このページは『3年(2011年度)<Mr.Taka 中学校理科の授業記録』です |
3 日本から見た天体の日周運動
2011年11月中旬、普通教室天体の1日の動きを調べます。ポイントは、宇宙から見た動きと地球から見た動きの違いです。いずれも、天体が天球上を動く天動説の図を使って考えますが、観察する位置によって見え方が変わることを抑えます。なお、この授業実践は、7年前の記録『星の日周運動(3年)2004年』によくまとまてあるので、そちらをご覧ください。本ぺージは今年のメモです。
本時の目的
(1) 天体の日周運動を正しく図示する
(2) 東西南北の星の日周運動を正しく図示する
(3) 星の日周運動を正しく理解する授業の流れ
1 天球図に東西南北、北極星、地軸を書く
2 星の日周運動を書く
3 星の日周運動をまとめる
4 北天の日周運動を図示する
(1)地平線、観測者、北極星を書く
(2)カシオペア座、北斗七星を書く
(3)北極星を中心をする回転方向を考える
(4)天球図(宇宙から見た図)と地上から見た図を関連させる
(5)東から西へ動くことをまとめる
5 西天の日周運動をまとめる
※天球図と地上から見た図と一致している→ 全員正解
6 南天の日周運動をまとめる
※ちょっと難しい→ 今日の授業の山場の手前
7 東天の日周運動をまとめる
※一番難しい→ 今日の授業の頂上
(1)星の動きを記号ア〜クから選ばせる
(2)代表生徒に、その説明をさせる
(3)各自で、星の動きをまとめる
8 本時のめとめ
授業メモ
上:板書。初めに、左図で天体の日周運動をまとめる。次に、右図で北天の日周運動をまとめる。
上:北天の動きをまとめたAさんの学習プリント。北は、北極星を中心に1日に1回転するように見える。回転する方向は、反時計回りである。しかし、考え方は『東から西へ』とした方がよい。この考えを使うと、東西南北すべての方位の星の動きを統一して理解できるからである。つまり、星の日周運動(星が1日1回転しているようにみえること)の原因は地球の自転(地球が1日1回転すること)なので、すべて同じ方向になる。しかし、これは宇宙から地球を見た場合なので、地上から見た図を考えるときは東西南北に注意する。北を向いたときは右=西、左=東。南を向いたときは右=東、左=西。
上:西、南、東の空の順に、クイズ形式で星の動きをまとめる。ここでは、南天の星の動きを記号ア〜クから選ばせている。
上:南天の星の動きは、真南に来たときに一瞬真横(西)へ動くことを説明する。
上:東天の星の動きを説明する生徒。東の空は一番難しい。もちろん、北の空も難しいが、これは授業の初めに教師がまとめておく。
上:東天の星の動きを、別な方法で説明する生徒。彼の方法は、(1)3つの方位(東、南、西)の星の動きをまとめ書く、(2)それを別々に切り離す、である。この方法を思いつく生徒は約20%いるが、友達の前で説明できる生徒は5%程度。また、生徒にこの方法を思いつかせる方法は、南天の星の動きの解説方法で決まる。「南の星は、右に動きます。この問題は、真南にある星の動きですから、それまでの流れを考えると、東から西へ大きな曲線を描いて動く、そのちょうど真ん中なので、真横になるわけです。」上2枚:自分の考え方を自分の言葉でまとめる生徒達。画像をクリックすると拡大。
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上:Bさんのまとめ
授業を終えて
天体の動きの学習は、自分の言葉でまとめさせる時間を10分程度とっています。私の説明はできるだけ少なくし、代表生徒に説明させます。「へたな表現でも、樹分の言葉で書くことが大切です」、「途中までで良いので書いてみなさい」、「A君にもう一度説明してもらいましょう。A君お願いします」などと声をかけます。必要に応じて、私が板書することもありますが、最小限度のキーワードにとどめることで、生徒は自分の言葉で記述できるようになっていきます。このような授業は、ざっと10回ぐらいあります。それが終了する頃には、生徒の記述する能力はかなり上がっているものと予想されます。なお、授業の流れは7年前の記録『星の日周運動(3年)2004年』によくまとまてあるので、そちらをご覧ください。
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