このページは旅行記『イスラエル旅行記2008春』 2008 mar. 22 - spr. 1  です。

旅の技術と率直なアドバイス

 2008年2月、航空券を手配した時のイスラエル情勢は安定していました。しかし、同年3月にエルサレムのユダヤ神学校内で約10人が死傷する銃乱射事件が発生しました。かなり危険なようですが、これまでの経験を最大限に使って旅をしたいと決意しています。と、書いてから旅立ちましたが、現地では全く危険を感じませんでした。ガザやヨルダンに隣接する西岸地区は別としても、アラブ人地区を含めたイスラエル各地は、名古屋の繁華街や東京の歌舞伎町より安全でした。危険をさけるためには近寄らないことが第1ですが、全てはあなたの判断と行動にかかっています。 

 次に私の体験から得た情報を公開しますが、最終的にはあなたの責任になることを忘れないで下さい。必ず最新の情報を入手し、あなた自身で判断、決断し、行動して下さい。あなたの日常生活の中にある危険を回避する方法を応用すれば、安全で思い出深い旅ができるはずです。

目 次   
1 イスラエルの魅力
2 名古屋からイスラエルまで

3 日本人のパスポート
4 イスラエルのビザ、入出国スタンプ

5 服装と季節
6 持ち物

7 お 金
 A) 通 貨 (シェケル)
 B) 換算率    
 C) イスラエルの貨幣価値
8 宿泊施設 ※別ページへジャンプします
9 食料事情 ※別ページへジャンプします
10 交 通(バス、タクシーなど)
11 その他
 A) シャバット(金曜日から土曜までの休み期間)とても重要です!
 B) 宗 教
 C) アラブ人地区
 D) 電 話
 E) 言 語(アラビア語、英語)
 F) 写真撮影
12 旅を終えて


1 イスラエルの魅力
 エールフランスは、パリから毎日2便の定期便を運行しています。それほどイスラエルは安全で魅力的な国なのです。イスラエルといえば、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教が入り乱れて政治的に不安的な国のように感じますが、これは恣意的に作られた人為的なものです。紀元前の人類最古の文化を堪能することできますが、自然が好きな人も十分に楽しめます。とくに、アフリカ大陸東の複数の湖から紅海、死海へと繋がる大断層は、地球規模の大陸移動を確実に目の当たりにできます。また、全国に散らばる国立公園は、その規模は小さいもののあなたの期待を裏切ることはありません。

 イスラエルは、人類の文化・歴史だけでなく、地球の歴史と未来と現状を私達に教えてくれます。日本の四国ほどしかない狭い地域に、これほど多くの見どころをそなえた場所はありません。是非とも一度は旅してみたい国です。もし、あなたが十分に時間があるなら、3週間〜1ヶ月を使って下さい。私は11日間しかなかったので、1/3程度しか味わえなかったのではないかと感じています。また、現地で必要なお金は、1日につき8000円程度でしょう。この金額は、日本の大学生が8〜10時間アルバイトをして得られる金額です。

自然保護区、国立公園の共通チケット
 2008年3月現在、イスラエルには55箇所の自然保護区と国立公園があります。もし、あなたが死海方面を計画しているなら、3箇所を訪問できる共通チケット(50シェケル)がお買得です。このチケットで、エンゲディー自然保護区とマサダ国立公園の2箇所を訪問すれば、残り1箇所は無料になる計算になります。このような全国共通チケットは日本にはないので、見習って欲しいですね。

具体的な観光地については、各ページをご覧下さい。

2 名古屋からイスラエルまで
 インターネットを使って、イスラエルまでの格安航空券を調べたところ、次の3点がわかりました。
(1)日本からの直行便はない
(2)エアーフランスが安くて乗り継ぎが良い
(3)出発50日前なのに空席が目立つ
(4)飛行機で入国できるのは、テルアビブ近郊のベングリオン国際空港だけ

 ここまで情報を仕入れてから、いつものようにHISに電話をして空席状況を調べてもらったところ、私が希望している日にちに20席ほどありました。私は仮予約を入れ、それから約10日後に発券手続きをしてもらいました。

