このページは中学校2年理科『化学』/takaの授業記録2000です

  分子と原子
              
 2000 06 05(月)

 今日から4時間、教室で授業を行います。化学の基本である原子、分子、そして、化学反応式を学ぶためです。教室では「先生、実験がやりたい!」との声が飛び交いますが、ここは腰を据えてしっかり学習に取り組んで下さい。

 授業の導入は、チョークを使った『最小の粒』の説明です。単純な説明ですが、生徒にはインパクトがあるようです。そして、中盤で「分子」について説明し、最後には「原子」まで話を進めます。

(上:さーて、どこまでチョークと言えますか?

  関連ページ
  ・チョークはどこまで小さくなるか(2年、2017年)
  ・
単体と化合物(2年、2003年)

  実践ビジュアル教科書『中学理科の化学


<授業の流れ>
1 最小の粒について

 新品のチョークを用意します。そして、生徒に「これは何ですか?」と発問しましょう。普通の生徒は「チョークです。」と答えるはずです。次に、そのチョークを真っ2つに割ります。「先生、もったいない!」との声が上がりますが、再び質問します。この発問をくり返すことで、物体チョークだと思って見ていたものが、物質チョークに変わります。ある物質としての特性をもっている最小の粒があるはずです、と言います。以下に説明の手順を示しますので参考にして下さい。

1) 1本のチョークを割る。そして、「割れたものはチョークですか?」と発問する。
  生徒は「チョークです」と答える。

2) さらに半分に割り、同じ発問をする。
  生徒は「チョークです。」と答える。

3) さらに割る。
4) さらに割る。このあたりのパフォーマンスは楽しい。
  「誰か割ってくれる人?」「これ以上細かく割れる人」と有志を募ってもよい。

5) 黒板消しを黒板にパタパタパタとやって、白くあとが残った部分を指して
  「これは何ですか?」と発問する。生徒は「チョークです」と答える。
 

6) その粉を半分にした図を板書する。 

7) それ以上小さくできなくなったチョークとしての最小の粒を
  『炭酸カルシウム』という、と説明する。


(上: Bさんのプリント)

 2 水の状態変化
  これについては1年生で学習済み(状態変化)であるが、復習した
  
  ・ 水の分子は、各状態とも8個とした
  ・ 固体のとき、分子は規則正しく並び『結晶』をつくる
  ・ 液体のとき、分子は互いに引っ付きならが自由に動く
  ・ 気体のとき、1つひとつの分子が勝手に飛び回る

 3 原子について
  1) 『アトム』と言う。鉄腕アトムの話や、回転寿司アトムボ
    ーイを和訳すると『原子少年』になることを話してやると盛
    り上がる。
  2) 教科書をまとめる。
    
物質の『分子』をさらに詳しく調べると、『原子』で
    
できていることが分かる。
   
   (上:Cさんの学習プリント)
  
 4 チョークの化学式
  1) 炭酸カルシウムということを知らせる
  2) カルシウム原子1個、炭素原子1個、酸素原子3個が結合
    したものであることを知らせる。
  3) だから、炭酸カルシウムの化学式はCaCOである、と
    説明すると、生徒達は「なるほど、なるほど。」と深くうな
    ずく
ので、是非ともこの順序で指導していただきたい。


 <授業を終えて>
  分子と原子の違いは、1時間の授業では理解できない。もちろ
 ん、授業終了時は「分かった」顔をしているが、家で復習しない
 ことも原因であろう、翌日にはさっぱり分からないようである。

  次時は、元素(原子)の周期表を覚えさせる。

  関連ページ
  ・チョークはどこまで小さくなるか(2年、2017年)
  ・
単体と化合物(2年、2003年)

  実践ビジュアル教科書『中学理科の化学

← 前 時
テスト返却1

 次 時 →
元素の周期表


[→home

(C) 2000-2005 Fukuchi Takahiro