このページは中学校2年理科『生物』/takaの授業記録2000です

観察2 カイコガ
                   2000 6 12(月)

 今年9月下旬、私達2年は野外学習(2泊3日)にでかけます。そこで行われる自然体験学習の1つにまゆ人形づくりがあったので、私はそれを希望しました。そして、「野外学習に行く前に、まゆについて学習できたら良いなあ。」と考えていました。その話を聞いたH先生は、蚕を入手するために電話をかけたり、あちこち探し回ってくれました。そうこうしているうちに、を育てる小学生の記事(朝日新聞、6月10日)を発見! H先生はその記事を読んで連絡を取り、わざわざもらってきてくれました。本当にありがとうございます。

 H先生が訪ねたのは、豊田市の鈴木勢調せいちょうさんです。事情を話すと、快く分けて下さったそうです。鈴木さんにも心からお礼申し上げます。世話をしながらしっかり観察したします。

 さて、名古屋にやってきて2日目。蚕(写真1、2)は元気よく糸を吐きはじめました。タイミングが良いというか、良すぎて『幼虫の観察』や『飼育するための苦労』ができないけれど、カイコちゃんは本当に元気です。段ボール箱(30cm四方)に入れ、各クラスに2匹ずつ配付したカイコガの雄雌は分かりませんが、どのクラスも順調に繭を作り始めました。


写真1 鈴木さんから頂いたカイコ


授業の流れ

1 カイコを紹介
 生き物を大切にする心と協力して頂いた方々に対する感謝の気持ちを教えましょう。

 また、今日から成虫になるまで、理科係を中心に各クラスで蚕を飼育することも伝えます。授業後、理科準備室に集合した各クラスの理科係は、自分の好きな蚕を選んでいきました。同じように見える蚕にも個性がありますからね。

ポイント
カイコガの幼虫を蚕カイコと言う
・蚕の餌は桑の葉
・蚕はマユをつくる
・蚕はさなぎにならない
・マユから(シルク)をとりだす


写真2 カイコガの幼虫


2 カイコガ(蚕蛾)の一生

 図3のように、簡単にまとめれば良いでしょう。

たまご→ 幼虫→ マユ→ 成虫


図3 カイコガの一生を図示したA君の学習プリント

3 カイコの観察
(1) 箱に入れたまま回します。
・ 生徒はキャーと言ったり、喜んだり反応はさまざまですが、一様に楽しんでいます
・ 大切に扱うようにクギを刺して下さい
・ 全員が触ると弱るので、触らないように注意して下さい

(2) ビデオカメラを使って、教室のテレビに拡大して写します。

(3) それを見ながら生徒にスケッチをさせます。下の図4〜6は生徒のスケッチです。

図4 Cさんのスケッチ

図5 Dさんのスケッチ


図6 Eさんのスケッチ


授業後
 50分の授業はここまでで、あとは各教室で観察させました。カイコの世話は理科係が中心になって行います。それにしても、これからどうなるのか生徒も先生も本当に楽しみでしたが、あっと驚く展開が待っていました。どうぞ続きを御覧下さい。

→ 繭をつくる

→ カイコガになる


桑の木について

 餌となるくわが千鳥丘中学校の校庭に2本あったことにも驚きました(写真6)。これはH先生が私に教えてくれたのですが、H先生も生えていることは知らなかったそうです。H先生がクラブハウス周辺の掃除をしている時に、偶然通りかかった近所の住民に教えてもらったそうです。本当に偶然が重なるものだと、不思議な気持ちでした。


写真6 クラブハウスの横にある桑の木

 理科係に桑の葉を採取するように指導したのですが、葉の形は決まってないようです(写真7)。


写真7 桑の葉


 写真右: 毎日新聞
      2000年6月10日(土)夕刊
      第1面

  鈴木勢調せいちょうさん
  愛知県豊田市野見町

  から蚕8匹を頂いてきた。


 

 

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(C) 2000 Fukuchi Takahiro