私が購入した航空券:エアーフランスの直行便
名古屋・テルエビブ往復航空券     125.000円
燃油サーチャージ、航空保険料       32.920円
中部国際空港施設使用料          2.500円
フランス空港施設使用料          5.340円
テルアビブ空港税             1.410円
               合計  167.170円

旅行代理店: HIS(栄)
AIU保険 2.580円 
傷害死亡1千万円、後遺障害1千万円、賠償責任1億円、救助者500万円、携行品30万円、手荷物10万円、空港遅延3万円

名古屋←→パリの飛行時間
・約12時間
・季節や天候によって1、2時間変動します
・名古屋→パリ、パリ→名古屋のどちらが速いかは決まっていません


3 日本人のパスポート
 父に頼んで代理人申請してもらいました。これまでの10年間使用できるパスポートが2ヶ月後に切れるからです。申請した時、私の顔写真が古いのではないか、歯が出ているではないか、とクレームがつきましたが、受け付の窓口から私の携帯へ電話してもらい、ことなきを得ました。ちなみに、イスラエルのパスポートの顔写真は、頭の上部が切れています。頭髪部分は多様に変化しますからね。写真の扱いだけを見ても、日本の生真面目な国柄が感じられます。

 申請してから約10日後、私は自分でパスポートを受け取りに行きました。実物を手にした時はとても嬉しかったです。ただし、ICチップの分厚さにはがっかりしました。本体は1mm程度だと思うのですが、数mm以上の分厚さがある紙によって封印されているのです。耐久性は小ささによって得られること、パスポートは水に濡れる可能性があることを知らない人がデザインしたのでしょう。最終決定をする責任者は、パスポートのいろいろな条件で使用した経験があるした人でなければいけないと思いました。写真やICチップは日本国民全体の利益に関係する大きな問題だと思います。


4 イスラエルのビザ、入出国スタンプ
 2008年3月現在、観光目的でイスラエルに入国する場合は、ビザの必要はありません。ただし、いつ変更されるかわからないので、必ず自分の責任で確認して下さい。確認は、航空券を購入する旅行代理店で確認してくれます。

 入国する時はイスラエルの入国審査でイスラエルの入国スタンプ、出国する時はイスラエルの出国スタンプが押されます。しかし、イスラエルの入出国スタンプがあるとアラブ諸国に入国できなくなるので注意が必要です。私が事前に調べた話では、イスラエルの入国審査官に「パスポートにスタンプを押さないでくれ!」と頼むと、別紙に入国スタンプを押してくれるということでしたが、私の場合は見事に押されてしまいました。

 実は、入国審査の時、審査官は彼が用意した別紙にスタンプを押したので、私は「うまくいった」と思い、パスポートの中を確認しませんでした。別紙には入国スタンプが押してあるし、万一、パスポートにスタンプが押されてしまったときは手遅れだからです。私は別紙とパスポートをもって審査官の横を通り、その後ろに控えていた2人の男性に別紙を見せました。すると、2人の男性は私の目の前で別紙を破ってゴミ箱に捨てました。ゴミ箱の中には、たくさんの別紙があったので、同じように入国する人がたくさんいるのでしょう。

 私のパスポートにスタンプが押されている事実に気がついたのは、イスラエルを出国する時でした。あれっ、感じです。取り返しのつかないことなので、私は同じページに出国スタンプを押してもらいました。これで、このパスポートを使っている限りは入国できない国ができてしまいました。どうしても行きたくなったら、新しいパスポートを作るしかありませんね。


5 服装と気候

お勧めの服装

・帽子とサングラス
・Tシャツと薄手の長そで
・薄い生地の長ズボン
 ※男性の場合は、海水パンツ(海や湖や川に入る場合)
・靴下なしのサンダル(または、現地で捨てても構わない靴)

