このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 3年(2004年度)です

1 食物連鎖
                   2004 11 1(月)
                   各教室

 今日から3時間完了で、生物界の食物連鎖を学習する。
第1時: 生産者と消費者
第2時: 分解者(土の中の小動物、微生物菌類と細菌類
第3時: 菌類や細菌類による水の浄化、生物濃縮


<授業の流れ>
1 昨日の朝から今日の朝までに食べた生物

 <説明の例>
 「昨日の朝から、今日の朝までに食べたものを紹介して下さい。ただし、家庭科の授業ではないので、料理の名前ではなくて材料になった生物の名前を調べます。健康な生活をしている人は、1日に50種類の食物を食べるそうなので、いくらでもあると思います。」・・・「パンですか。パンでは家庭科になってしまいますので、パンの材料になっている生物と言えば?・・・小麦粉ではなくて・・・そうですね、小麦という植物です。」

<具体的な方法>
時間がある場合: 席順に発表させる
時間がない場合: 好き勝手に発言している料理名を拾い上げる

2 食物連鎖
 生物どうしの食う食われるという関係を、食物連鎖という。
 → 食物連鎖ではなく、植物連鎖と単純な間違いをする生徒が4、5人はいる

生産者: 太陽エネルギーを利用して光合成を行い、有機物を生産する緑色植物
→ 緑色植物ではなく植物、とすればOKです。なぜなら、菌類・細菌類を「その他の生物」として分類するなら、植物の条件として光合成できることが生まれるからです(参考資料:
生物の分類
消費者: 生産者が作った有機物を食べて生活している動物
   → さらに、肉食動物と草食動物に分類する
   → 第1次消費者、第2次消費者という語句は使わないことにする

<生物ピラミッドの説明例>
 「では、みなさんに発表してもらった生物を分類してみましょう。今日は三角形のピラミッドの形にします。ピラミッドの底辺にあたる生物は、食べられるだけの悲しい運命の生物です。逆に、ピラミッドの頂点にある生物は、他の生物に食べられることがなく、食べるだけの強い生物です。ピラミッドの形をしているのは、下になっている生物ほど数がたくさんあることを表わしています。では、このピラミッドを3段に分けてもらいますが、2段めと3段めは点線で分けておいて下さい。」

生産者の説明例>
 「ピラミッドの準備は出来ましたか?・・・みなさん書けたようなので、先ほど発表してもらった生物の中から、最下層の生物、つまり、食べられるだけの生物を探して鉛筆で囲ってみましょう。緑色がある人は、緑色のペンを用意して下さい。この緑色には意味がありますが、それは後から説明します。」・・・「では、上から順に確認します。小麦は?・・・そうですね、小麦が他の生物をむしゃむしゃ食べることはないですから、緑の丸で囲って下さい。次、牛は?・・・そうですね、牛は草を食べますから、丸ではありません。次、豚は?・・・(以下、省略)

 「これで1番下の生物が出そろいましが、これらの共通点は何ですか?・・・そうです、植物です。もう少し詳しく言うと、どんな植物でしょう?・・・ヒントは「緑色」を使ったことです。・・・答えが出ないようなので、ヒントを追加します。植物は、緑色の葉緑体で何をしますか?・・・そうですね、光合成をしています。つまり、これらは光合成をする緑色植物です。教科書ではここまで詳しく分類していませんが、葉緑体を持たず他の生物に寄生したり、他の生物から養分を吸い取っている植物と区別するために「緑色植物」としておきましょう。」→ 緑色植物ではなく「植物」として押えれば良かった。参考資料:生物の分類「では、これらの緑色植物について、教科書にしたがってまとめておきましょう。」
 


消費者の説明例>
 「次に、残された生物を2つに分けてみますが、残された生物が動物であることは分かりますね。とういうことは、動物達はどのように分類されるでしょう?・・・そうですね。草食動物と肉食動物に分類されます。では、皆さんは草食動物と肉食動物の色のペンを用意して下さい。黒板では、草食動物を青、肉食動物を茶で分類します。」・・・「準備はいいでしょうか。では、先程挙げてもらった生物を分類していきましょう。」・・・(中略)・・・「それでは、これらの動物を生物ピラミッドに書き込みます。」・・・「書けたようですね。」・・・「では、生産者と同じように、動物についてもまとめてみます。ここでは、草食動物を肉食動物を一緒にしてまとめることにします。」


3 教科書を読んで確認する

 ・ 本文を読み、重要な部分を確認する
 ・ 食物連鎖の流れ図を確認する
→ 生徒達は、愛らしいペンギンが「シャチ」「アザラシ」「トウゾクカモメ」に食べられる姿を見て、可哀相を連発していた。また、蛇がネズミを食べるのか、ネズミが蛇を食べるのか分かっていないことには驚いた。

4 ニューファウンドランドで絶滅した狼の話
<絶滅するまでの流れ>
1 島の漁師が、食料としてカンジキウサギを輸入した
2 ウサギが、環境に順応して爆発的に増えた
3 山猫が、ウサギを食べて増加した
4 山猫の餌が減り、山猫がトナカイを食べるようになった
5 狼の唯一の餌であるトナカイが減った
6 狼が絶滅した
→ 結果として、うさぎによって狼が絶滅した話には、衝撃を受けていたようだ。

5 感想・発見

  ◎ A君の学習プリント

◎ B君の学習プリント

  ◎ 板書例


<評価基準>
1 自然事象への関心・意欲・態度
 B 最近、自分が食べた生物を5〜9種類あげることができる

2 科学的な思考
 B 生産者と消費者を、食う食われるの関係から思考することができる
 B いろいろな生物の個体数を、生物ピラミッドの位置から推測することができる

3 実験・観察の技能・表現
 B 生物ピラミッドを正しく図示することができる

4 自然事象についての知識・理解
 B 食物連鎖における生産者と消費者のはたらきを正しく説明することができる


授業を終えて

 食物連鎖を生物分野にするべきかどうか迷ったけれど、結局、takaオリジナル分類方法により、『一般分野』に分類した。学習内容を分類することは、私自身とって非常に意味深いものだが、詳細については別ページで考察する。

前時までは天文、今日から一般分野です。

← 前 時
星座早見盤

次 時 →
2 分解者

↑ TOP

[→home
(C) 2004 Fukuchi Takahiro