このページは『Mr. takaによる若手教師のためのワンポイント・レッスン』です。

第2章 How to 授業

22 授業を受けるための条件

 このページは、生徒が授業を受けるために必要な条件を9つにまとめました。初めの8つは、生徒自身が家庭で準備してくるものです。最後に1つは、先生が準備すべきものですが、先生の条件は生徒より大変です。


上:テスト直前の、自習時間の合間に行ったものの板書です。タイトルは『勉強するための条件』、項目は8個なので、このページと若干違いますが、内容は同じです。指導手順は、生徒が自習している間に白い部分を板書しておき、その後、注目させ、色チョークを使いながら5分間で行います。順に解説しながら、挙手させると良いでしょう。長時間の自習ができない生徒がたくさんいる場合は、途中でアクセントを加えることは、とても有効です。


1 学校に来ているか
 最近の傾向として、学校に来ない、来れない生徒が多くなりました。その原因は、過保護、ネグレクト(保護者の怠慢や育児放棄)、家出、など色々ありますが、学校で学ぶための第1条件は学校へ行くことです。とにかく、学校へ来ることが第1です。学校で学習することには、たくさんの意味や価値がありますが、回り道をしながら、同じ年齢の友達のいろいろな考えを聞きながら学習することは、最も重要です。社会生活に役立つ、この先も応用できる考え方が身につきます。

2 遅刻していないか
 時間を守れない子どもは、将来、時間と金を守れない大人になる可能性が高くなります。学習以前の問題として、真剣に取り組んでください。1秒でも遅刻は遅刻です。100円の商品を買うのに財布から99円出し、「1円まけてくれ!」と無理強いをするようでは困ります。それが毎日続くようでは、誰も相手にしなくなるでしょう。社会人として、時間を守る習慣をつけさせてください。時間にゆとりのある生活は、とても重要なことです。

普通教室に入れない友達
 普通教室に入れない友達がいます。簡単には解決できない原因があると思いますが、で述べたように、学校は、集団で学ぶことに価値があります。ゆっくり時間をかけ、友達を一緒に学べるように、あなたも努力しましょう。学校は、社会生活に必要なこと、および、社会生活そのものを学ぶ場所です。

3 寝てきたか
 せっかく学校に登校しても、机に伏して寝ている生徒がいます。これでは学ぶことができません。次の条件として、授業時間は起きているようにしましょう。そのために必要なことは、十分な睡眠時間、および、遅くとも午後10時に就寝する習慣をつけることです。深夜0時過ぎに寝る子どもは、学習していても遊んでいても、学校の生活状態は『不良』になります。

4 食べてきたか
 規則正しい睡眠ができている人は、3度の食事に気をつけましょう。朝食を食べてきたか、お弁当があるか、夕食があるか、です。3度の食事ができている人は、何でも食べられるかチャックしましょう。好き嫌いすることなく、何でも食べられるようにしましょう。とくに、牛乳は大切です。アレルギー体質でない人は、絶対に飲んでください。いつもイライラしている人は、2本以上飲んでください。また、午前中の調子が悪い人、授業中にトイレに行きたくなる人は、毎日朝食を食べてきてください。

5 席に着いているか
 上記1〜4をクリヤーしているのに教室を立ち歩く人は、心に大きな病がある、といえるでしょう。授業中、勝手に立ち歩くのは、絶対にしてはいけない行為です。内容が分からない、つまらない授業でも、静かに着席してください。教室の友達を見てご覧なさい。熱心に授業を受けようとしている人がいます。授業を受けようとする友達の妨害、授業をしている先生の妨害は、『授業妨害』です。絶対にしてはいけないことです。学校は、みんなで協力しながら学習する場所です。

6 前を向いているか
 自分の席に着いていても、隣や後ろの友達と勝手な話をしている生徒がいます。一斉授業とは関係ない話をしている人達は、楽しい時間を過ごしていると思いますが、それは、静かに授業を受けようとする人達にとって大きな迷惑です。したがって、自分の席に着席できている人は、次に、前を向いて正しい姿勢で座るようにしましょう。

7 口を閉じているか
 授業と関係ない話をしていませんか。授業に関する内容でも、周りの状況を判断して発言したり、近くの友達と相談・教えあったりしているでしょうか。いわゆるKY(空気が読めない)にならないように注意しましょう。授業中、一言も発言するチャンスがない授業は、先生の教え方に問題があります。あるいは、あなたの積極性に問題があります。状況を判断して、発言しましょう。先生や友達の話を一方的に聞いているようでは、実り少ない1時間となります。

8 道具を持ってきたか
 口を閉じ、良い姿勢で先生の話を聞く準備ができても、学習のための道具がなければ話が前に進みません。自分の筆記用具があるか、教科書があるか、その他必要なものがあるかをチャックしてください。いわゆる『忘れ物をしていないか』を調べます。宿題があるなら、ここに分類されます。先生から出された宿題を提出することは、あなたの『やる気』ポイントとして加算されることもお忘れなく!

9 学力が適切か
 上記1〜8の条件は生徒が準備するものですが、これから先は、先生が準備するものです。まず、文部科学省の学習指導要領(教科書でも良い)にしたがって学習内容を調べます。教科書の内容はとても簡単ですが、簡単だからといって甘く見てはいけません。生徒の力に応じて柔軟に対応してください。別ページ『おもしろい授業をしよう』『1時間の授業を作ろう』などを参考にして、授業計画を立て、実践してください。


上:授業が終ってから、生徒が撮影してくれました。サンキュ!

2010年11月28日

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