 私が旅行した3月中下旬は、快適な季節だと思います。名古屋はTシャツの上に1枚羽織るような季節で、エルサレム(イスラエルの首都)はもう少しだけ暑く感じました。私は長そでシャツを2枚持っていきましたが、結果として1枚で十分でした。ただし、日射しが強いのでサングラスと帽子は必要です。また、ビーチや水辺を予定しているなら、靴ではなくサンダルで旅立つ方法もあります。私は、現地で捨てても構わない履き古した革靴で行きましたが、その革靴のまま川の中をじゃぶじゃぶ歩く結果になりました。これは死海の側にあるエンゲディ自然保護区のことです。なお、サンダルだけでイスラエルを歩くなら、水中でも脱げないような高機能のものをお勧めします。

 雨は1日だけ降りましたが、それは夜中に降った小雨で、日中の行動には全く影響しませんでした。

 日中はとても暑く、体感温度は毎日30度Cを超えていました。腕時計の温度計は、いつも31〜34度を示していました。鞄につけていた小さな温度計も30付近を示すことが多かったです。Tシャツと短パンで十分ですが、日焼けが嫌いな人は十分な対策をして下さい。私はサングラスをしない方ですが、よく使いました。また、宗教施設を訪問する場合は、短パンは避けるべきであり、入れないことが多々あります。


6 持ち物
 日本と同じ品質のものを購入できますが、安くはないので必要最小限度のものを持参したほうが良いでしょう。

A) 貴重品
 パスポート、パスポートのコピー2、現金(3万円、1000ドル、トラベラーズチェック200ドル)
 キャッシュカード2、顔写真(5センチ角。2枚)、財布1、貴重品用ウエストポーチ1
 ※現地通貨をATMで引き出すことはしませんでした。
  
B) パソコンと撮影器材
 Mac Book(G4)1、電源アダプター1、パソコン用ソフトケース(安物)
 デジタルカメラ(フジ S5 Pro)、バッテリー2、充電器2、メモリーカード2枚(1G、2G)
 ニコンレンズ18-200、60mmマクロ(f2.8)、偏光フィルター1
 デジタルカメラ(olympus μ1030sw)、メモリーカード1枚(2G)
 カードリーダー2、パソコン接続コード2種類、マルチ電源変換プラグ1、たこ脚アダプター1
 レンズ用クロス

C) かばん
 デイパック(35P水色)、小型リュック、黒の小さな鞄(カメラ用)

D) 衣 類
パンツ2、Tシャツ2、長袖シャツ2、スラックス2、
ウォーキング・シューズ1、靴下3
帽子1、サングラス1

E) その他
時計(スントのデジタルコンパス付き)
無添加せっけん1、無添加シャンプーとリンス各1、
鬚剃り
薬一式、空気枕1、アイマスク1、アーミーナイフセット
ガイドブック(地球の歩き方『イスラエル2000-2001』)

F) 現地で購入したもの
 ※飲食物をのぞく
・タオル
・Tシャツ
・ズボン
・トイレットペーパー
・コーヒーカップ

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7 お 金
A) 通 貨

 どの国の通貨を持参しようかと迷っているなら、日本円とアメリカドルの2つを持参して下さい。2008年現在、イスラエルの経済はアメリカに大きく傾いているので、小さな店でもアメリカドルの現金を使えます。実際、露天の小さな店でオレンジを絞ってもらったとき、私は1ドル紙幣を使いました。現地通貨シェケル(4シェケル)より、20セント(0.6シェケル)お買得でした。小額のドル紙幣(1、10、20ドル)は重宝します。

 ドル紙幣を使った場合の換算レートは、その街の銀行が扱っているものと全く同じことが多いのでの心配いりません。むしろ、オレンジジュースの例のように、ドルで得する場合もあります。お釣は現地通貨シェケルでもらえます。

 私が持参した自宅から持参した金は、およそ現金13万(日本)円と現金200(アメリカ)ドルです。日本円は、空港でアメリカの現金1000ドル(10.2万円)に両替えしました。不足した場合は、カードで支払うか、ATMで現地通貨を引き出す予定でしたが、その必要ありませんでした。現地では、ほとんど現金で支払いました。

 実は、私が旅行した2008年3月、アメリカドルはわずか1ヶ月でが10%以上暴落しました。通常なら、イスラエルにおけるアメリカドルは強いのですが、現地でのある両替え店では、アメリカドルも日本円も同じ交換レート(1:1)だったので私は驚きました。イスラエルにおいても、アメリカドルの信用はかなり落ちているので、日本の現金から交換したようが無駄がありません。

