このページは旅行記『ギリシャ&アルバニア 2010夏 2010 AUG.3 - AUG. 24  です

ブトリント遺跡
(アルバニアの世界遺産)
2010年 8月 10日(火)



上:昨夜、ツーリストインフォメーションでもらったブトリント遺跡のパンフレット
小さな島のようになっています。


上:同上。とてもよくできたパンフなので、前日からわくわくしていました。

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午前10時、散策開始!


上:遺跡の入り口を入ってすぐのところにあった建造物。
パンフレットには『アスクレピオス神のための神殿』とありますが、細長い窓8個から判断すると、敵を監視したり攻撃したりする目的があったように思います。もしかしたら、手前にある『ほとんど崩壊した建物』が神殿なのかもしれません。現地ガイドの説明を受ける必要がありますが、まあ次に進むことにしましょう。とりあえず、この建造物のすぐ近くまで河川が来ています。

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さて、遺跡についた私は水が飲みたくて、入って直ぐのところにある売店で水(100レク)を1本買いましたが、全部飲みきれませんでした。たった500mlですから、本当は喉が渇いていなかったのでしょう。ペットボトルに1/3ほど残して鞄にしまい、ベンチから立ち上がりました。すると、目の前にメインの遺跡が広がっているではありませんか!(写真下)

急いで小道を歩きました。


上:自分の感動を写真としてうまく表現できませんでしたが、奥までずっと続いている遺跡が分るでしょうか。私が歩く小道は、この写真の左端にある細い未舗装路です。この砂利道を歩いて、画面中央にある円形劇場を目指します。


上:散策動から円形劇場へ渡ったところから撮影したもの。
 私が歩いてきた小道は画面上部にあたり、中央に写っている4、5人の観光客は、そこから見える遺跡の解説を読んでいます。

 大量の水が貯まっていました。はじめは「雨水がたまっているのかな」と思いましたが、この遺跡の地盤が沈降していることが原因でした。このブトリントという小さな島のような部分の歴史は紀元前400年に始まりますが、それから約2500年間に隆起・沈降を繰り返しています。現在は、建築当時より地盤が低いようです。


上:円形劇場のステージ(画面右の板の部分)

とりえあず、円形劇場でセルフタイマーを使って記念写真を撮っていると地元のガイドさんらしき人から、「君のカメラはギリシャ時代のところにあって、君はローマ時代の遺跡をバックに写ろうとしている。素晴らしいことだよ。」と教えてくれました。なるほど、ローマ時代の見物席はざっくりとした大きな石の美しさがあり、ギリシャ時代の建造物は人間の匂いがする装飾を感じました。


上:ローマ時代の観客席をバックに記念撮影


上:舞台背後の建造物はギリシャ時代のもの

 昨日訪問したコフカ島のアジア美術館でも感じたことですが、時代による嗜好の違いを楽しめるようになった自分を発見して嬉しいです。今までは古いものを見ると、その年代だけに気を取られていたのですが、同じ場所で競合する作品に触れることで、人間の意識の変遷を楽しむことができるようになりました。人間の意識の動きに注目すると、最も面白いのは一緒に生きている人の意識とそれを取り巻く環境です。今は見慣れた風景でも、何百年、何千年、何万年かすると遺跡レベルになります。失われたものに思いを馳せるのは遺跡巡りの楽しみですが、タイムマシーンに乗って、その時代を直接見物できるならそれに勝ることはできません。となれば、今の世界のありのままを見物することは、最高の楽しみといって良いでしょう。「たった一度の人生」という表現は大袈裟に聞こえますが、実際のところ、自分の目の前にあるものは自分しか見ることができない現実であり、かけがえのないものですから、もっと大切にして感動するべきです。よくよく考えてご覧なさい。タイムマシーンに乗って10年前の自分を見ることができたら、あなたの瞳孔は、感動のあまり10倍に開くでしょう。それほど素敵な時間を過ごしているのですから、もっとキラキラしてみましょう。昨日と同じことをしているようなら、それは病気と言うべきです。とてもゆっくりですが、ほんの少しずつ世界とあなたは変化し、過去は遺跡になっていきます。

