このページは中学校1年理科『物理』/takaの授業記録2002です

 実験15 いろいろな力
              
                   2003 3 4(火)
                   第2理科室

  時間があればゆっくり実験したいところであるが、思いっきり飛ばした。
  小学校の確認をしながら、以下の6つの力をまとめた。
  1 弾性の力(垂直抗力)
  2 重力(引力)
  3 磁力
  4 電気の力
  5 摩擦力
  6 その他の力(遠心力)

  また、1999年度の実践『いろいろな力』も参考にして下さい。


  (上:Aさんの学習プリント)


 <授業の流れ>
 1 弾性の力(垂直抗力)

  生徒への説明の例
  「さあ、ここに空のペットボトルがあります。これを、約1メートルの高さから落とします。」
  「ほら、こんなにを弾むでしょ。これはどうしてですか。」
  「なかなか正解が出ないようですね。ヒントとして、同じ重さの粘土を落としたらどうなるでしょう。」
  「そうですね。ペットボトルが弾むのは、落とした時に変形してプラスチックが戻ろう
   とする力によって弾むのです。では、プリントにまとめておきましょう。」
  「弾性の弾は、ボールが弾むと覚えると良いでしょう。」

  「その他に、バネがゴムの弾性の力を持っています。」

 2 重力(引力)
  生徒への説明の例
  「さて、そもそも手を離すとペットボトルが下に落ちるのは何故でしょう。」
  「そうですね。小学校で学習した通り重力が働いているからです。」
  ※ 地球と物体の間に働く(万有)引力を『重力』という

  「手を離して上向きに落ちることはありませんね。」

  「余談ですが、月では体重が軽くなります。さて、何分の1になるでしょう。」
  「よく知っていますね。そうです、1/6です。」
  「体重が60キログラムの人なら10キログラムになってしまいます。」

  3 電気の力
  生徒への説明の例
  「下敷きで髪の毛をこすると電気が発生することは知っていますね。」
  「さて、ここで質問です。髪の毛が下敷きに引っ付くのは何の力の働きですか。」
  「残念でした、摩擦の力ではありません。」
  「答えは(静)電気の力です。」

  「さて、下敷きと髪が引っ付いたのは『引力』と言いますが、下敷きを離すと髪が1本1本が
  逆立ちます。この時に働く力を何と言いますか。えっ、髪の毛が逆立つのを見たことが無いっ
  て。それでは、脇田先生に実験してもらいましょう。」
  
  (上:引き裂いたビニール紐を擦ると、簡単に演示できる)

  「先生、ありがとうございました。これでわかりましたね。髪の毛が同じ極になるから
  反発しあって逆立つのです。さて、この時働く力は、、、」
  「だれも分からないので紹介します。斥力です。」
  
  「また、2つのものを擦った時、どちらがプラスになってマイナスになるかは決まって
  います。興味ある人は理科便覧で調べてまとめておきなさい。」
  

  
  4 磁力
  生徒への説明の例
  「磁石の力は分かりますね。静電気の力と同じように、引力と斥力があります。」
  「この力は離れていても働きます。」


  5 摩擦力
  生徒への説明の例
  「摩擦力は説明しなくても分かりますね。どんな例がありますか。」
  「そうですね、自転車のブレーキ、靴の底のゴムもそうです。」

 
 6 その他の力(遠心力)

  生徒への説明の例
  「その他にもいろいろな力がありますが、今日は垂直抗力と遠心力の2つを紹介します。」
  「まず、垂直抗力を説明するために実験をします。」
  「先生が、この黒板消しを床から1メートルの高さで静止させますので良く見ていて下さい。」
  「では、やります。えいっ!!」
  「失敗しました。」
  「もう一度やります。」
  「えいっ!」
  「今度は上手くいきました。えっ、黒板のサンに乗せたんだから当然だって、、、まあ、
  当然と言えば当然ですが、重力に働く上向きの力が働いたはずです。黒板のサンが上向
  きに支えているんでしょ。サンがなければ黒板消しは落ちてしまうので、真上の方向に
  力が働いているはずです。これを垂直抗力といいます。」
  
  「この垂直抗力は重力と同じ大きさです。」
  「もし、垂直抗力の方が大きいとどうなるでしょう。」
  「そうです。こんな風に黒板消しが上向きに飛び上がります。」

  「次に遠心力について説明します。」
  「今度は危ない実験をします。」
  「乾電池に紐をつけて回しますが、途中で手を離すので気をつけて下さいよ。」
  「では、回します。」
  「当たり前のように回っていますが、先生が手を離したらどうなりますか。」
  「そうですね、飛んでいきますね。」
  「では、乾電池が真上にきた時手を離したらどこに飛んでいくでしょう。」
  「真上ですか、それとも、真横ですか。」
  「さあ、やりますよ。危険なので1回しかやりません。」
  「ここ、ここ、ここ、はいっ!!」
  「ああ危なかったですが、真横に飛んでいきました。」
  「じゃあ、ここで質問ですが、遠心力は真横に働いているのですか、それとも、、、
  ちょっと黒板でまとめてみましょう。」
  「そうです、遠心力は重力とつり合うように正反対に働いています。」
  「乾電池が真横に飛んでいったのは、宇宙船から離れた宇宙飛行士が永遠にさ
  ようならしていくようなものですが、それについては後日調べるので楽しみに
  していて下さい。」

  ◎ 生徒の学習プリントから
   

  

 <評価基準>
 1 自然事象への関心・意欲・態度
  B いろいろな力をていねい、かつ、正確にまとめることができる

 2 科学的な思考
  B 小学校の学習内容や日常経験から力を導き出すことができる

 3 実験・観察の技能・表現
  A イラストや図表を使って力の働く様子をまとめることができる

 4 自然事象についての知識・理解
  B 弾性の力(抗力)、重力(引力)、磁力、電気の力、摩擦力を正しく説明できる


  授業を終えて
  実際の授業ではストローによる『ハンドパワーの実験』、『水道水を曲げる実験』などを
  行った。これらについては、1999年度の実践『いろいろな力』を御覧下さい。


  (上:脇田先生、ありがとうございました。)

 「髪の毛の一番綺麗な子は誰かな?」の一言は、これからも使わせて頂きます。

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(C) 2003 Fukuchi Takahiro