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7日目:毋島の乳房山を歩く
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(月)7:30 父島(ははじま丸)→ 10:20 母島着
午後: 乳房山ハイキング母島 クラフトイン
ラ・メーフ泊5:00 起床
上:父島ペンションの中庭から撮影したもの今日で5日間お世話になった父島ペンションともお別れです。センチメンタルな気分で撮影しました。画面左の縁側に置かれた抹茶色と水色のザックは私の荷物です。画面右の赤い屋根の建物は24時間オープンの食堂です。さくさく繋がる光ケーブル、24時間自由に飲めるコーヒーがあり、ここは私にとって最高の仕事部屋でした。また、白いテーブルは夜の屋外宴会に使われました。
6:40 朝食
7時半発、毋島行き『ははじま丸』に乗船するため、いつもより早い食事を準備して頂きました。
上:本日の朝食食後は、ガソリンスタンドで原付きを満タンにしました。ガソリン料金は内地より約20%アップで、500円程度(2.7P)だったと思います。総走行距離は60kmぐらいになるのかな。
7:30 ははじま丸で、父島から毋島へ
出発15分前に港の窓口で乗船券を購入しました。この船に乗船するのは初めてですが、島民の時間感覚が身についてきました。船は定刻に出発しますが、自分に余裕があれば、焦る必要はありません。船内の2等客室は2種類あり、船底はごろんと寝ころべるタイプ、1つ上は座席タイプです。とりあえず座席タイプの窓側に荷物を置き、1等客室の上のデッキにでました。デッキにある2つの丸テーブルはプライベート感覚で、思わずコカコーラのボトルを買ってしまったほどです。気温も上昇し、ようやく南国気分になってきました。
上:ははじま丸のデッキでくつろぐ私(photo by 高浜)
この写真を撮影してくれたのは、父島ペンションで知り合った高浜さんです。私も見習いたい素敵な雰囲気をもっているおっちゃんです。たくさんの友達がいらっしゃる方です。10:20 母島着
船旅は予定より少し長くなった(3時間弱)ようですが、楽しい時間でした。
上:毋島の港
父島のような盛大なお迎えはありせんが、いくつかのお迎えがありました。観光協会で毋島の宿を探してもらう
毋島の宿は予約していないので、乗船場にある観光協会に問い合わせました。ネットが使えて安い宿が良いことを伝えると、係の女性がパソコンで空き状況を確認してくれました。ネットが使える宿は4軒あり、そのうち3軒は5日間連続して個室がとれます。予想よりたくさん空いている嬉しいのですが、迷ってしまいました。さて、この先は本来私が電話予約するのですが、携帯電話が使えないことを伝えると、観光協会の固定電話を貸してくれました。とてもうれしいことです。そして、民宿『つき』に電話確認してから、約5分の道のりを歩き始めました。現金がない
民宿つきは、元町にあります。元町は母島の古い中心地ですが、現在は僅かな建物が残っているだけです。私は民宿へ行く前に、郵便局へ立ち寄りました。現金を引き出すためです。その郵便局は小さな商店とつながった、アットホームな感じでしたが、キャッシングできませんでした。郵便局や銀行のカードがあれば良かったのですが、私はクレジットカード2枚しか持っていなかったのです。名古屋から持参した現金は10万円のうち6万円は使ってしまったので、毋島は4万円で切り抜ける必要があります。民宿つきは現金払いだったので、もう1度観光協会に戻り、電話予約してペンション『ラ・メーフ』に決めました。1泊10500円は出費ですが、カード払いなら問題ありません。11:30 ペンション『ラ・メーフ』にチェックイン
玄関に私の名前を書いた小さなプレートがありました。飛び込み客の私も温かく迎えてくれたことに感激です。エプロンをつけた女性が2階のバストイレ付きの立派な部屋に案内してくれました。私は荷物を降ろし、散歩の準備をしました。カメラ、双眼鏡、帽子、日焼け止め、カットバンなどです。それから、階下で宿帳を記入しました。次は、ぺこぺこになりかけのお腹を満たす番です。玄関を出ると、前庭のテーブルでうどんを食べている4人グループがいました。その人達の話では、毋島は父島より何度か気温が高いそうですが、今年は例年より寒いそうです。1人の男性は、「今年の冬は寒かったので骨まで冷えてしまった」と言いならが、温かいうどんと冷えた缶ビールを楽しんでいました。いいなあ。
12:00 昼食
島に3軒しかない食堂から選ぶつもりでしたが、そのうち1軒は休み、もう1軒はオシャレなチキンソテー定食なのでやめました。もう1軒は少し離れているのでチェックしませんでした。元町の商店で酵母パン2個と缶コーヒーを購入し、乳房山で食べることにしました。美味しい自然の中で頂くわけです。時間もセーブでき、一石ニ鳥です。13:00 乳房山トレッキング開始
乳房山(ちぶさやま)は小笠原諸島で1番高い山です。当然、父島のどの山より高い山になります。
