このページは中学校1年理科『生物』/takaの授業記録2002です

観察9 微生物
              
                   2002 6 10(月)

 オオカナダモを屋外に放置しておいたら、大量のゾウリムシが発生した。
 とても純粋にたくさん観察できるので、教材としては最適だ。
 ゾウリムシ達は、オオカナダモの葉緑体を食べていると思うけれど詳細は不明。


(上:オオカナダモの葉の先端部付近を泳ぎ回るゾウリムシ)


授業の流れ
1 生物の分類方法を確認する

・ 生物は動物と植物に分類できるが、両方の特徴をもつ生物などもいるので、それらはその他にして分類する
・ 動物は、移動することができる生物
   → ゾウリムシは『せん毛』で移動する
   → 人は『足』で移動する
   注意: 「動物は動く」とまとめると失敗する。植物も動くからである
   動物が移動する目的にひとつは食物の獲得であるが、深入りすると失敗する

・ 植物は、葉緑体で光合成することができる生物
  例外として、光合成をもたない「シイタケ」があることもおさえる
・ 移動手段と葉緑体をもつ生物として「ミドリムシ」がある
・ 全ての生物には『核』がある
・ 生徒は、動物と植物の区別ができないのでいくつか発問してやると面白い。
 また、分かりにくい生物を自由に発言させるのもよい。

生物の分類 動 物 その他(中間) 植 物
単細胞 ゾウリムシ
ワムシ
ラッパムシ
ミドリムシ ミカヅキモ
アオミドロ
ケイソウ
多細胞 ヒ ト
ヒトデ
イソギンチャク
クラゲ

サンゴ
--- タンポポ
ダイコン
シイタケ

補足:微生物について
 微生物とは肉眼では見えない生物の総称です。そこには動物、植物、菌類、細菌など多種多様な生物が含まれるだけでなく、多細胞生物も含まれる可能性があります。このように、微生物という言葉はとても曖昧なのですが、中学校においては、曖昧な表現であることを明確に指摘した上で、表1のように生物を分類すればよいでしょう。顕微鏡で観察可能な生物を中心にして、ほんの少しだけ付け加えれば十分です。詳細については、別ページ生物の分類を御覧下さい。

2 水中の微生物の観察

準備するもの:
微生物を培養したもの
顕微鏡、照明器具
スライドガラス、カバーガラス、スポイト

生徒が持参するもの:
微生物がいる水
ティッシュペーパー


(上:スポイトで微生物を採取する生徒)


(上:オオカナダモの葉を1枚ピンセットで摘み取っても良い)


(上:採取する量は1滴、あるいは、1枚で十分である)
・ それより多くすると、微生物が前後に動き回り観察し難い


(上:Aさんのゾウリムシのスケッチ)


(上:ラッパムシの仲間)


(上:植物が発芽したのだろうか?)


(上:何かの幼虫)


(上:これまた何かの幼虫)


(上:それの尾部)
 ・ 実際は肛門が閉じたり開いたり動いている
 ・ このような生物を観察すると生徒は大喜びである


(上:Bさんのスケッチ)


(上:ツリガネムシ)


(上:いろいろなケイソウ類)


(上:イカダモ)

◎ Cさんの学習プリント


<評価基準>
1 自然事象への関心・意欲・態度
 A 微生物を繁殖させた水や、それらがいる水を持参することができる

2 科学的な思考
3 実験・観察の技能・表現
 B 顕微鏡を使ってゾウリムシを観察することができる

4 自然事象についての知識・理解
 B 動物と植物の特徴をもつ生物としてミドリムシがあることを知る


授業を終えて
 実際はたくさん生物が観察できたのだが、撮影するのを忘れてしまって残念。

 また、顕微鏡で観るには大き過ぎる昆虫の幼虫をテレビに写し出すと生徒は大喜びだった。

← 前 時
光合成と呼吸の観察

次 時 →
1年生物のまとめ

↑ TOP

[→home(C) 2002 Fukuchi Takahiro