このページは『世界自然遺産に指定されたばかりの
父島と毋島を巡る13日間の旅
2012 march.20 - april 1 です。

6日目:船で島巡り&ドルフィンスイム

3/ 25
(日)
9:00 船で島巡り&ドルフィンスイム
15:00 小港海岸から中山峠までのトレッキング
父島ペンション泊

7:00 朝食

上:本日の朝食
 父島ペンションは、毎日少しずつメニューを変えてくれます。それより、毎日同じ時間に食べられることが嬉しいです。昼食は毎日おにぎりかパンかカップ麺だったので。あ、そうそう、ここでは毎日ご飯をお代わりしていました。正月から毎朝お餅を3つ食べ続けていたので、朝になると習慣的に胃が拡張するのです。

9:00 パパヤに集合
 今日はピックアップはありません。ツアー会社『パパヤ』の前に集合です。とはいえ徒歩50mなので問題ありません。

9:30 とびうお桟橋からボートでGO!
 ボートで出発です。ほとんどのお客さんはデッキでクジラを探していましたが、昨日までにクジラをたくさん見た私は、キャビンの中でゆっくりしていました。30分ほど走った頃から、地質学的に面白そうなところを撮影しました。何がどうなっているか詳細はわかりませんが撮影することが大切でしょう。


上:ハートロック(画像をクリックすると部分拡大します)


上:枕状(まくらじょう)溶岩がよくわかる断崖
 画面中央やや右の黒い部分は、水中に噴出した溶岩『枕状(まくらじょう)溶岩』が隆起して地表に表れたものです。枕状溶岩は急冷された溶岩が枕のような形に見えるので、簡単に見分けられます。


上:もう1枚上の写真を少し右へまわり込んで撮影したもの
 中央の黒い部分は枕状溶岩です。しかし、それを挟むようにある左右の白っぽい黄土色の部分は何だろう? 隆起したときにできた断層に貫入したマグマだろうか、それとも、・・・??? と不明なまま撮影したのですが、自宅に戻って何度も見返すうちに判明しました。その上の地表の土砂の色を見てください。同じです。もう1枚上の写真も見てください。枕状溶岩の形状が地表の土砂によって連続的に隠されていく様子がわかります。これは、地表が風化され、白っぽい土砂となって断崖を流れ落ち、その色素が沈着したものです。土砂やマグマの色は、場所によっていろいろありますが、この部分は白〜黄土色です。不思議な断崖をたくさん撮影したのですが、よく見直すと、これと同じ成因のものが多数ありました。とほほ、って感じですが、発見の歓びにはそれを上回ります。


上:海食崖(かいしょくがい)
 波の侵食によってできた海岸沿いの崖を海食崖といいます。海食崖は、海に囲まれた日本各地の沿岸でよく見られます。


上:地表の土砂から溶け出した黒い色素が垂れてきていることに注目
 ペンキのように垂れています。この断崖は、やがて全面が黒い断崖になるのでしょう。4枚上の写真で紹介した有名なハートロック(赤いハートの形をした巨大な岩)は、赤い色素が表面に沈着したものです。


上:画面中央に見えるやや白いチューブ状のものが気になる。横方向から見た枕状溶岩なのだろうか。専門家の人に教えてもらいたいなあ。右の山頂から垂れている赤い土砂は、よく見えるようになりました。


上:

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上2枚:飛翔するカツオドリ(ペリカン目>カツオドリ科>カツオドリ属)
 早春は鳥が少ない季節なので、遠くに飛ぶ鳥をとりあえず望遠撮影しました。撮影した画像を拡大すると、何と『カツオドリ』でした。今度出会ったときは、飛んでいる姿で見分けたいです。


上:ザトウクジラ


上:クジラ3匹


上:300mm望遠で撮影した写真の部分拡大
 ジャンプする瞬間のクジラを見つけ、瞬時にシャッターを押す。ライフル銃で狩猟しているようなものです。良い写真を撮るためには、よいカメラとよい技術が必要ですが、写真という結果が残るのでとても楽しいです。もっと良い機材を使えば、切れ味のよい画像になるだろうな。


上:2匹


上:ザトウクジラが船の真下を通過するところ
 船尾から水中に腕を突っ込んで撮影しました。急なタイミングだったので、ハウジングとワイコンの間に入った水が画面左上に写っています。ザトウクジラは、画面右上から左下へ向って泳いでいます。


上:2階操舵室
 こんな感じで進んでいきます。私は倒れないように、左手でバーを握っています。寒いのでみんな合羽を着込んでいます。


上:浅瀬は波が立ったり、海の色が変わります。遠くに見えるのは、ロウソク岩。この名前の岩は全国各地にたくさんありますね。

14:15 ドルフィンスイム
 ツアー終了時刻の15:00間際になってイルカを発見しました。イルカは何種類かいますが、人と一緒に泳いでくれるのはバンドウイルカで、今回遭遇したのはハシナガイルカです。ハシナガイルカは空中で回転するスピンジャンプが得意ですが、人と泳ぐことは好みません。気分が良ければ一緒に泳いでくれると思うのですが、、、 ということで、船長は見て楽しむだけと思っていたようですが、やる気満々の観光客は許してくれません。着込んでいた衣服を脱いで泳ぐ準備を始めました。


