしても、価格を下げる必要は一切ありません。現場ではたらく先生は、そのことを十分に承知しております。
実践ビジュアル教科書『中学理科の地学』
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