クロッキー F 美術館

第3章 画材と道具の研究 
準備するもの
 紙と鉛筆があれば十分ですが、私がこれまでに使ったものを紹介します。

1 顔 料

(1) 鉛 筆
 これまでに、10社以上の鉛筆を試しましたが、現在は、カステル社の鉛筆が気に入っています。特に、7Bは簡単に幅広い階調を生み出す魔法の鉛筆のようで、自分が上達したような錯覚に陥ります。また、2007年11月現在は、8Bの鉛筆に墨液を漬け、芯がなくなっても木材だけで書き続けています。これは、もはや顔料としての鉛筆の領域を越えています。なお、8Bの黒鉛はべったりと付いてしまい、階調の幅は広くありません。

右:2007 july 27

(2) 墨
 これもいろいろな会社を試しましたが、未だ、固定していません。あと数年間は、いろいろな会社のものをチャレンジします。

右:2007 oct 17

 右の作品は、墨を使っていますが、細い線は鉛筆の線です。つまり、鉛筆に墨液を付けて描いています。墨と黒鉛のコラボレーションを楽しみながら描いています。

関連ページ:墨 液

(3) アルリル絵の具、地塗り剤(ジェッソ)
 リキテックス社のものがほとんどです。2004年頃から、パールや蛍光色などの新色を試すようになり、とても気に入っています。また、地塗り剤としてのジェッソは、最終画面を描く時にも使います。

 これは油絵具と同じ手法を使えます。つまり、水で薄めて「おつゆ」のようにしたり、厚く盛り上げたり、透明色を何回も重ねたり、描いたものを拭き取ったりできます。

 それより何より、色は楽しいものです。

右:2007 may 9

(4) ボールペン
 濃淡をつけることができませんが、鋭いタッチの線を何本もひくことができます。また、力をコントロールしても無意味なので、対象をよく観ることにつながります。ただし、ペン先が滑るので、手の勢いで描き過ぎないように注意しましょう。

 水性ボールペンと油性ボールペンを比較すると、水性は綺麗に描けます。しかし、油性は長時間描き続けると、インクが漏れて画面を汚すので注意が必要です。私は、ほとんど水性ボールペンを使いますが、あえて100円ショップで安価な油性を買って使うこともあります。何ごともやってみないと分りません。 

右:2004 sep 5

(5) コンテ
 ざっくりと大きく描くことができるので、モデルの量感を捉えるのに適しています。完成したものは、フィキサチーフ(定着スプレー)などを使って固定するようにしましょう。コンテは、色がついた顔料を水などに溶かして固めたものなので、そのままにすると画面から落ちてしまうからです。紙の凸凹のすき間に挟まったり、表面に乗っているだけなのです。

右:2001 Oct 11

(6) コンテ鉛筆

(7) 油性クレヨン

(8) 油性クレパス

(9) 水性色鉛筆

(10) コーヒー、紅茶、ワイン
 色素を含んだものなら食料品でも使うことができます。これらは水で薄めたり、何日か放置することで濃くすることもできます。自然な色を出すことができるので、上手に使えるようになれば面白い作品作りができるでしょう。ただし、糖を含んでいると、虫に食べられたり空気中の水分を吸収してべたべたするので注意して下さい。

紅茶を使った日:


上:墨を主体にしているが、コーヒーは胴の部分に使っている。(2007 april 12

(11) マニキュア

(12) 水性絵具

(13) パステル
  顔料、アラビアゴムやトラガカントゴムを練って棒状に固めたも

(14) 岩絵具
  顔料と膠を混ぜて水で溶いたもの、日本画に使う

(15) 油絵具
 顔料、油、樹脂(ゴム)、助剤を混ぜたもの

2 顔料をつけるもの
 (1)筆(面相筆、水彩筆)、ぼかし刷毛
 (2)手、指
 (3)竹ペン、棒、割り箸
 (5)芯が無くなった鉛筆
 (6)歯ブラシ
 (7)布や雑巾

3 支持体

 (1)画用紙
 (2)ボール紙
 (3)コピー用紙
 (4)スケッチブック
 (5)クロッキー帳
 (6)ミューズ紙
 (7)和紙
 (8)ファブリアーノ
 (9)キャンソン紙
 (10)ワトソン紙
 (11)ラシャ紙

4 下敷(したじき)

(1) 紙
 紙に描く時、同じ紙を3〜5枚下にひくことは基本です。

右:

(2) 畳(たたみ)
 和室で座って描く時、とても大きな紙1枚を用意し、それを下敷にして描いてみましょう。イグサを編んで作った畳の凸凹模様が写るはずです。規則正しい強弱は、画面に自然なリズムを与えます。下敷にする紙の枚数をかえることで、その影響をかえることができます。

右:2001 Oct 16

5 その他
 (1)雑巾
 (2)ティッシュ
 (3)カッターナイフ
 (4)消しゴム
 (5)霧吹き
 (6)絵皿
 (7)自家製カラーチャート
 (8)フィキサチーフ、透明ラッカー
 (9)画板、下敷き(カルトン、畳、タイル、ベニヤ板)
 (10)撮影用ライト

2007 nov 27

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