このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 年(2017年度)です

第3時
動物とは何か!

2017 4 19(水)、20(木)
普通教室

はじめに
 今日からしばらく普通教室での授業になります。机上思考を楽しみたいと思います。

関連ページ
いろいろな動物(1年、2020年)
中学生のための分類方法 (2005年公開)


上:生徒の発表を分類した板書(A組)


本時の目標
・動物とは何か、考察する

準 備

生 徒 教 師
  • 教科書
  • 理科便覧
  • ファイル
  • 本日の学習プリント(1 /人)

授業の流れ
(1)本時の授業内容の紹介 (1分)

(2)動物とは何か? (20分〜25分)
 「2年生は、動物の学習をしますが、動物とは何でしょう? これは教科書に答えが載っていない、とても面白い問題です。1年で学習した植物との違いがわかるように説明してみましょう。しばらく時間を取りますので、自分の考えをプリントに書いてください。そして、発表したい人は黒板に書きにきてください。(黒板の中央に縦線を1本書いてから)黒板の左側は男子、右側は女子とします。制限時間は、教室の時計で○時△△分(約8分)とします。誰も思いつかないようなユニークな視点、あるいは、動物の本質に迫る考え方には特別ポイントを差し上げますので、積極的に参加してください。それでは、始め!」

===8分後===

 「それでは、1つずつ分析していきましょう。動物だけに関するものは赤丸動物と植物に共通するものには緑丸ちょっとなあというものには白丸をつけていきます。したがって、特別ポイントの可能性が一番高いものは赤丸がついたものですが、赤丸全てがポイントになるわけではありませんし、黄色や白色でもポイントになることもあります。では、1つずつ見ていきましょう」


上:生徒の発表を分類した板書(A組)


上:生徒の発表を分類した板書(B組)

C組の発表を分類するとき
上:生徒の発表を分類した板書(C組)

動物だけ:赤丸
動物と植物に共通:緑丸
ちょっとなあというもの:白丸

以下は実際の授業とは違いますが、雰囲気だけを少しどうぞ!

 「細胞がある。これは前回学習したように動植物共通なので緑です」

 「感情がある。これは感情が何であるのか、定義が不明瞭なので白です。植物にも感情があるかも知れないし、動物にも感情を感じないものがあります」

 「受精して繁殖するもの。これは緑です。花粉症の人はよくわかると思いますが、季節になると種子植物は花粉を飛ばして受精をします。詳しくは3年生で学習しますのでお楽しみに!」

 「骨がある。これはとりあえず赤にしておきますが、植物に堅い細胞壁があることは前回教えた通りですし、ミミズやクラゲには骨がありません。•••」

 「以上で一通り分類を終えましたが、新しい考えが浮かんだ人は挙手で発表してください。発表のチャンスは2回とします。それでは、第1回目のチャンスです。発表したい人は挙手してください。(生徒が5人挙手したら)それでは、左前から1番、2番、3番、4番、5番とします。順に発表してもらいます。では、1番のA君お願いします」

 A君の答えを板書すると同時に、色分けします。何色にするかは、学級全体に問いかけてください。正確な答えをしてくれるでしょう。また、ユニークな答えかどうかの判断は微妙ですが、先生の直感にしたがってください。迷うようなら、学級全体に問いかけてください。特別ポイントに相応しければ無言の納得顔がたくさん見られ、相応しくなければその理由を誰かが答えるでしょう。

 「次に、先生が考える動物の定義を紹介します。これは先生の考えなので他の先生や学者は違う考えをするかも知れません。動物は、他の生物を自分の体内でどろどろに溶かしてから吸収する生物、と板書してから)先生はこのように考えています」

なお、生徒から「ウツボカズラや食虫植物も同じように消化していると思います」という質問が出た場合は、次のように応えます。

 「食虫植物も同じように、他の生物をどろどろに溶かしてから吸収しますが、太陽が十分にある場合は光合成だけで生きていくことができます。したがって、し食虫植物を含む植物の本質は、光合成によって自分で栄養分をつくることであり、動物のように他の生物を食べることではありません」

(3)生物を3つに分類する (5分〜10分)
 生物を動物、植物、菌の3つに分類します。学習プリントに印刷しておいた『生物の系統樹』に語句を書き込むようにします。説明のポイントは、植物が他の2つと隔絶していること、動物と菌が比較的近いことです。

 「菌は3年生で詳しく学習しますが、他の生物をどろどろに溶かして吸収するという点で動物と同じです。菌には大腸菌、ビフィズス菌、納豆菌などたくさんの種類がありますが、これらは汚いものばかりではありません。人にとってとても有益なものをつくるものもあります。逆に、人の体内にはどろどろに溶かされた生物があり、下痢をしたり嘔吐したりするとそれらが出てきます。それを汚いと感じるかどうかはあなたの自由ですが、私はそれらから栄養分を取り込むことで成長し、生きていることを忘れないでください」

(4)本時の感想、考察 (5分)
 「では、本日の授業はこれまで! 感想や気づいたことを書きなさい。先ほど発表できなかったりポイントをもらえなかった人も大丈夫です。先生がプリントを読ませてもらいますので、しっかり書いておいてください。同じように評価しますのでご安心を!」


授業を終えて
 クラスによって飛び出す意見はさまざまです。明らかな間違いが出ることもありますが、真面目に考えているものであれば、きちんと取り上げてください。すべてについて先生が分類するひつようはありません。子どもたちに考えさせることの方が重要であり、有効です。

「A君の考えを賛成したり補足説明したりしてくれる人、あるいは、反対で理由を発表できる人はいませんか」

関連ページ
いろいろな動物(1年、2020年)
中学生のための分類方法 (2005年公開)

実践ビジュアル教科書『中学理科の生物学

第1章 生命とは何か  地球は生命で満ちあふれている p.6-p.7
 自己増殖するウィルス p.9
第8章 進化と分類  生物を5つの仲間に分ける p.150-p.151

第2時 ←
観察2 ハタケニラの葉
動物細胞と植物細胞の比較

→ 第4時
観察4 水中の微生物を
単細胞生物と多細胞生物に分類する
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