このページは中学校1年理科『物理』/takaの授業記録2002です

 実験16 フックの法則
              
                   2003 3 6(木)
                   第2理科室

  みなさんはフックの法則を知っていますか。
  <フックの法則>
  物体に力を加えたとき、変形した大きさと、加えた力が比例する

                (弾性限界まで)

  時間が許せば2時間かけて学習したいが、今回は1時間。この実験で得られる
  データは比較的正確で、かつ、応用範囲も広いので生徒の満足度が高い分野な
  なのである。
 
 (上:実験する生徒)

  1999年度の実践『実験5フックの法則』も参考にして下さい。

  <学校で準備するもの>
  バネ3種類(弱い力でのびるもの〜・・・)
  小さなお皿
  分銅(25グラム、50グラム)
  上皿てんびんの分銅セット
  鉄製スタンド
  セロテープ
  学習プリント(5ミリメートル方眼に印刷)

  <生徒が用意するもの>
  30センチメートル定規
  スパゲティー(輪ゴムなど、弾性のあるものなら何でも良い)



 <授業の流れ>
 1 フックの法則を紹介する

  バネに加えた力と、変形する量(バネの伸び)は比例する

 2 生徒実験
  1 グラフの縦軸と横軸を書かせる
   縦軸: バネの伸び(cm)、スパゲティーの曲り
   横軸: 分銅の質量(g)
  

 2 実験装置を組み立てさせる
  1 3種類あるバネのうち、1番伸びやすいものを配付する
  2 分銅が少ないので、上皿てんびん用分銅と皿も配付する
  3 定規の固定は、セロハンテープで十分である
  4 定規の0cmのところに、バネの基準を合わせると良い
  5 さらに、バネの基準に「折れた短いスパゲティー」をセロハンテープで固定すると良い

 3 実験開始
 
 (上:バネの下端と定規0cmを合わせるようにして鉄製スタンドの固定した)

 <実験のポイント>
  ・ 分銅を吊るす前に、すこしバネを伸ばすようにすると誤差が少ない
   → グラフが『原点』を通るようになる
   → からぶりの分銅をつるす
  ・ バネの伸びを測定する基準の位置を確認する
   → 吊るした分銅の先端部を測る(科学的思考に乏しい)班に注意
  

 
  (上:分銅が不足している班には、上皿てんびん用分銅を使用させた)
   分銅は、どのように吊るしても良いことを確認する

 4 発展・応用実験
  教科書を参考にしてスパゲティーで行ったが、悲惨な結末が待っていた
  <悲惨な理由>
  ・ すぐ折れる
  ・ 分銅を吊るす位置を工夫しなければならない
  ・ 分銅がつるつる滑ってスパゲティーから滑り落ちてしまう
  ・ スパゲティーを2本重ねて固定することが非常に困難
  ・ 3本重ねると、ほとんど曲らない状態になってしまう
  ・ 記録できる範囲がせいぜい3cmなので、グラフ化したときの誤差が大きい
  ・ せっかく各家庭から持参させたのに!
 
  (上:この実験装置には、たくさんの工夫が施されている)

 ◎ 生徒の学習プリント



 <評価基準>
 1 自然事象への関心・意欲・態度
  A 自宅からスパゲティーを持参することができる
  B 学習プリントを丁寧に美しくまとめることができる

 2 科学的な思考
  A バネの伸びやすさの違いをフックの法則から説明することができる

 3 実験・観察の技能・表現
  A 3種類のバネ(あるいは、スパゲティー)を使ってフックの法則を確かめことができる
  B 2種類のバネを使ってフックの法則を確かめことができる

 4 自然事象についての知識・理解
  B フックの法則について理解できる


  授業を終えて
  教科書に掲載されているスパゲティーは、簡単に折れてしまうので面白くない。
  弾性限界を説明する上でも適切ではない。1999年度の実践のように何種類かのバネで
  フックの法則を確実に理解した後、発展実験として『輪ゴム』を用いたほうが、その
  グラフ曲線の変化(比例しなくなる)から弾性限界を説明しやすく、さらに、輪ゴム
  の数を変えたり重ねたりするなど生徒の独創的なアイデアを引き出せる。スパゲティ
  ーは、ポキット折れてしまうだけの不適切な教材だ。日常のものから選ばせたいなら、
  もっと他に適切なものがあるので、生徒に「考えて持って来い」と言えば十分である。

  1999年度の実践『実験5フックの法則』も参考にして下さい。

← 前 時
実験15いろいろな力

次 時 →
力を矢印で表わす

↑ TOP

[→home
(C) 2003 Fukuchi Takahiro