 一方、日本円は直接使えませんが、銀行や大きな両替商で良いレートで替えられます。ただし、実際に日本円を両替えできる銀行や両替店がどれだけあるか調べていませんが、エルサレムのダマスカス門の真下にある大きな両外商では全く問題なく両替えできます。

通過単位は、『シェケル』


写真左:イスラエルの紙幣。上から下へ、100、50、20シェケル。最高額紙幣200シェケルは、撮影していない。
写真右:写真右の紙幣を裏返したもの。


硬貨は、10,5.1,0.1がよく流通している。

B) 換算率
  10000円=340シェケル(2007年8月14日現在)
  01000円=034シェケル
  00100円=003.4シェケル=1ドル

 ※ テルアビブの国際空港の両替率は3.3でしたが、テルアビブ市内でもっとも良かった両替率は3.45でした。この差は、5%に過ぎないので、大金を使わない限り神経質になる必要はありません。それよりも、ミネラルウォーターや缶コーラを2倍、3倍料金で購入したり、無駄なタクシーや時間を使う方が大きな損失になります。

C) イスラエルの貨幣価値
 日本との平均年収を比較すると、ほぼ同じと考えて良いでしょう。ただし、年収の幅が大きいのであなたの旅のスタイルによって、安くあげることもたくさん使うこともできます。

D) アラブ人地区の貨幣価値
 
アラブ人地区(ベツレヘムやジェリコなど多くの地域、2008年3月現在)の物価は安く、いわゆるイスラエル(ユダヤ人地区、エルサレムやテルアビブなど多くの地域の70%程度です。例えば、缶コーラが5シェケルから3シェケルに、乗り合いタクシーの料金が5シェケルから3シェケルといった具合です。なぜ、このように大きな差があるのか詳細はわかりませんが、私はアラブ人地区だけを旅行することもお勧めします。もちろん、一般的にアラブ人地区は危険だという情報がありますが、私はその情報が一概に正しいとは感じませんでした。
→ アラブ人地区について


8 宿泊施設
  別ページを用意しましたので、ご覧下さい。


9 食料事情
  別ページを用意しましたので、ご覧下さい。


10 交 通

A)長距離バス

 イスラエル全国を網羅する『エゲット』というバス会社があります。そのバスのボディーには、X(エックス)のような文字が書かれているので、近距離バスと簡単に区別できます。

B)短距離バス

 市内を走る大型バスです。バス会社は街によって違うのかも知れませんが、よく調べませんでした。上記のエゲット・バスとは違うことだけを知っていれば、それで十分です。つまり、乗り換える必要があることを認識して下さい。
 また、現地の人が『アラブバス』と呼ぶものがありますが、それはアラブ人地区を走るバスのことです。これらのバスは料金が70%程度に安くなります。だからといってサービスが悪くなるわけではありません。逆に、人情が厚くなるように感じました。アラブ人地区から出る時は、アラブバスに乗ることになります。逆に、アラブ人地区に入る時は、アラブバスに乗る方が簡単です。一般的なバスは、アラブ人地区に乗り入れることがないので、いわゆる国境みたいなボーダーで降りてから、個人タクシーを使うことになります。私がエルサレムからベツレヘムを訪問した時は、ボーダーを超えるのが大変(最高に厳しいレベルA)で、ボーダーを超えたところに多数の個人タクシーが待っていました。タクシーの運転手は仕事がないらしく、私たちの観光が終わるまで待っていました。片道20シェケルだったので申し訳なく思っています。

C)乗り合いタクシー

 上記の市内バスと同じ路線を走っています。テルアビブでは、フロントガラスにバスと同じ番号が書いてあるので簡単に利用できます。乗り場と降りる場所は決まっていません。あなたが手を挙げた時に空席があれば乗せてくれます。そして、あなたが降りたいところで降ろしてくれます。

D)個人タクシー

 メーターがついていますが、事前に料金を交渉してから乗車した方が良いでしょう。一般的な料金は地元に人に聞いて下さい。そして、あなたは観光客ですから、それよりも20%高い料金までなら「それは高いけれどサービスしてあげる」と一言付け加えてから乗車して下さい。