上:ドルフィンスイムのタイミングを待つ人々
 黄色の雨合羽は無料で借りることができます。これがないと寒さで体調を大きく崩す人が続出する可能性があるから当然でしょう。また、画面中央の青色の箱には、ドルフィンスイムの機材(フィン、マスク、シュノーケル、救命用の浮輪など)が入っています。画面右下に写っているのは私のジーンズとサンダル。


上:ハシナガイルカの群れ

 ハシナガイルカの水中写真は良いものが撮れないだろうと読んでいた私は、着替えませんでした。そして、1回目のチャレンジは見学しました。しかし、船酔いしながら冷たい海に落ちていく女子を見て「やるしかない」と思い、2回目のチャレンジの準備をしました。1回目は女子大生が海水上で失神し、仰向け救助されていました。救命胴着は大切だと思いました。とにかく、そんな猛チャージを見せつけられたら、寒いとか写真が撮れないとか言っている場合ではありません。絶対に負けないからね。

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上:水中カメラを片手に出動を待つ
 写真左と右は、写っている範囲が大きく違います。ハウジングとワイコンの間に水があるかないかで屈折率が変わるからです。左は空気(水を入れていない)、右は水入りです。ちなみに、私は素足にスリップオンの無料レンタルフィンです。水温19度Cでよくがんばりました。海水パンツ1枚で、上半身は丸裸です。そんなクレイジーな奴は私だけでですが、おがさわら丸のお見送りはフィンもマスクも何も無しだったから大丈夫だもんね。がたがた震えていたけれど、、、

 5分後に次のチャンスが訪れました。ウェットスーツを着る時間がなかった私は、上半身裸で飛び込みました。やっちゃいました、というやつです。そして、本気で泳いで撮影したものが下の写真です。私の下方15m付近を楽しそうに泳いでいるイルカさん達を見てください。私の存在は完全に無視です。本気出しの人様を他所に、キュンキュン音を立てならが楽しそうに泳ぎ去っていきました。やっぱり、そういうことですよ。


上:がんばって追いかけて写したハシナガイルカ


上:救助を待つ間
 また誰か倒れていないか探しましたが、今回は大丈夫だったようです。


上:同上
 極寒の海でしたが、数分間なら我慢できるでしょう。っていうか、寒さを感じませんでした。「イルカさーん、待ってー!」と叫びまくり、バタ足しまくりでしたからね。船に上がってからは、速攻で着替えました。マル秘情報を1つ追加しますと、着替える時は寒過ぎるのでタオルで身体を吹かずにTシャツを着て、下は素肌にジーパンです。塩水は風で吹き飛んじゃいます。髪も拭いた記憶がありません。ちょっと塩をふいていますが、海風でカッコよくきまている・・・と勘違いしているのは自分だけだと思います。

15:00 帰港(とびうお桟橋着)
 定刻通りに帰ってきました。そして、マイクロバスで振り出しに戻りました。私はその足でミニバイクに乗り、夜明け道路を走りました。

 明日は朝9:00の船で毋島に渡るのですが、よくよく考えると、父島の島内観光をほとんどしていません。ユネスコの世界自然遺産に指定された理由は、父島の地上生物にあるっていうのに海ばかりで遊んでいたので、残り時間は全力で歩きます。


上:国立天文台


上:笠山登山口で見かけた看板
 どんな人が何人登山したかをチェックするためのものです。下の茶色の箱には色が異なる5種類の石があり、その色で入山者を区別します。左から順に、島民・ガイド・調査員・観光客・仕事人です。


上:宇宙航空研究開発機構

16:20 小港海岸
 小港海岸は車が通行できる道の最南端です。ここから中山展望台までトレッキングしました。

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左:小港海岸でサーフィンを楽しむ人。両手に竿のようなものを持っていました。見慣れないものでしたが、かっこ良かったです。
右:大きなボードでした。


上:中山峠へ向う小道から見た小港海岸

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右:タコノキ(単子葉植物綱>タコノキ目>タコノキ科>タコノキ属、画像をクリックすると拡大)

 タコノキは小笠原諸島の固有種ですが、観賞用植物として市販されています。タコノキという名前は、木根がタコの脚のように出ているからですが、曲がりくねったタコの脚とは違い、直線的です。小笠原諸島では海岸付近で良く見られます。雌雄異株で、夏になると雌株は淡緑色の雌花、雄株は白色の雄花を咲かせます。授精した雌花は、やがてパイナップルのようなオレンジ色の果実になり、食べることもできます。


上:中山峠からの展望
 中山峠は素晴らしい場所でした。是非また来よう、と思ったポイントです。実際6日後に再訪したときも感動しましたが、この中山峠の先にもっと凄いところがありました。お楽しみに!

18:00 夕食

上:本日の夕食
 料理長にカラアゲがあると聞き、スーパードライを準備しました。ひと段落してから日本酒に切り替えて刺し身を頂きました。デザートのすっぱい苺にかけられた甘い練乳は、絶妙のマッチングで夕食を締めくくってくれました。ごちそうさま! これが毎日継続可能な料理というものでしょう。

5日目:ダイブ2本と小笠原丸お見送り ←
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→ 7日目:毋島の乳房山を歩く

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