このページは『Mr. takaによる、若手教師のためのワンポイント・レッスン』です。

第2章 How to 授業

31 間違い発言を活かす

1 間違い発言とは
 生徒の間違い発言は、次の2つに分類されます。
(1) 先生が期待してなかった発言
(2) ほとんどの生徒が「おやっ? それは違うような・・・」と思う発言

2 先生が期待していかなった発言
 「生徒の答えが違う」と先生が感じた時、先生は客観的に判断してください。先生が間違っていた可能性があります。単純に、生徒が正しいこともあります。先生の発問(質問のしかた)が不適切だったから『期待した答え』にならなかった、という事例もよくあります。先生は、自分の発問方法について、いつも振返るようにしましょう。

3 冒頭から間違っていても、最後まで聴く
 冒頭から間違っていも、最後まで聴きます。そして、重要な部分だけを抜き取って、先生がまとめてしまうのも1つの方法です。

4 少しずつ正解に近づける
 難しい内容を説明させる場合、多少違っていても、生徒の言葉で説明した方が分かりやすい場合があります。生徒の発言から正しい部分を探し、その部分を取り上げて下さい。「30%正解!」「丸ではないけれど、60%正解です」「さっきより核心に近づいている!」など、抽象的なほめ言葉でもオッケーです。発言した生徒は自信を持ち、他の生徒はその考えをもとに考えを深めていくことでしょう。

5 生徒は、いつも自分が正しいと思って発言しています
 生徒は、いつも自分が正しいと思って発言しています。たとえ、明らかに間違った内容でも、他の生徒全員が「違う!」と思っても、先生は発言を尊重しましょう。100%完全な間違いは数えるほどしかありません。先生のキャパシティーが十分なら、何かを拾うことができます。先生が正解を拾う姿勢を続ければ、生徒は発表を楽しむようになります。個性あるユニークな発言がたくさん飛び出す活気ある授業になるでしょう。

6 バカ、と言わない
 ついつい口癖のように、「馬鹿だなあ」と言っていませんか。せっかく勇気を出して発言した生徒は、恥をかいた気分になり、2度と発言しなくなるでしょう。冗談でも、バカと言ってはいけません。おそらく、バカと言われた生徒は気にしない性格だから言われるのだと思いますが、それを聞いた生徒は、「あの先生は間違えるとバカという」ことを学習します。逆に、どんな答えでも取り上げてほめるようにすると、「あの先生は頑張って発言すると、発言したことを認めてくれる」ことを学習し、活発に手を挙げるようになります。普段の口癖を振り返ってみましょう。

7 取りあえず、全ての発言を黒板に書く
 たくさんの答えが予想される場合は、取りあえず、発言内容をすべて黒板に書いてしまいます。そして、発言が尽きたところで、あるいは、適当な数が揃ったところで打ち切ります。その後、正解だけを拾い上げるのも面白い方法です。

8 恥を捨てること
 生徒の発言の意味が分からなかったら、恥を捨てて「先生はそのことが分かりません。教えて下さい」と生徒に説明を求める姿勢が大切です。どんなに簡単なことでも、聞かなければいけません。他の授業の先生が詳細に教えてくれた内容かも知れませんし、、、このような謙虚な姿勢に対して、生徒は先生に対して尊敬の念を抱くはずです。

9 関連ページ
 ・ 失敗した原因はすぐ教える
 ・ 五月蝿い生徒を活かす

2011年2月10日

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