そして、劇場周辺をうろうろ、パチパチ。


上:ローマ時代(紀元前300年)の観客席から、ギリシャ時代(年代忘れました)の舞台を写す
ローマ時代の観客席はざっくりと造られていました


上:遺跡内にあるアクリル製の案内版

どうですか! 堪能できたでしょうか。
あと数年もすると、遺跡保護のためにロープが張り巡らせれ、自由に見学できなくなるような気がします。興味ある方はお早めに決行されることをお勧めします。私はたくさんの遺跡を見学したことがありますが、このは1、2を争うほど素敵でした。ギリシャのアクロポリスよりも感激です。

さて、円形劇場を後にして、次に進みましょう。
パンフレットに明確な番号があるので、それに従えばオッケーです!
案内板もしっかり書いてあります。

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上:ローマ時代(2世紀)のブトリント
とても長い橋がかかっていました。現在はありません。


上:ビザンチン時代(16世紀)のブトリント
橋のかかり方が全く違います。
また、ブトリント内部の様子も大きく様変わりしています。


上:ローマ時代(2世紀)の中央市場。
詳しいことはさっぱり分りませんが、排水用の設備があるように思います。
何百年以上にわたって改築されているのでしょう。


上:ローマ時代(5世紀)の町の一部

ここで道を外れ、河岸沿いを歩くことにしました。

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上:護岸用の壁
植物によっても風化していきます

こんな景色の中で、しばし昼寝しました

さて、再び遺跡見学です。

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上:6世紀初頭に作られた洗礼堂
 パンフレットには、『キリスト教徒が救われるモザイク画の床』があると書いてありましたが、ロープがあったので入りませんでした。こっそり入っても問題無さそうでしたが、、、


上:同上

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上:6世紀に建てられたキリスト教の大聖堂
下の写真はその内部。


上:大聖堂の内部

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上の2枚:壁を修復? している人に、しばし見とれました。


上:湖に面した門(紀元前4世紀)
かなり古いものですが、しっかりできていました。
門の幅は狭いのですが、とても立派でした。
中央部分に扉の跡もみられます。

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上:ヘレニズム時代(紀元前4世紀)に作られた通称『ライオン門』
名前の由来になったライオンは、下の写真

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上:ライオン門を登ったところ
下の写真は、そこから左を見たもの。詳細不明

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ブトリント遺跡の一番高いところまで登ってきたら、とりあえず終了です。


上:15-16世紀に建てられたベネチア式の塔


上:そこからの眺め
手前に見えるのが、感動的な円形劇場とつながる遺跡群。

それから、小さな博物館を見学しました。
館内撮影禁止なので、画像はほとんどありません。


上:ブトリントの地勢図。
大昔は陸続きでした。

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 遺跡見学を終え、出入り口へ戻ってきました。
午後2時のバスに乗る予定でしたが、
なかなか来ないので、すぐ傍にいるおじさんに声を掛けました。

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上の2枚:左は魚を買った人、右は魚を捕った人


上:魚のアップ

 魚を買った人が、向こう岸へ渡っていきました。
さようなら!

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左上:湖を渡る船。無料。人が来たら動きます。
右上:滑車のアップ。モーターは対岸にあります。


上:対岸にも遺跡があるのですが、散在しているので遠慮しました。


上:帰りのバスの車窓から撮影した『アスクレピオス神のための神殿跡?』
入場してすぐのとこにある遺跡です。


上:バス車内風景


上:さかんに冗談を言うアルバニアの少年


上:ブトリント遺跡〜サランダの日常的な風景
建築中の建物がたくさんあります。写真中央奥に、傾いた建物がありますが、
このように崩壊した建物も10%ぐらいあります。


上:何かを養殖しているのかもしれません。


上:石灰岩の砂でできた道路。
学校の運動場の石灰と同じ成分なので、いただけません。
大変な砂埃で、バスの窓もすぐに汚れます。


上:バスの車窓から

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