このページは中学校2年理科『化学』/takaの授業記録2003です

 実験7 質量保存の法則
                   2004 2  13(金)
                   第1理科室

 質量保存の法則を教えるだけなら5分もあれば十分理解できるが、それでは面白くない。今日は質量保存の法則を検証する実験を用意した。時間の許す限り行ってみたい。

実験1: アンモニアの生成
(写真左)
二又試験管の一方に「塩化アンモニウムと水酸化ナトリウム」、もう一方に「水」を入れてからゴム風船をセットする。水を加えてから電子てんびんに載せておけば、アンモニアの発生、質量の変化などが一目瞭然で分かる。

実験2: 二酸化炭素の生成

実験3: 硫酸バリウム
(固体、沈澱物)の生成
→ 昨年度の実践『実験13 硫酸と水酸化バリウムの中和』も参考にして下さい


 <授業の流れ>
 1 質量保存の法則とは

  化学変化の前後で、全体の質量が変わらないことを『質量保存の法則』という。
  ※ 質量=重さと考えても大きな間違いではない
 

  検証実験1: アンモニアの生成
  <実験の理論>
  アンモニアを以下の反応で発生させる
  塩化アンモニウム+ 水酸化ナトリウム→ アンモニア+ 食塩+ 水
  NHCl+ NaOH→ NH+ NaCl+ H
  アンモニアが空気中に逃げれば、その質量だけ軽くなるが、ゴム風船を使ってアンモニアを
  閉じ込めておけば質量は変わらない。
  <試薬・実験装置>
  ・ 塩化アンモニウム3g
  ・ 水酸化ナトリウム3g
  ・ 水3ml
  ・ 二又試験管
  ・ 電子てんびん
  ・ 薬包紙

  <手 順>
塩化アンモニウム
NHCl
水酸化ナトリウム
NaOH


試薬をセットし、試験管を傾けて水を加える
(試薬が水に溶けるまで、反応は始まらない)

電子てんびんに載せる

(約1分後)激しくアンモニアが発生する

<結 果>
 反応が始まると、激しくアンモニアが発生し、実験装置全体の質量がみるみるうちに減少する。上の写真では0.02gしか減少していないが、あるクラスでは下の写真のように平均0.4g減少した。


次に、ゴム風船をつけて同じ実験を行う。
  <結果>
  ・ 激しくアンモニアが発生し、ゴム風船を膨らませる
  ・ しかし、質量は変化しない(質量保存の法則)
  ・ やがて、アンモニアが水に溶けてゴム風船がしぼむ




 ◎ A君の学習プリント


 <評価基準>
 1 自然事象への関心・意欲・態度
  B 学習プリントを正確かつ丁寧にまとめることができる

 2 科学的な思考
  B 質量保存の法則を、アンモニアの生成実験から導き出せる

 3 実験・観察の技能・表現
  A アンモニアが非常に水に溶けやすい性質をもっていることを指摘できる
  A この実験によって発生する熱を指摘できる
  B 塩化アンモニウムと水酸化ナトリウムが反応してできたアンモニアの質量を測定できる

 4 自然事象についての知識・理解
  B 質量保存の法則を理解できる


  授業を終えて
  3つ実験を用意していたけれど、1つで時間いっぱいだった。続きは次回行う。

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