このページは中学校2年理科『化学』/takaの授業記録2003です

 実験5 マグネシウムの酸化
                             2004 1 29(木)
                             第1理科室

 過激に煌めき、白煙を上げて酸化していく様子は文句なしに美しい。しかも、加熱後の質量が2倍近くになるので、データ処理もしやすい。実験に慣れた生徒には、是非お勧めしたい。

 ポイントは最大火力を使うこと、反応が始まっても加熱し続けることの2つ。

 ガスバーナーを止めないと危険な感じがするが、バーナーの温度900度Cと空気中でMgが反応する時の反応熱を比較すると、バーナーの方が低温なのである。つまり、ガスバーナーの炎で冷していることになる。

 マグネシウム+ 酸素→ 酸化マグネシウム
 2Mg+ O
→ 2MgO

(写真右)Mgを燃焼皿にのせて加熱する


  → 2000年度の実践『実験2 マグネシウムの燃焼(2年)』も参考にして下さい


<班で準備するもの>
・ マグネシウム粉(6g)
・ 燃焼皿
・ 薬さじ
・ ガスバーナー
・ 三脚と金網
・ 濡れたぞうきん
・ ピンセット(2)
・ 薬包紙
・ 電子てんびん
・ セロハンテープ
<教師が準備するもの>
・ 同 左
・ 10%塩酸

 <授業の流れ>
 1 導入から実験手順の説明まで

 「今日はマグネシウムの酸化です。実験方法は、前の銅粉と同じです。ただ、ちょっと過激な反応なので、もし、燃焼皿の上が燃え始めたら離れて下さい。どれぐらい激しいか、見せましょう。これは、リボン状になったマグネシウムですが、針金のような感じで、いかにも金属という感じがします。これを10cmぐらいに切って、ピンセットに挟んで加熱します。(写真右)」

 「しっかり見ると目が悪くなるので、ほどほどにして下さい。ね、それから、下にぽとんと落ちると、どれだけ危ないか分かりますね。」

 「今日も0.5gから始めます。直接、燃焼皿の入れて測ります。たっぷり水を含ませた雑巾も用意します。とにかく、燃焼皿の上で反応が始まったら、何もせず、ちょっと離れて観察して下さい。薬さじでかき混ぜる必要はありません。では、火傷に注意して火力は最大。実験始め!」



 2 生徒実験

  教師は、机間巡視しながら安全を呼び掛ける。
  Mgが不足した班は、自分で追加する。

 (上:右端から酸化が始まった。)
 (右:よく反応すると、全体が盛り上がる。)

 次の観点などから、反応前と後の物質を調べさせる。
 <比較する観点>
 ・ 色
 ・ 手触り
 ・ におい
 ・ 磁 性
 ・ 電流の伝導性
 ・ 目で見た様子
 ・ 塩酸との反応
 ・ その他

 (右:黒板に発表された実験データ)


  3 実験データの処理(Mgの酸化)

  方法は、前時の『実験4 銅の酸化』と同じ



 4 本時のまとめ

  マグネシウム(空気中で加熱する、化合・酸化)→ 酸化マグネシウム
  2Mg+ O→ 2MgO
 

 

 5 CuとMgの酸化を比較する
  「グラフの傾きから、どんなことが分かりますか。」
  「そうですね。マグネシウムがたくさん酸素と化合することがわかります。」


  ◎ D君の学習プリント


 ◎ Eさんの学習プリント



 <評価基準>
 1 自然事象への関心・意欲・態度
  B 学習プリントに、Mgと酸化Mgを添付できる
  B 金属や他の物質の燃焼や酸化について、思考を広げられる

 2 科学的な思考
  A 他にも加熱すると重さが増える物質があることを推測できる
  A 物質が酸化されるときの酸素の割り合いは決まっていることを推測できる
  B Mgと酸化Mgが違う物質であることを理解できる

 3 実験・観察の技能・表現
  A Mgと化合する酸素の重さを実験から求め、グラフ化できる
  B Mgを加熱してできる酸化マグネシウムの重さを正確に求められる
  C 安全に実験を行うことができる

 4 自然事象についての知識・理解
  A グラフ『Mgと酸化マグネシウムの重さの関係』を正しく理解できる
  B Mgの酸化を正しく理解できる


  授業を終えて
  こんなに面白く、良い結果が得られる実験は珍しい。私の調べた範囲では、この実験授業を行ってい
  る学校はないけれど、次の教科書改定の時には採用されると思う。絶対にお勧めです。このページを
  見て出版される場合、実践される場合はご一報下さい。
  

  → 2000年度の実践『実験2 マグネシウムの燃焼(2年)』も参考にして下さい

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