このページは、Mr.Taka による中学校理科の授業記録 3年(2004年度)です

星座早見盤
                   2004 10 27(水)
                   各教室

 今日で天文分野は終了。テストで点をとる練習をさせようかとも思ったが、理科室にある星座早見盤を触らせることにした。尚、生徒に尋ねたところ、50%の生徒が小学校で学習したことがあると答えていた。なお、星座早見盤の前に、生徒から数多く質問を受けていた『日周運動による鉛筆の影』について説明した。

<おおまかな授業の流れ>
1 日周運動による鉛筆の影
2 星座早見盤の使い方
3 自習
 (練習問題、あるいは、星座早見盤)


<授業で使用した星座早見盤>
スターディスク2000 星座早見
制作:(株)渡辺教具製作所(東京)


◎ 授業の流れ
1 太陽の日周運動による鉛筆の影の動き

 驚くべきことに、生徒は太陽の光で影ができることは知っていても、影の長さが変化することを知らない。季節による変化まで気づいている生徒は少ないとしても、朝夕と昼の違いは当然知っているものとして授業を展開したが、約3割が知らなかった。そこで、次のクラスからは、影の長さの変化を確認する作業から始めた。

<説明の例1>
 「みなさんは太陽の光で影ができることは知っていますね。さて、いきなり質問ですが、前のクラスで知らない人がいて吃驚したので皆さんにも聞いてみます。質問、朝と昼で影の長さを比較した場合、影の長さが長くなるのは朝ですか?昼ですか?それとも、同じですか?三択で答えて下さい。」・・・「次の問題はちょっと難しいですが、これも常識問題です。夏と冬の影の長さを比較した場合、どちらの方が長くなりますか?夏も冬も、昼12時で比較することにしましょう。」

(上:Aさんの学習プリント)


<説明の例2>
 「では、鉛筆を1本立て下さい。そして、太陽が左上にあるとすると、鉛筆の先端の影はどこにできますか?・・・そうですね。右下にできます。ここまでは簡単です。今日のポイントは、太陽の動きによる影の変化ですから、まず、朝の太陽と影を書いてみましょう。立体的にしますので、先生が黒板に書く順序(右の流れ図)を良く見て、同じように書いて下さい。」



「皆さん何とか書けたようですね。このように、太陽が真東から昇り、真西に沈むときは、影が直線になります。しかし、こんな特別な影ができる日は、1年に2日間しかありません。それらの日がいつか分かりますか?・・・そうですね、春分と秋分の日です。」

 「さて、他の364日は直線ではなく曲線になりますが、詳しい説明をすると大変なので、結論だけ紹介します。まず、冬至の日は、太陽の影の長さが?・・・春秋より長くなり、そして、朝晩の影の長さが?・・・より長くなるので、黒板のような曲線になります。また、夏至の日は、太陽の影の長さが?・・・春秋より短くなり、そして、朝晩の影の長さが?・・・より短くなるので、黒板のような曲線になります。」


(上:完成した鉛筆の先端の影)

2 星座早見盤の使い方
<手順>
 1) 生徒全員に、星座早見盤を1つずつ配付する
 2) 次の3点を確認する
  ・ 早見盤の中心が『北極星』であること
  ・ 北極星の位置は、北緯35度(名古屋)に設定されている
  ・ 早見盤を回転させると、いろいろな星座を見ることができるが、一度には全部見れない
 3) 代表的な星が観測できる日時を調べさせる

<説明の例>
 「全天で1番明るい星を探しましょう。そして、その星が何月何日の夜0時に南中するか調べます。」「はじめて使う人には難しいので、プリントに調べる内容を書いてから、先生と一緒に星座盤を動かすことにします。」

(上:『シリウス』と『1月1日』は空欄にしておく)


 「書けたようですね。さあ、全天1番明るい星は?・・・金星も1番になる時がありますが、今日は太陽の周りを公転する惑星ではなく、宇宙空間でボーボーと燃え盛る恒星を答え下さい。それは?・・・そうですね、シリウスです。みなさん、シリウスを探して下さい。ありましたか?」
  
 「シリウスはとても明るい星で、冬の大三角形の1つです。大犬座の1等星です。・・・見つけたら、星座盤の中心にある赤い線上にピタリと合わせて下さい。この赤い線が何を表わしているか確認すると、赤い線の下側にSと書いてありますが、Sとは何ですか?・・・そうですね、南です。すると、赤い線の上側にあるNは何ですか?・・・そうです、北です。ということは、赤い線上にシリウスを一致させることは、大空の南北の直線上にシリウスを一致させることになるので、つまり、シリウスを南中させることになります。真南で、1番空高く昇っている状態ですね。」 「そして、次に調べてもらうのは、星座盤の縁に書いてある時間です。今、調べてもらっているのは夜0時ですから、0hと書いてあるところの月日が答になります。何月何日になっていますか?・・・そうですね、何と偶然なことに1月1日になっています。ですから、お正月の初詣でに出掛けたとき、夜0時に南の空を見て下さい。あなたの正面に1番明るく輝いているその星がシリウスです。」
 → 星座早見盤を拡大する(120K)


 

◎ Aさんの学習プリント


◎ 授業途中の黒板



<評価基準>
1 自然事象への関心・意欲・態度
 B 正確かつ丁寧に学習プリントをまとめることができる

2 科学的な思考
 B 星座早見盤の仕組みを正しく説明することができる

3 実験・観察の技能・表現
 B 星座早見盤を使って、いろいろな星が南中する月日を調べることができる

4 自然事象についての知識・理解
 B 星座早見盤によって、いろいろな星が南中する月日を調べられることを理解できる


授業を終えて
 今日で天文分野が終わった。中間テストを終えて、天文に関するビデオに高い興味関心を示していることが分かったが、生憎本校にはビデオが2本しかない。しかも、そのうち1本は20年以上前のもので本当に古臭く面白くない。事前に準備して、最新の美しい映像をたくさん見せてやりたかった

 大きな収穫としては、10月14日の部分日食が肉眼で観察できたことが挙げれれる。

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