E)レンタカー
 
今回の旅では利用しませんでしたが、見どころが散らばっているイスラエルではレンタカーがお勧めです。

F)レンタル自転車

 カイザリア湖畔(イスラエル北部)でマウンテンバイクを借りました。1日50シェケル(約1500円)で、ヘルメットの着用が法律で義務付けられています。

G)飛行機
 
今回の旅では利用しませんでした。イスラエルは狭い国なので、飛行機で移動するメリットはほとんどないでしょう。南端のエイラットに移動する場合だけ検討して下さい。

H)鉄 道
 
今回の旅では利用しませんでしたが、現地の人と会話すると、車窓から自然の景色を楽しめるという話です。路線は短いのですが、是非乗車して下さい。エルサレム←→テルアビブもお勧めだそうです。

I)ヒッチハイク

 カイザリア国立公園付近で試みましたが、失敗でした。まるで日本国内でヒッチをしているようなものです。多分失敗するでしょう。

J) 徒 歩
 もっとも頼りになる移動手段です。最悪の場合、全ての荷物を持って数キロメート歩く覚悟を決めていれば、何とかなるでしょう。


11 その他
A) シャバット(とても重要です!)

 イスラエルの安息日をシャバットと言います。毎週金曜日の夜から土曜の夜までの時間(3つの星が夜空に現われた時から始り、翌日、3つの星が現われたとき終わる)です。この期間は、ほとんど全ての交通機関が止まるので十分に注意して下さい。とくに、長距離を移動しなければならない時は、高額な料金を支払って個人タクシーをチャーターすることになります。ほとんど全ての商店も閉まり、観光施設も見学できない場合があります。十分に注意して下さい。これはかなり本格的な休みです。

 具体的には、バスで移動する場合は、金曜日の午前中までに乗車し下さい。午後からシャバットの準備のために動きが悪くなります。次に走り出すのは、土曜日の夕方5時以降でしょう。私はシャバットの期間、貸し自転車でガラリア湖畔を走りました。

B) 宗 教
 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の3つがあります。この3つの宗教は、たった1つの神しか認めないことから同じ宗教から派生したものであるとも考えれますが、それぞれの宗派は互いを受け入れること好みません。むしろ、宗教的な理由から争いをします。現在のもっとも新しい宗教はイスラム教ですが、将来、同根の新しい宗教が生まれる可能性があります。

 良く考えてみれば、イエスはたった33年間しか生きていませんでしたが、彼の教えは今も生きています。その後、モハメッドが生きた時間は年ですが、その予言は今も続いています。偉大な人物が出現すれば、新しい宗教も生まれるのです。ただ、新たな戦争の火種にならないことを願うのは私だけではないと思います。さらに、すべての宗教と争いがなくなることを願っている人もたくさんいると思います。

