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資 料
中学校 学習指導要領(2002年)の目標1 9教科の目標
各教科の目標は、文部科学省(日本政府)が学習指導要領で示しています。以下に、各教科の目標を一覧にしましたので、自分の教科に注目して、その内容を分析・考察・理解しましょう。なお、これは法令ではなく法的拘束力を持っていませんが、実際問題として、これに反する学習指導をおこなうのは至難の技です。
現行(2007年、平成19年12月現在)の中学校学習指導要領(平成10年12月告示)の各教科の目標
各教科 目 標 国 語 (1)国語を適切に表現し正確に理解する能力を育成し、
(2)伝え合う力を高めるとともに、
(3)思考力や想像力を養い言語感覚を豊かにし、
(4)国語に対する認識を深め国語を尊重する態度を育てる。社 会 (1)広い視野に立って、
(2)社会に対する関心を高め、
(3)諸資料に基づいて多面的・多角的に考察し、
(4)我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を深め、
(5)公民としての基礎的教養を培い、
(6)国際社会に生きる民主的、平和的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う。数 学 (1)数量、図形などに関する基礎的な概念や原理・法則の理解を深め、
(2)数学的な表現や処理の仕方を習得し、
(3)事象を数理的に考察する能力を高めるとともに、
(4)数学的活動の楽しさ、数学的な見方や考え方のよさを知り、
(5)それらを進んで活用する態度を育てる。理 科 (1)自然に対する関心を高め、
(2)目的意識をもって観察、実験などを行い、
(3)科学的に調べる能力と態度を育てるとともに自然の事物・現象についての理解を深め、
(4)科学的な見方や考え方を養う。音 楽 (1)表現及び鑑賞の幅広い活動を通して、
(2)音楽を愛好する心情を育てるとともに、
(3)音楽に対する感性を豊かにし、
(4)音楽活動の基礎的な能力を伸ばし、
(5)豊かな情操を養う。美 術 (1)表現及び鑑賞の幅広い活動を通して、
(2)美術の創造活動の喜びを味わい美術を愛好する心情を育てるとともに、
(3)感性を豊かにし、
(4)美術の基礎的能力を伸ばし、
(5)豊かな情操を養う。保健体育 (1)心と体を一体としてとらえ、
(2)運動や健康・安全についての理解と運動の合理的な実践を通して、
(3)積極的に運動に親しむ資質や能力を育てるとともに、
(4)健康の保持増進のための実践力の育成と体力の向上を図り、
(5)明るく豊かな生活を営む態度を育てる。技術・家庭 (1)生活に必要な基礎的な知識と技術の習得を通して、
(2)生活と技術とのかかわりについて理解を深め、
(3)進んで生活を工夫し創造する能力と実践的な態度を育てる。外国語 (1)外国語を通じて、
(2)言語や文化に対する理解を深め、
(3)積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、
(4)聞くことや話すことなどの実践的コミュニケーション能力の基礎を養う。脚 注
1 各教科の目標は、原文のままである。
2 ただし、原文は各教科とも『一文』であるが、筆者が読点ごとに改行し、(1)〜(6)の番号をつけた。
例外として、理科の『実験、観察』の部分は改行しなかった。
3 さらに、読みやすさを優先させるために、筆者が任意の文字を任意の色に着色した。2 科学を教える教科は、理科だけ
上の目標を精読すると、完全なものではないことがわかります。例えば、科学的な内容を目標とする教科を調べると、ただ1教科、理科だけです。これでは、科学的な文章(新聞やニュース記事、長文テスト問題など)を読む力や、(新しい企画書やレポートなど)を書く力、人間社会(友達や親子関係など)を科学的に理解する力、複雑な社会問題(いじめや自殺など)を科学的に解決する力は育ちません。それが日本政府の目的なら別ですが、私は日本の政治家を信じていますので、近い将来、理科以外の教科にも『科学』という語句を盛り込むであろうと期待しています。科学的手法は、すべての教科に有効であり必要です。3 私は、自然に感動する心を育てることを理科の目標としています
理科の目標の中に、自然を愛したり畏れたりする心を育てる内容も入れなければ、自然破壊につながります。興味や関心をもっているだけではダメです。自然に関することは理科だけに任されているので、私は、自然に対する豊かな心を育てるのを第1目標としても良いと感じています。その自然を理解するための1つの手法として、科学的思考があるに過ぎません。
→ 関連ページ『自然に感動するための教科』4 自分の教科の目的を科学的に分析しよう!
各教科の分野ごとの目標を確認しましょう。これらも精読し、もれなく教えて下さい。このように書くと難しく感じますが、安心して下さい。実際はとても簡単で基本的な内容しか書かれていません。むしろ、理科で、教科の目標が不完全なことを示したのと同じように、その中の各分野の目標も不完全です。しっかり読んで、客観的に分析して下さい。科学的な分析です。音楽や美術であっても、先生は科学的に分析・理解して下さい。十分に理解でき、その実践計画ができたなら、芸術と科学の融合を目標の1つとするのも面白いでしょう。この融合は、すでに人類の歴史のなかで行なわれていますが、もっと明確な形で指導したいです。私は理科教師なので、自然から音楽や美術など他教科にアプローチするきっかけを作っています。本当は、それぞれの深い世界まで教えたいのですが、、、
→ 関連ページ『科学って何?』2007年12月8日
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