このページは中学校2年理科『化学』/takaの授業記録2003です

 原子周期表、原子と分子
                   
                   2004 2 12(木)
                   第1理科室

   学年末テストが近づいているので、予定を変更してテスト範囲を終了することにした。
  テスト直前にあたる来週の月曜日と火曜日は、『質量保存の法則』とそれを検証する
  実験を行う。

1 H
水 素

原子番号 原子記号
原子名
2 He
ヘリウム
3 Li
リチウム
4 Be
ベリリウム
5 B
ホウ素
6 C
炭 素
7 N
窒 素
8 O
酸 素
9 F
フッ素
10 Ne
ネオン
11 Na
ナトリウム
12 Mg
マグネシウム
13 Al
アルミニウム
14 Si
ケイ素
15 P
リ ン
16 S
硫 黄
17 Cl
塩 素
18 Ar
アルゴン
19 K
カリウム
20 Ca
カルシウム

水色は金属

 正しくは元素周期表だけれど、現行の教科書では「元素」という言葉を使わないので、混乱を避けるために原子(アトム)として指導した。なお、元素と原子の違いを知りたい先生は、ココをクリック

47 Ag
26 Fe
. 29 Cu
79 Au


 ◎ 授業の流れ
 1 テストに出題される問題プリントの配付(5分)

  テストの出題される問題プリントを配付し、それに関連する教科書を読んで簡単に説明した。

  <学習内容>
  ・ 銅の質量と化合する酸素の質量は『比例』の関係にある
  ・ 2Cu+ O→ 2CuO
  ・ どちらか一方の物質の量が多くても、反応する相手の物質がなければ反応は進まない
  → 実際に問題を解かなければ理解できないと思うが、それはそれ。テストが終わってから
  詳細に説明する必要が出るかも知れない。

 2 原子周期表

  初めて原子周期表を生徒に紹介したのは前回の定期テスト返却時。あれから1ヶ月弱ぶりに
  復習することになるが、生徒はさっぱり忘れていた。それでも、1度学習した経験があるな
  しでは学習効果に大きな違いがある。今日は『原子番号1番』からテンポよく同時進行で紹
  介した。

  「では、原子番号1番から一緒に書きましょう。1番はココ。宇宙で1番小さい、軽い原子
  です。何でしたか?」
  「はい、そうですね。水素です。記号は?」
  「はい、そうです。Hです。」
  「原子番号2番はココ。宇宙で2番目に小さい原子で風船の中に入っています。何でしたか?」
  「はいそうです。『へ(He)』と書いて、ヘリウム。」

  (上:Bさんの学習プリント)

  クラスによっては、「先生、水素はじゃないの?どうして、どうして!!」
  と大きな声で一歩もひかない生徒が出てくるので、そう言う場合は、ここで、原子と分子の
  違いを説明する。上のBさんの学習プリントにあるように、HとHの違いをごく簡単にま
  とめる。そして、酸素のところで、同じようにOとOの違いをまとめる。ここでは深く追
  求しない姿勢を育てることが最大のポイントである。

 3 原子と分子

  原子とは何か。これを突き詰めれば理科好きになることは間違いないが、一般人(生徒)を
  対象に熱弁を振るうことは危険である。ガスを止め忘れた風呂釜の内の温度が99度Cから
  1度上昇してしまう時のように理科嫌いが暴発するだろう。ここはどれだけ簡単に説明し、
  「簡単だあ!」と言わせるのがプロ教師としての腕の見せどころである。頑張って下さい。
 
 「OもOも酸素ですが、それらの違いは何だと思いますか。テストの時、区別できなくて困ることが多いので、ちょっとまとめておきましょう。正しく言うと、は酸素何とかで、は酸素何とかです。どちらかが分子で、どちらかかが原子です。」
 「お、知っている人がいますね。Oが酸素原子で、酸素分子です。原子はただの粒ですが、分子は性質をもった物質になります。例えば、は宇宙で8番めに小さい粒に過ぎませんが、その粒が2つ引っ付いてになると酸素分子になり、その同じ粒が3つ引っ付いてになるとオゾン分子になります。」

 「分子の数え方も確認しておきましょう。」
 「OもOも酸素ですが、それらの違いは何だと思いますか。テストの時、区別できなくて困ることが多いので、ちょっとまとめておきましょう。正しく言うと、は酸素何とかで、は酸素何とかです。どちらかが分子で、どちらかかが原子です。」
 「お、知っている人がいますね。Oが酸素原子で、酸素分子です。原子はただの粒ですが、分子は性質をもった物質になります。例えば、は宇宙で8番めに小さい粒に過ぎませんが、その粒が2つ引っ付いてになると酸素分子になり、その同じ粒が3つ引っ付いてになるとオゾン分子になります。」


 4 応用問題『水素の爆発』

  「では、応用問題を1つだけやりましょう。水素の爆発です。マッチで水素に火をつけると
  何ができるか知っていますか?」
  「え、よく知っていますね。水です。水素は水のもとですから、水ができるのです。そのと
  き、化合する物質波なんですか?」
  水素+ 酸素→ 水
  「これは簡単でしたね。酸素です。それでは、その化学反応式を順番に書いてみましょう。」
  + O→ H
  「ここまでは丸暗記です。しかし、反応の前後を比べてみると、酸素が1つ減ってしまった
  ので何とかしなければなりません。次のように書ければ問題ないのですが、Hにする
  と水ではなく過酸化水素(オキシドール、消毒液)になってしまいます。」
  + O→ H
  「さて、ここで違う色のペンの登場です。そのペンで、それぞれの物質の前に数字を書いて
  数を合わせしょう。まず、酸素を2つにしなければならないので・・・」
  + O→ 
  「これで酸素(原子)の数は同じになりました。酸素は解決です。しかし、反応後の水素(
  原子)の数が増えてしまったので、反応前の数も増やさなければなりません。ということで、
  Hの前に何と書けば良いですか?」
  + O→ 
  
  「そうですね。これでできあがりです。」

 5 応用問題『過酸化水素』
  理解度の高いクラスは、過酸化水素の分解についても説明した。
  

 6 復習テスト

  前回と全く同じ問題。今回で3回めになるクラスもある。
  




 ◎ A君の学習プリント



 <評価基準>
 1 自然事象への関心・意欲・態度
  B 学習プリントに正確かつ丁寧にまとめれる

 2 科学的な思考
  B 原子と分子の違いをその違いから捉えることができる

 3 実験・観察の技能・表現
 4 自然事象についての知識・理解
  B 原子番号1番から20番までを諳んじれる
  B 係数2までの基本的な化学反応式を理解できる


授業を終えて
 前回の授業を終えたばかりのときは、「わかった、わかった。」という声がたくさん聞かれたが、今日はダメ。原因は私ではない。生徒が家庭学習しないからである。確かに私にも責任があるけれど、生徒本人や家庭環境のそれと比較すれば微々たるものである。その証拠は、昨日学習したクラスはほとんど理解しているが、2日前、3日前にとなるにしたがって「わからない」の声が大きくなる。「わからないじゃなくて全員、丸暗記!」という基本的な復習ができてない。

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