3つの一神教の特徴

宗教の名称 信者の名称 主な特徴
ユダヤ教 ジューデッシュ
(ユダヤ人)
唯一神: ヤハウェ
起 源: 紀元前1280年頃(モーセの十戒)
主な人: 
(1)ノア:(神話上)600歳の男性、大洪水とノアの箱船。
(2)アブラハム:神の預言者であり、神から『カナンの地』が与えられた。アラブ人の始祖として3つの宗教を通して篤く信仰されている。
(3)ヤコブ:アブラハムの息子。カナンの地が飢饉になったため、息子「ヨセフ」を頼ってエジプトへ移住した。
(4)モーセ:エジプトからカナンの地へ戻った。その途中、シナイ半島で神から十戒と授かった(モーセの十戒)。
(5)ダビデ:神から約束された荒野『カナン』に国を作った王様。その国(ダビデの街)は、現在のエルサレム(イスラエル国)の発祥の地である。
・3つの宗教の中でもっとも古く、他の2つの根源である。
・ノアやモーセが登場する聖典は、後のキリスト教徒から『旧約聖書』と呼ばれるが、単一なものではないし、神から最初に約束された聖書、と訳すべきである。
(6)ソロモン:ダビデの子ども。ソロモンの死後、ユダヤ民族は自ら分裂し、その後、侵略、離散、迫害の歴史を3000年近く刻んだ。
キリスト教 クリスチャン
(キリスト教信者)
唯一神: ヤハウェであるが、一般には『神』『父』(名称なし)。
起 源: 紀元0年頃
主な人
(1)アダムイブ:(神話上)神が作った最初の人類、原罰を背負う
(2)イエス:人間マリヤが産んだ宗教改革者。ユダヤ人。自らを救世主(メシア)、神の子どもであるとした。処刑されたのは、自分がユダヤ人の王であると名乗ったからである。
・神は、『父なる神』と『イエス』と『精霊』が渾然一体となったものであるとする(三位一体、さんみいったい)。
・救世主イエスを信じる者は全て救われる、とする。
・旧約聖書の他に、新約聖書も聖典とする。
イスラム教 ムスリム
(イスラム教信者)
唯一神: アッラー
起 源:紀元後610年頃
主な人
(1)ムハンマド:アラビア半島生れの預言者、軍事指導者
・聖典はクルアーン、聖地はメッカ。
・モスク
・偶像崇拝の禁止
※私は専門家ではないので、かなり大雑把にまとめています。また、大きな誤りも含んでいる可能性があります。いろいろご指摘頂ければ幸いです。

 ユダヤ教については、とても平和な宗教だと感じました。それを思ったのは、ユダヤは迫害の歴史をくり返しているからです。彼らは基本的に争いを好まないから迫害されるのでしょう。武器を持ち、異なる宗教を持つ人を殺そうとしないから、神から与えられた『カナンの地(現在のイスラエル地方)』を追われたのでしょう。さらに、イスラエルの中心とも言える岩をイスラム教徒がドームで覆ってしまった事実を前にしても、彼らはそれを直接避難することなく、その外側で嘆き続けています。無宗教の私でさえ、とても可哀想だと思うのですが、彼らは日夜嘆き続けているのです。これをもって、私はユダヤの人をとても大切にしなければならない考えをもった人々であると感じています。

C) アラブ人地区
 アラブ人地区に入るためには、基本的にパスポートのチェックを受けます。逆に、アラブ人地区から出る時にもチェックを受けます。このボーダーラインは、一般の入出国と同じように、それぞれの地区の係官が行うので、1つのボーダーを超えるためには2回受けることになります。

 このボーダーの厳しさは、A、B、Cの3段階に分かれているようです。これは、現地で知り合ったイスラエルの青年が教えてくれました。私が経験したのは最も厳しいA段階のものでした。

 さて、実際のアラブ人地区は、日本人が抱くような危険はありません。むしろ、アラブ人地区の人々の心は温かく、1つしかない食べ物を私に与えようとしたり、困っている時に向こうから声をかけてきます。もちろん、私が滞在した時間が短いので早急な判断はできませんが、私の感触では、アラブ人地区の人々の方が日本人の感覚に近いと思います。つまり、他人や旅人を思い遣る心が強く、しかも、具体的な行動に出てくるという意味です。ただ、本当にお金に困っているのは事実ですから、この先、どのような情勢になるか分かりませんが、あなたがお金を物事を解決するような態度をとれば、事情は一変するでしょう。彼らのすぐ隣に住んでいる人々は、1.5倍近くの年収で生活しているのです。

D) 電 話
 ほとんどの人が携帯電話を持っています。電話による情報交換や、ホテルの予約は常識になっています。エルサレム市内の主要観光施設も、電話による予約が必要な場合があります。

 携帯電話がない場合は、公衆電話を利用します。電話は市内にたくさんありますが、ほとんど100%プリペイドカード方式です。プリペイドカードは、町のいたるところにある小さな売店で購入できます。私は最低価格20シェケル(約500円)のものを購入しましたが、これは日本の価格とほぼ同じです。1通話の時間はよくわかりませんでしが、1分1シェケルぐらいでしょうか。イスラエルの国全体が狭いので、遠くにかけても料金がかさまないように感じました。もちろん、宿の予約をするだけなので、短時間で済むのですが、、、。

