このページは中学校1年理科『化学』/takaの授業記録2002です

 実験7 水の状態変化
              
                   2002 7 10(水)
                   第2理科室

  ビーカーに水を入れて熱するだけの実験であるが、意外に楽しい。
  (1999年度の実践も参考にして下さい→ 状態変化

  
  (上:水を熱する生徒達)
  


 <授業の流れ>
 1 本時の実験の方法とねらいを知る
  ・ 水を過熱した時に出てくる『あわ』は何か?
   <生徒の予想>
    ・ 気 体(泡は気体です)
    ・ 酸 素
    ・ 二酸化炭素
    ・ 水蒸気
    ・ 水 素

 2  実験装置をプリントに図示する

 
 ・ ビーカー300ml
 ・ 水 200ml
 ・ 沸騰石 5つ
 ・ 試験管
 ・ 温度計 100度C
 ・ 三 脚
 ・ 金 網
 ・ 鉄製スタンド
 ・ 濡れぞうきん
 ・ セロハンテープ
 ・ マッチ 1本

 左:Aさんの学習プリント


  
  
 3 実験する
  
  (上:大きな泡が出てきても、試験管の途中で消えてしまうのは何故か?)
    ・ 答えは後から考えましょう

 4 黒板に『発見』を発表する

 4 あわの正体を考える

  <授業の流れ>
  「泡が出てくる温度は何度ですか?」
  「40度ぐらい」

  「確かにそうですが、ビーカーの下からぼこぼこ出てくる温度は何度です
   か?」
  「98度」

  「誤差があると思うので、正確な温度計なら何度でしょう?」
  「100度C」
  「そうですね。では、次のようにまとめておきましょう。」
  水が沸騰する温度は100度C
  「さて、次に試験管の途中であわが消えてしまった理由は何ですか?」
  「冷えから」
  「冷えるとどうなるのですか?」
  「・・・」

  授業ではここで行き詰まってしまったが、
   <生徒の予想>
    ・ 気 体
    ・ 酸 素
    ・ 二酸化炭素
    ・ 水蒸気
    ・ 水 素

  を消去させることで、
あわの正体は『水蒸気』であることを導いた。
  たぶん、これより先に『固体・液体・気体』について小学校の確認をして
  おけば良かったと思うけれど、今日の実験で十分に理解できたと思う。

  <ポイント>
  ・ 水そのものは変化していない
   → これまでガスバーナーを使った実験は全て『炭』になるような激し
    い化学変化ばかりだったから、今回は『状態が変化しただけ』で水と
    いう物質そのものは変化していないことに着目させたい。

 5 本時のまとめをする
  ◎ 水の状態変化
  
  <注意点>
  ・ 0度Cは凝固点なので、マイナス30度C氷が存在するし、
  ・ 同様に、20度Cや500度Cの水蒸気が存在する。
  ・ 気圧の問題に触れてはいけない
   → 2年生の『大気圧』のところで学習する

  ◎ Aさんの学習プリント
  
  ・ 沸騰と気化の違いについて、知らせても良かった。
   沸騰: 液体の内部から気体になること(水の沸点は100度C)
   気化: 液体の表面から気体になること(何度でもよい)
      → 机にこぼした水は、過熱しなくてもなくなる(気化)

  ◎ B君の学習プリント




 <評価基準>
 1 自然事象への関心・意欲・態度
 2 科学的な思考
  A 実験のさまざまな場面から、水(液体)と水蒸気(気体)の関係を考察
   し、発見したこととして学習プリントにまとめることができる

 3 実験・観察の技能・表現
  B 水蒸気を試験管にあつめることができる

 4 自然事象についての知識・理解
  B 水の状態変化を正しくまとめることができる


  授業を終えて
  シンプルな実験であるが面白い。ただし、鉄製スタンドの自在バサミも10
  0度C以上、実験台も200度以上に過熱するので火傷には十分注意するこ
  と。


  (1999年度の実践も参考にして下さい→ 状態変化

===

時間があまったら遊んでみましょう。
紙で箱(鍋?、ビーカー?)を作り、それに水を入れて沸騰させる。

→ 少々焦げるけれど、紙は燃ない
→ 赤い玉の部分は、全部つかるようにする
→ 火力は弱い方がいいと思う


(上: 紙で湯をわかす実験)

紙が燃えない理由: どんなにガスバーナーで加熱しても、紙箱の中に水が入っている限りは100度C以上にならない。つまり、紙の発火点(温度)に達していないので燃えることはない。理論では分かっていても、実際に紙箱で水が沸騰する有り様を目の当たりにすると、本当に驚く。むしろ、紙が湿って水が漏れるようです。

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