このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 年(2017年度)です

第16時
観察16 ヒトの感覚器官A 耳

2017 5 30(火)、31(水)
普通教室

はじめに
学習内容については、別ページ『観察4 耳2年(2003年)』をご覧ください。


上:Kさんの学習プリント


本時の目標
・耳のつくりをスケッチする
・耳は3つの刺激(空気の振動、バランス、重力&加速度)を受け取ることを理解する
・目を閉じたまま立っていられる時間を計ることで、平衡感覚を保ち、立っているための仕組みを体感する

準 備

生 徒 教 師
  • 教科書
  • 理科便覧
  • ファイル
  • 本日の学習プリント(1 /人)

授業の流れ
(1)本時の授業内容の紹介 (1分)

(2)耳のはたらき(3分〜5分)
 耳は何かするところですか、と発問すると、「音を聞く」という答えが返って来ます。その他に2つの重要なはたらきがあることを紹介してください。

(3)耳のつくり (20分〜25分)
 ポイントは以下の通り。

  1. 耳は外耳、中耳、内耳の3つにわけられる
  2. 外耳は、耳殻から鼓膜まで
  3. 耳殻は、音を集めるはたらきがある
  4. 耳殻を動かすことができる人がいる(ウサギやシカなどの草食動物に多い)

  5. 外耳道には、耳あかがたまる
  6. 耳あかは、ゴミ&分泌物&死んだ細胞の混合物
  7. 耳あかには防虫効果があるので、完全に除去すると虫が入りやすい

  8. 鼓膜は、空気の振動を受け取る膜
  9. 鼓膜は、特別な細胞からできている
  10. 鼓膜は破れても、中学生までなら再生する可能性が高い


    上:A組での板書

  11. 中耳には、耳小骨がある
  12. 耳小骨のはたらきは、鼓膜の振動を内耳へ伝えること
  13. 耳小骨は、3つの骨からできており、振動量を調節することができる
  14. ヘッドホンなどで大音量を聞き続けると、耳小骨を痛める

  15. 中耳には、空気がある
  16. 中耳は、鼻とつながっている
  17. 中耳と外耳の空気圧が違うと、耳がぼーん、きーん、とする
  18. 14の症状は、あくび、鼻をつまんでふんっ、耳小骨を動かすことで解消する
  19. 中耳に鼻水などが入ると、中耳炎になることがある


    上:B組での板書

  20. 内耳は体内、と考えてよい
  21. 内耳には、『うずまき管』『前庭』『三半規管』という3つの感覚器官がある
  22. 3つの感覚器官は、聴神経で脳とつながっている
  23. 『うずまき管』は振動(音)を電気信号に変える
  24. 『前庭』はバランスを電気信号に変える
  25. 『三半規管』は3次元(縦横奥行き)の重力・加速度を電気信号に変える
  26. 3つの感覚器官の中には、感覚細胞があり、その細胞にはが生えている
  27. 老化すると、毛が抜ける

(3)バランス感覚を確かめる実験(15分)
 楽しい実験なので、是非、実践してください。方法は以下の通りです。

  1. 全員起立
  2. 目を開け、時計の秒針をみる
  3. 秒針が0になったら、片足を上げる
  4. 何秒立っていられるか、各自で測定する
  5. ただし、60秒経過したら強制終了
    → 前庭、目、足の裏が脳へ情報を送る

    立っている時の条件
    (1)裸足でも靴下でも上履きでもよい
    (2)ただし、足の裏が動いたら終了!
    (3)体の一部(手、腕、太ももなど)が机や椅子に触れたら終了!
     ※(3)はとても重要で、体の一部分が少しでも他のものに触れていると、触れている部分のセンサーが大脳に情報を送り、簡単に立っていることができる。この違いは、目を閉じたときにとても明確になるので、わざと体の一部分を触れされるようにして計測させる方法もある。

  6. 上記1〜5を、もう一方の足で行う
    → 前庭、目、もう一方の足の裏が脳へ情報を送る

  7. 全員起立
  8. 目を閉じる
  9. 先生の合図で、片足を上げる
  10. 足の裏が動いたり、体がどこか他のものに触れたら目を開ける
  11. 座る
  12. 先生から告げられた時間を、記録する
  13. まだ立っている友だちを見守る
    → 前庭、足の裏が脳へ情報を送る

  14. 上記7〜13を、もう一方の足で行う
    → 前庭、目もう一方の足の裏が脳へ情報を送る

(4) 本時の感想、考察 (5分)
 (3)の実習を行うと、バランスは『耳(前庭)』と『目』からの情報を使っていることがわかります。私は小学校低学年の時に自動車にはねられ、頭を打ちました。その時は気づかなかったのですが、バランス感覚が悪いのはその事故が原因ではないかと思います。目を閉じると、途端に倒れてしまうからです。逆に、ジェットコースターや絶叫系乗りものは大好きです。乗り物酔いもしません。これは、前庭や三半規管のセンサーが十分に機能していないからではないか、と推測しています。一長一短ということですね。


上:Kさんの学習プリント(クリックすると拡大します)

(5) 次時のおしらせ(5分)
 次の時間は、感覚器官の最後の授業です。鼻、舌、皮膚の3つを調べますが、舌と皮膚で実権をします。舌のいろいろな部分に調味料(食べ物)


授業を終えて
 片足で立つ実験は、感覚器→ 神経→ 脳(情報処理)→ 筋肉、という一連の流れ、および、筋肉からのフィードバックを体感できるものです。簡単、かつ、面白いだでけなく、実験中に思考したり計算したりするものです。実験後の考察の幅広くなりやすいものなので、本当にお勧めの1品です!

関連ページ
観察4 耳2年(2003年)
骨格と筋肉、感覚器2年(2000年)

実践ビジュアル教科書『中学理科の生物学

第3章 動物が動くしくみ  動くためのステップ p.46
 音とバランスを感じる耳 p.52-p.53

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ヒトの感覚器官@目

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ヒトの感覚器官B鼻、舌、皮膚
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