上:乳房山遊歩道の入口遊歩道の入口は2つあり、どちらからでも周回できますが、時計回りが良いそうです。私は『お勧めの標識』がある時計回りの登山口から入りました。ガイドブックには4時間、と書いてありましたが、道草ばかりしている私は5時間かかりました。本気で歩けば2時間半だと思いますが、植物や写真に興味がある人は、5時間必要でしょう。とくに、私のように小笠原の山を初めて歩く人はなおさらです。植物の名前や特徴を調べたり、陸貝、鳥、昆虫、は虫類の姿を探したりしているうちに、時間はすぐになくなります。
上:遊歩道を入ってすぐのところにあるチトセラン(トラの尾)
いきなり南国るんるん気分になりました。
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左:マルハチ(木性シダ、画像をクリックすると拡大)
右:マルハチの幹の表面は、漢字『八』が逆さになっているように見える。
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上3枚:ガジュマル
上:斜面に設置されたペットボトル
幹を伝わる雨水を集めるための装置だと思います。私が本日最初の登山者だったのでしょうか。『小鳥の水場』の水はほとんど残っていませんでした。木に縛り付けられた紐を解き、小鳥の水場に水を入れてあげました。そして、ペットボトルを元通りにセットしようとすると、頭上で小鳥のさえずりが聞こえました。スズメではなくて、小笠原諸島の固有種『メグロ』がいるのかも知れません。5、6羽が忙しく梢から梢へ飛び渡りました。
ペットボトルをセットして腰を降ろすと、すぐにメグロが水を飲みに来ました。3メートル離れていません。よほど喉が乾いていたのか、人見知りをしない種なのでしょう。私はそっとカメラを構え、何枚も撮影しました。水場に身体を入れて、ばしゃばしゃ水浴びするものもいます。私は20分はそこに留まっていたのではないかと思います。ちょっとせわしないメグロ達と愉快な時間を過ごしました。それから、ヒヨドリが10mぐらいの距離にいたのですが、水場には来ませんでした。きっと、私が水場から離れればやってくるのだと思います。
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15:15 乳房山の登頂に成功!
パチパチパチ、おめでとうござます。
小笠原諸島の最高峰を制覇しました。.
上:山頂からの景色
上:もう1枚上の写真の左下端にちょっとだけ写っている案内板
上:山頂から見た反対側の風景山頂で1人の男性に出会いました。乳房山トレッキング中に出会った人は、彼1人だけです。双眼鏡を持っていなかったので、彼に双眼鏡を渡しました。すると、「自然の感動とは違うもう1つの感動があることにビックリしました」、「双眼鏡を持って歩いている人の気持ちがわかりました」と歓びの言葉を頂きました。私は今回の旅でほとんど双眼鏡を使っていませんが、それは双眼鏡で覗いたときの世界を知っているからです。知らなければ、何でもかんでも手当り次第に覗いて感動すると思うのですが、すでに知っている世界は私の頭の中で感動を再現できます。感動を再現できるという感覚は、私の人生や創作活動に重要な手がかりを与えます。同じことでもやってみなければ、わかりませんが、実際は95%以上予想された結果になります。したがって、新しい方法を開拓しなければダメになります。それはマンネリや寝ているようなものです。大切なことは、何かができるということではなく、常に挑戦し続けていく姿勢です。
上:ちょっと降りたところからの風景
山頂からの景色はそこそこですが、途中に景色のよいポイントがいくつかあります。
上:崖崩れによる白い土砂の流出、かな?
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上:シマホルトノキの板根(ばんこん)
板状になった根を板根といいます。いろいろな種類の木に見られます。屋久島のスギの板根も有名です。
上:日が暮れた遊歩道での記念撮影小笠原諸島のトレッキングは、太平洋に出現した孤島群を実感するために断崖に立ってぼーっとする時間、海と雲を楽しむ時間が必要です。今回は太陽が西に傾き、光線状態が悪くなり、泣く泣くスルーした場所がいくつもありました。思い出深いことはハハジマメグロとの出会いです。写真は奇麗に撮れませんでしたが、数メートルの距離から肉眼や双眼鏡で見たメグロは可愛く、本当に奇麗な身体をしていました。とくに黄色に輝く羽は、どんなに小さくても空を飛ぶ鳥の特権であるように思いました。大空を飛ぶものは輝く翼、光沢をもつ翼をもっています。私も光り輝く翼を手に入れる努力をしてみよう!
18:00 夕食
上:本日の夕食
かなり凝った料理です。限られた食材でがんばっていると思いました。たった1つの難点は、ジョッキが冷えていなかったことです。あとは最高ですが、やっぱりジョッキが冷えていないとビールさんにとっては厳しいものがあります。
上:夕食のメニュー
ふと見上げると、本日の夕食のメニューが黒板に書いてありました。立派なことです。
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