このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録:化学 3年(2001年度)です

実験13 硫酸と水酸化バリウムの中和反応
              
 2001 5
 中和実験の2日目です。今日は硫酸と水酸化バリウムを中和させ、硫酸バリウム(白い沈澱)つくり、ろ過によって取り出してみましょう。

(上:左から
硫酸中和した液水酸化バリウム水溶液

→ 2002年度の実践 実験13硫酸と水酸化バリウム中和(1年)がよくまとまっているので参考にして下さい。


<授業の流れ>
1 中和反応式(10分)

 化学反応式を説明するのに時間がかかるかも知れませんが、頑張って教えて下さい。次時、中和反応式を学習する時に役立ちます。
硫酸+ 水酸化バリウム→ 硫酸バリウム(白い沈澱)+ 水

<ポイント>
・ 化学反応式は、内側と内側、外側と外側を組み合わせる
・ 内側と内側を組み合わたものが
えんになる
・ 外側と外側を組み合わたものが
みずになる

2 前時の復習(3分)

 中和反応の共通点を指摘させて下さい。

・ 内側と内側を組み合わたものが
えんができる
塩酸+ 水酸化ナトリウム→ 食塩(塩化ナトリウム)+ 水

3 実験手順の演示・説明(7分)
<手順>
1 前時と同じように、硫酸と水酸化バリウム水溶液を中和する
2 中和できたら、先生の確認をうけ、合格印をもらう
3 中和液をろ過し、沈殿物を取り出す。

<水酸化バリウム水溶液の作り方>
 飽和水溶液を作ります。理想的な方法は、水に十分な量の水酸化バリウムを溶かし、数日間放置した上澄み液を濾し取ることです。しかし、実際の現場ではそんな余裕はありません。そこで、次のような方法でつくることをお勧めします。飽和水溶液ではありませんが、その代り、生徒はろ過の方法を復習したり、水酸化バリウム水溶液が空気中の二酸化炭素と反応して表面に白い膜(炭酸バリウム)を生成することが分かります。

1 教師が、500mlビーカーに適当な量(50g)の水酸化バリウムを入れ、それに水を入れて掻き混ぜます。数分〜1時間放置し、その上澄み液を生徒に配付します。(50mlビーカーに40ml)

2 生徒は、空の50mlビーカーを用意し、正しい手順で折り曲げたろ紙をのせます。(本来ならロウトを使うべきですが、時間短縮のため乗せるだけで十分です。サイズがピッタリなのです。)

3 そのろ紙の上に、静かに水酸化バリウム水溶液を注げば出来上がりです。(写真右上は撮影のために使い古したろ紙を載せたものなので、良くありませんが、実際にやってみて下さい。十分です。)

(写真右下は完成した水酸化バリウム水溶液です。白い矢印で囲まれている部分は、空気中の二酸化炭素と反応してできて炭酸バリウムです。数分以内にできてしまいます。)

<硫酸水溶液の作り方>
 
水酸化バリウム水溶液の濃度に合わせて、ほぼ等量で中和するように薄めます。500mlの水に、非常に少ない量の硫酸を入れて下さい。本当に微量で十分です。硫酸の原液は非常に危険なので、慎重に調整して下さい。(写真はありません)



4 生徒実験(25分)

5 まとめ(5分)

(上:A君の学習プリントの右側には、黒画用紙をバックに硫酸バリウム(白い沈澱)が添付されている。)

◎ Aさんの学習プリント
ろ過に使ったろ紙も添付されている。


<授業を終えて>
 まとめの時間では、前時の食塩(水に溶ける)と本時の硫酸バリウム(沈澱する)を比較して欲しかった。しかし、実験そのものは十分に楽しんでもらったので、次のいろいろな中和実験での発見に期待したい。

→ 2002年度の実践 実験13硫酸と水酸化バリウム中和(1年)がよくまとまっているので参考にして下さい

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