E) 言 語(アラビア語、英語)
 アラビア語が公用語です。しかし、かなり多くの人が英語を話すので、比較的簡単に旅ができるでしょう。これはイスラエル国内に、たくさんの外国人観光客が訪れるからでしょう。また、フランス語もよく聞かれました。

異国語 日本語訳
シナゴーグ ・ユダヤ教徒のための集会所、会堂。
ワ ジ ・『枯れ川』の意味であるが、ところどろこ水が流れていたり、雨期は本当の川のようになる。沙漠においては、植物が生え、動物が生息し、人が水を求めるオアシスとなる。

F) 写真撮影
 かなり自由に撮影できました。黒い帽子を冠り、全身黒づくめの正統派ユダヤ人でも写真を撮られることを、極端に嫌いません。むしろ他の民族と比べて、最も撮影が簡単な人々だと感じました。もちろん、私自身も写真を撮られることを厭いません。自分が撮られるのが嫌なら、他人にカメラを向けてはいけません。自分をその人の立場において撮影するなら、問題はないでしょう。


12 旅を終えて
 宗教は個人の生き方そのものであるように感じた。ある宗教の信者は、その信条に従って生きる。それが正しいか正しくないかではなく、それを信じるか信じないかが問題なのだ。ある宗教の目的が『全人類の平和』のためなら問題は発生しないが、一部の人々のためが目的である場合、戦争や殺しあいが起こる。したがって殺しあいの歴史を持つが故に、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の目的は一部の人間ためだけになっている。それに対し、チベット仏教は非暴力であり、宗教戦争を行わない歴史から判断して、究極の目的は『全人類の平和』である。私は無宗教であるが、戦いを好まず、自分の利害のために人殺しをすることはない。1神教が嫌いになった旅だった。

 安全か危険か。それは自分の行動によって決まる。現地に人々がいほど人々が歩き、安全を感じた。よほど自分がバカなことをしなければ失敗はあり得ない。この時間のこの場所に悪人はいないし、この場所にいるのは観光客だけで、彼らの99%は酔っ払いだけれどお互いの安全を確認しあっている。私はガイドブックを取り出し、位置関係を確認した。そして予定していた幾つかの安宿の扉を叩いた。初めの宿では、返事がなかった。この時間では仕方あるまい。

未整理note
エルサレム
 旧市街の道は分かりにくいです。地図上では赤色に塗られて主要な道でも、実際は幅が2メートルもないからです。同じような幅の道が枝分かれしたり、数メートル先に複数あったりするので、何度か失敗しなければいけません。自分だけで歩くなら、まず、主要道路を真直ぐに歩き続けることをお勧めします。それでも、知らない間に違う道に入っているでしょう。また、前だけを見て歩くのではなく、時々振り返って帰り道を確認しなければ、同じ道を帰られなくなることもあります。私は、未知の場所における土地勘は鋭い方ですが、30分間は非常に不安でした。旧市街は1km四方にも満たない狭い地域ですが、かなり複雑で分かりにくく、昼と夜で表情が全く違うので、深夜に歩く時は、必ずコンパスを持っていなければいけません。曲っている道は少ないのですが、うろ覚えの道は90度違った方向へ歩き始めてしまうことがあるからです。狭い路地からは遠景、星や月が見えません。
ジェリコ
 モノストリーは心踊るロケーションにあったが、それ以上のものはなかった。ロープーウェイでたくさんの人が訪問していた。私はもう少し滞在したかったけれど、11時を過ぎるを追い出された。まだ見学していない部屋があったけれど、全く見学できないことを思えば十分だ。

 なお、夜の旧市街は何度か歩きましたが、ほとんど危険を感じませんでした。ただ、道に迷った時、尋ねる人がいないことが不安でした。

 多くの古い教会は、外観が教会らしくありません。ただの壁に見えます。例えば、聖墳墓教会も初めはさっぱり分からないでしょう。道に迷わなければ、5分もかからない距離だけれど、見通しが効かないことと教会そのものの入り口が良く分からないので、日中でも探すのは大変だと思います。観光客の流れも微妙なものがあります。

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