このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 年(2017年度)です

第13時
観察13 体をつくる材料を管理する肝臓

2017 5 23(火)、24(水)
普通教室

はじめに
 とても重要なことを『かんじんかなめ』といいます。『かんじん』を漢字にすると『肝心』、あるいは、『肝腎』になります。どちらにしても、肝臓は外せない重要な存在のようです。

 肝心は『肝臓』と『心臓』です。『きも』と『こころ』の意味に使われることもあります。肝臓と心臓を比べると、心臓の方が有名で、肝臓のはたらきはあまり知られていません。肝臓がたくさんの重要な仕事をしていることは、『沈黙の臓器』という言葉からもうかがえます。内蔵の多くは自覚症状を強く訴えませんが、肝臓は仕事の量と質の多さから考えると、まさに『沈黙』がふさわしいものです。予断ですが、私は沈黙という言葉に惹かれます。

 肝腎は『肝臓』と『腎臓』です。腎臓については次時『じん臓のはたらき』で学習します。


上:肝動脈、を発表する生徒


本時の目標
・肝臓のつくりやはたらきについて知り、理解する
・胆汁と胆のうについて、正しく理解する
・ヒトの5大栄養素(家庭科)を確認する

準 備

生 徒 教 師
  • 教科書
  • 理科便覧
  • ファイル
  • 本日の学習プリント(1 /人)

授業の流れ
(1)本時の授業内容の紹介 (1分)

(2)肝臓、レバーの紹介(3分〜5分)
 「肝臓を英語で何というか、知っていますか? ・・・その通り、レバーです。では、レバーが好きな人はどれぐらいるでしょう。レバーは好き嫌いがはっきりしている食べ物の1つですが、実は、動物界では一番美味しい部分の1つです。では、みなさんに聞きます。レバーが好きな人! ・・・あ’’ ー、えっと7人しかいない。これは残念な結果ですね。好きな人は美味しいレバーを食べたことがある人だと思いますが、そうでないひとは残念ながら古く、傷んだ、つまり、腐敗したレバーしか食べた経験がないのだと思います。新鮮なレバーは栄養があり、とても美味しいものです」

 「みなさんはライオンを知っていますか。百獣の王といわれるライオンです。ライオンが獲物を倒したとき、どこから食べるか知っていますか。・・・肉ではありません。ヒレ肉でももも肉でもありません。肝臓、レバーを食べます。レバーは内蔵の中でも大きいものなので、それでお腹がいっぱいになったなら、他の肉は食べません。百獣の王にとって、肉は美味しいものはないのでしょう」

 「レバーが嫌いな人には理由があります。不味いからです。不味い理由は腐っているからです。腐っている理由は、高級だからです。栄養価が高く、微生物がすぐに食べてしまうからです。すぐに傷んでしまう高級食材にはフォアグラ(アヒルやガチョウなど)、ウニ、カニミソなどがあります。これらも肝臓そのものです。レバーが嫌いな人は、ぜひとも新鮮なものを食べてくださいね。大人になってから、恥ずかしい思いをしなくてすみます」


上:Aさんの学習プリント

(3)自分の肝臓を確かめる (3分)
 「肝臓はとても大きな臓器です。体重60kgの人なら、1kgぐらいになります。牛乳パック1個ぶんです。かなり大きいでしょ! では、牛乳パックをイメージしもらいます。(手でだいたいの大きさを作りながら)これぐらい、ですね。これが、みなさんのお腹の中に入っています」

 「どこにあるかというと、横隔膜のすぐ下にあります。一番下の肋骨のあたりです。左右は『心臓の反対側』なので、右です。(先ほど手でつくった牛乳パックのイメージを、肝臓の位置に当てながら)ここにあります。みなさんも置いてみてください」

 「次に、肝臓を軽く叩いてみましょう。肝臓を強く叩くと激痛が走り、ぶっ倒れますの注意してください。格闘技が好きな人はボディーブローという言葉を知っていると思いますが、肝臓の位置を正確に強打されると、簡単にノックダウンします。あれ、嘘じゃない! と思うほどあっさり倒れ、痛さで立てなくなります。ということで、軽く、叩いてみてください。では、4本の指を真っすぐに伸ばして、その先端で突くようにしてください。軽くですよ! 肝臓のない左側から突き、中央、そして、右側へと試していきます。こんな感じです。(先生が左から右へと、突きながら)ほ、ほ、ほぉ、ぉ、・、おイテー、痛てー、痛てー、やめてー、あ、あ、完全に右横にいくと大丈夫みたい」

 「わからなかった人がいるようなので、こんどは拳で軽く叩いていきましょう」

 「あ、そうそう、『みぞおち』の紹介を忘れました。みぞおちは、(こぶしでみぞおちを叩きながら)みぞおちは、ココです。。イテ! イテ! イテ! はまると、痛いですねみぞおちは神経が集中している部分で、とくべつな内蔵があるわけではありません。いわゆる『つぼ』、神経の集まりの1つです。内蔵である『肝臓』とは、違う痛さなので、自分で叩いて確認してください」

(4)肝臓のはたらき、そして、つくり (10分)
 肝臓はたくさんの働いています。初めに『はたらき』を紹介してから、『つくり』を説明すると良いでしょう

肝臓の主なはたらき
1)胆汁をつくる(胆汁は胆嚢にためておく)
2)養分を蓄える(グリコーゲンという養分にする)
3)有害なものを解毒する
 例1)アンモニア→ 尿素
 例2)アルコール→ 水+二酸化炭素


上:Kさんの学習プリント

肝臓の主なつくり
1)胆汁をためる袋『胆嚢』が隣接している
2)心臓と直結する太い血管『肝動脈』と『肝静脈』がある
3)栄養分や不要物が集まる太い血管『門脈』が直結する
4)いくつかの部分に分かれている


上:肝臓を解説するための板書

門脈について
(1)とても太い血管
(2)肝臓に入る血管(静脈のようなもの
(3)肝臓に入る血管は、門脈(70%)と肝動脈(30%)
(4)肝臓から出る血管は、肝静脈(100%)のみ
(5)肝動脈と肝静脈は、心臓につながる
(6)門脈の末端は、小腸の毛細血管(豊富な栄養分)&脾臓(不要物)
 →門脈は、いろいろな消化器官や内蔵から、血液を集めてくる
 →門脈の血液はゆっくりと、しかし、大量に流れ込んでくる

:小腸で吸収された栄養分、脾臓で壊された赤血球などの不要物

(4)5大栄養素 (5分〜10分)
 家庭科で学習する方法で、栄養素をまとめます。

(5)本時の感想、考察 (5分)

===

Kさんの学習プリント


授業を終えて
 も

note:生徒と先生の会話
 電

関連ページ
観察15 腎臓と肝臓2年(2003年)
肝臓と腎臓2年(2000年)

実践ビジュアル教科書『中学理科の生物学

第4章 食べることと恒常性  体をつくる材料を管理する『肝臓』 p.77

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