このページは『Mr. takaによる、若手教師のためのワンポイント・レッスン』です。

第2章 How to 授業

24 授業のしつけは、幼児語を使う

1 幼児の躾しつけレベルであることを示す
 授業中、聞き分けのない生徒を注意する時、私は幼児語を使うことがあります。ちょっと舌足らずな、とつとつした口調で「今はね、お喋りしてはいけないんだよ。ほら、みんなをみてごらん。静かにしているでしょう。わかるかな?」と注意します。腰をかがめて目線を低くして、話すこともあります。その後、首を45度に傾けて、「わかる?」と微笑むのも良いでしょう。このようにするのは、幼児で修得しなければならない躾レベルであることを明確にするためです。私は中学生を相手にしているので、問題生徒自身がどこでつまずいているのか、それを明確にすることも仕事の1つです。今は、幼稚なおしゃべりによって、たくさんの生徒が迷惑しているのです。

2 幼児語で会話する
 のように注意するのは、本当に幼稚な状況判断しかできない生徒だからです。その生徒は、私に幼児語で「わかつたよ」と、お返ししてくることがありますが、それは成功した時です。1時間うまくいくでしょう。お喋りしそうになったら、先生は人さし指を用意し、垂直に立てて先生の口の真ん中に当ててください。「しーーーっ!」と言わなくても、にっこり目が合えば完了です。先生とその生徒は、ホットラインができたのです。

3 犬を躾けるように命令する
 幼児語でうまくいかない時、「お黙り!」「お座り!」「前!」など、まるで犬に命令しているような口調でしつけてみましょう。幼児よりランクが下がったわけです。レベルを下げたことを明確に示してください。周りの生徒から「犬みたい!」と歓声が上がるくらいやりましょう。私は「お手!」といって、私自身が「お手」をしたり、「しっぽ振って!」「はあはあして」と言って悪乗りします。生徒を静かにさせる、という深刻さはどこにもありません。先生がここまでやれば、ふざけていた生徒は『恥ずかしい!』『あんな先生に付合っとれん』となり、静かになります。

4 中学生としてのプライド
 この指導は、ほどんどの生徒に有効です。中学生は、自分が小学生、幼児、犬のように思われたり(扱われたり)したくないからです。「私は幼稚園じゃないから、そんな言葉を使わないで!」と言われたら、「じゃあ、ちゃんとやりなさい」と答えましょう。それで指導は終了です。できなければ、何度でも幼児を躾けるように、あるいは、犬を躾けるようにしてください。忍耐力の勝負です。

5 関連ぺージ: 授業中、騒がしくなった時

6 資料: 幼稚園 教育要領
 第2章ねらい及び内容
言 葉
 経験したことや考えたことなどを自分なりの言葉で表現し、
相手の話す言葉を聞こうとする意欲や態度を育て、言葉に対する感覚や言葉で表現する力を養う。

1 ねらい
 (1) 自分の気持ちを言葉で表現する楽しさを味わう。
 (2) 人の言葉や話などをよく聞き,自分の経験したことや考えたことを話し,伝え合う喜びを味わう。
 (3) 日常生活に必要な言葉が分かるようになるとともに,絵本や物語などに親しみ,先生や友達と心を通わせる。
2 内 容
  (1) 先生や友達の言葉や話に興味や関心をもち,親しみをもって聞いたり,話したりする
  (2) したこと,見たこと,聞いたこと,感じたことなどを自分なりに言葉で表現する。
  (3) したいこと,してほしいことを言葉で表現したり,分からないことを尋ねたりする。
  (4) 人の話を注意して聞き,相手に分かるように話す。
  (5) 生活の中で必要な言葉が分かり,使う。
  (6) 親しみをもって日常のあいさつをする。
  (7) 生活の中で言葉の楽しさや美しさに気付く。
  (8) いろいろな体験を通じてイメージや言葉を豊かにする。
  (9) 絵本や物語などに親しみ,興味をもって聞き,想像をする楽しさを味わう。
  (10) 日常生活の中で,文字などで伝える楽しさを味わう。

2011年1月10日公開

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