このページは中学校1年理科『化学』/takaの授業記録2002です

 実験6 アンモニアの噴水 
              
                   2002 7 5(金)
                   第2理科室

  アンモニアの非常に水に溶けやすい性質を利用して、噴水実験を行った。

 (1999年度の実践も参考にして下さい→ アンモニアの噴水


  
  (上:実験する生徒達)

  


 <授業の流れ>
 1 アンモニアの性質をまとめる
  ・ 空気より軽い
  ・ 水に非常の溶けやすい
   → 『上方置換法』で集める
  ・ アルカリ性
   → フェノールフタレイン液を赤にする
   → ぬるぬるする
   → 手についたら、よく洗って下さい
  ・ 特有の刺激臭
   → 匂いを嗅ぐと鼻がつぶれる 危険!!
  ・ 有毒
   → 窓は全開にして行って下さい
   → 気分が悪くなった人は理科室の外に避難して下さい
   → そのまま外でぼーっとしていて他の先生に注意されないように
   → 風向きに注意して下さい
   → 鼻で呼吸しないで、口で呼吸して下さい
   → 覗き込むと、涙の中に溶け込んで失明します 
危険!!
   → 傷口の粘液にも、勝手に溶け込んで痛くなります

 
 2 実験手順を演示する
 3 実験装置を学習プリントにまとめる
  ・ 教科書では、塩化アンモニウムと水酸化ナトリウムで発生させているが、
   今日はアンモニア水を使った。本時のねらいは、気体『アンモニア』の性質
   を体験することである。

 4 実験する
 5 噴水ができる理由を考える

  → はっきり言って、大変に難しいので、次のように説明すると良い。

  「フラスコ内の圧力は高く(強く)なると思いますか、それとも、低く(弱く)
  なると思いますか? では、答えてもらいます。高くなると思う人?」
   たくさんの生徒が挙手する
  「低くなると思う人?」
   数人の生徒が挙手する
  「もう一度よく考えて下さい。圧力が強くなると中のものは出てきますか、そ
  れとも、出てきませんか。中の圧力が強くなれば出てきますよねえ。だから、
  フラスコの中の圧力が高くなれば水は・・・、出て行ってしまいます。ですか
  ら、噴水ができた場合の正解は何ですか?」
  「低くなる。」

  ◎ 生徒の学習ノート

  ・ 噴水ができる理由を図示している
  ・ フラスコ内が半分以上『水』で満たされた場合、合格の『印』がもらえる
  ・ ほとんどの班に合格してもらう予定だったが、7割にとどまった


  ・ この班の生徒達は1番に成功した。


  ===

  <塩化アンモニウムと水酸化ナトリウムによるアンモニアの生成>
  1 塩化アンモニウム、3グラムを入れる
  2 水酸化ナトリウム、3グラムを入れる
  3 試験管立てにセットする
  4 駒込ピペットで、水5ミリリットルを入れる
  5 丸底フラスコをセットする
  6 発熱して、凄い勢いでアンモニアが生成するので注意する
  




 <評価基準>
 1 自然事象への関心・意欲・態度
 2 科学的な思考
  A 実験で工夫したこと、発見したことを記述できる

 3 実験・観察の技能・表現
  A アンモニアの噴水を成功させることができる

 4 自然事象についての知識・理解
  B 噴水の原理をアンモニアの性質から説明することができる


  授業を終えて
  この噴水の原理を理解させることは非常に難しい。今日は何となく理解
 したような気分で帰宅していただいたが、自宅で復習しない限り分からな
 くなってしまうだろう。
  
  それにしても美しい噴水ができることは純粋に楽しい。理屈も分かった
 ようで分からないから余計に楽しい。今回の実験に限らず、自然は理解で
 きないから楽しいんじゃなかなと思う。勉強すればするほど分からなくな
 る自然の楽しさ、その奥行きの深さを直感させてくれる実験は貴重だ。理
 屈は後回しにして、何回も噴水をつくってみたり、水素の爆発をくり返す
 ような『遊び』が絶対に大切だ。理屈のための実験は無意味だし、理論は
 結果から自然発生するものである。

  私は、最終的に直感で考えることができるような、不思議さや驚きをそ
 のまま受け入れることができるような、自然の美しさや楽しさを理屈なし
 で感じられるような人間を育てたい。より大きな感動を得るためには、よ
 り多くの努力と勉強をしなければならないことは自然に分かる。

  『言語や数式などによる自然事象の説明は、常識ある人たちの常識的な
 勘違い(思考の中断)、あるいは、自然を理解したとして畏れぬ人間の奢
 りである。』

 (1999年度の実践も参考にして下さい→ アンモニアの噴水

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