このページは『Mr. takaによる若手教師のためのワンポイント・レッスン』です。 |
第2章 How to 授業
6 教壇の立ち方1 教壇とは
先生が教室で授業をする時に立つ壇を『教壇』といいます。私が中学生の頃は、床面より20cmほど高い壇がありましたが、私が先生になった時、その「壇」はありませんでした。現在では、黒板と教卓(先生用の机)の間にはさまれた場所を「教壇」と言います。教壇は、生徒に向かって授業を行なうホームポジション(基本となる位置)です。教壇に立つことは、先生と生徒の立場をきちんと整えることです。2 基本姿勢
先生と生徒の立場は違います。絶対に違います。将来、教壇という言葉が死語になっても、教師は授業の全責任を負い、教師は壇に立たなければなりません。授業中、ある生徒を指名して他の生徒に説明させることはあっても、年間を通して授業の主導権を完全に生徒に任せることはあり得ません。できたとすれば、それは授業の達人であり、私の目指す教師像です。血の滲むような日々の教材研究、長い経験、細かい授業テクニック、豊かな感性が必要です。ただし、よく考え直して下さい。生徒だけで授業ができたのは、そこに授業の達人がいたからです。どんなに頑張っても、先生は生徒は違うのです。3 位置と身だしなみ
教室での先生の位置は中央です。黒板を背にして、すべての生徒が注目できる位置に堂々と立って下さい。ファッションも大切です。ネクタイや化粧をする必要はありませんが、大勢の人が注目するのですから、普段よりもお洒落をするのが礼儀です。「第1印象としての外見」を軽視するようでは、教師は勤まりません。
関連ページ『先生の姿を見て育つ』4 教壇は話をするためにある
先生が立っているだけでは、授業は始まりません。授業は先生の言葉から始まります。言葉は「授業の骨格」であり、教壇に立ったらはっきりと的確な話をしましょう。教壇は話をするためにあるのです。生徒は教壇に立った先生の言葉を待っています。
関連ページ『声の3要素、話すスピード』『骨格となる先生の言葉』5 話をするときは、必ず教壇まで戻る
机間巡視(生徒の間を歩いて回る)のとき、急に、全体に話をしなければならないことが思い浮かぶことがあります。その時も、必ず教壇まで戻って話をして下さい。あなたにとって急な出来事でも、生徒にとっては急ではありません。教壇に戻り、全員が確実にあなたの姿を見ながら話を聞けるようにして下さい。6 司会者が立つための教壇
授業の主役は生徒です。教壇でしゃべりまくる講議形式の授業もありますが、私は、主役が活躍できる授業をします。そのためには、先生は司会者に徹します。自分の考えや意見は言いません。授業の進行役に徹します。主役の個性を引き出すための助手として働きます。会議なら、議長に徹します。2007 june 2
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