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第68時
観測16 台 風
2017 12 11(月)、13(水)
普通教室はじめに
低気圧と台風の違いを知っていますか? 台風は周囲よりも気圧が低いので『低気圧』の仲間ですが、一般的な低気圧と何が違うのでしょう。そもそも、一般的な低気圧とは何でしょう??ということで、前時『観測15よく見かける温帯低気圧』で一般的な低気圧を学習しています。日本で低気圧といえば、寒冷前線と温暖前線を伴うもので、雨を降らせる原因になっているものです。これに対して、台風は同じように雨を降らせますが、いくつかの点で違います。下表1は両者の共通点と相違点をまとめたものです。
表1:低気圧と台風の比較
低気圧
(前 時)台 風
(本 時)温帯低気圧 由 来 熱低低気圧が発達したもの 温帯(日本) 発生場所 熱帯(フィリピン) 寒冷前線と温暖前線
→ 閉塞前線前 線 な し 寒気と暖気 温 度 高エネルギーの暖気だけ 特に問題にしない 湿 度 ほぼ100%(海上でできるので) 特に問題にしない 風 速 最大風速17m/以上
(それ以下は熱低低気圧)決まっている 雨 域 たくさん あまりない 暴風域 よくある(風速25m/秒以上) 1年中できる 季 節 1年中できるが、
日本に来るのは夏〜秋西から東へ
(偏西風)進 路 不明瞭
(低緯度:貿易風,中緯度:偏西風)過去の授業記録を読み返すと、台風だけで1時間確保し始めたのは5年ほど前です。台風による暴風雨被害は昔からありましたが、最近は大雨による甚大な被害が増えています。台風の特徴を知り、適切な判断ができる大人になって欲しいと思います。
自然災害について脱線すると、名古屋では地震に備える必要はありません。過去にどれだけの被害があったのか調べれば、その地域がどれだけの被害が出るのかわかります。名古屋は大丈夫です。歴史がそれを証明しています。歴史が未来を予測させてくれます。最近、政府は、自ら主導した『東海沖地震』が予測不能であることを認めましたが、すぐに『南海トラフ地震』の予測を出しています。残念ながら、この予測も数10年以内に取り下げられることが予測されます。私は、不確実な信頼性の低いデータから不安を煽るような予測する者はエセ科学者である、と言わざると得ないと思います。
逆に、名古屋は1959年の伊勢湾台風で甚大な自然災害を被っています。その後も、台風による甚大な水被害が出ています。科学が事実にもとづくものであるとするなら、名古屋は地震による災害に備えるのではなく、水による災害に備えるべきです。限られた防災予算は適切に使うべきです。政府主導の不確実な現在データによる未来予想図に惑わさせることなく、国民一人ひとりが地元の歴史と事実から未来を予測することが必要です。信頼すべきものはデータではなく人であることは、今も昔もかわりません。
教育者としての私は、子どもたちに『自ら科学的に思考・判断できる大人になって欲しい』と心から願っています。 それは信頼おける人を選択する力、ともいえます。
図1:本時の学習プリント(クリックすると拡大します)
本時の目標
・台風について理解する
・台風や自然災害を科学的に予測できる力を身につける準 備
生 徒 教 師
- 教科書
- 理科便覧
- ファイル
- 本日の学習プリント(1 /人)
授業の流れ
(1)本時の授業内容の紹介 (1分)(2)本日の天気図 (10分〜15分)
台風そのものについては比較的簡単な内容なので、本日及び近々の天気図を使ってタイムリーな復習をすると良いでしょう。実体験と理解が深まってきた天気図を一致させてみてください。(3)台風の紹介 (20分〜25分)
紹介内容は上表1、および、下図3、4を参考にしてください。
図3:台風に関するまとめ (クリックすると拡大します)
図4:同上(クリックすると拡大します)
指導上のポイント
1)台風の写真を見て、その雲の向きのイメージをしっかり固定させる
2)雲の向きは、北半球(日本)は反時計回り
3)南半球は逆になるが、ここで触れてもふれなくても良い
4)同心円、という語句は数学で学習しているはずであるが、確認する
5)台風の目に入った経験がある生徒がいるか、聞いてみる
6)台風に関する特別な経験がある生徒をの体験談を引き出す
7)台風は自らの力で動くことはしない
8)台風は偏西風に流されたり、気圧と気圧の谷の間を流れていったりする
9)台風は巨大なエネルギーの塊
10)エネルギー源は、海から出た水蒸気の熱エネルギー
11)海上にいるときはエネルギーを増加させ、上陸すると失う(4)本時の感想、考察 (5分)
授業を終えて
甚大な被害を経験して傷ついている子どもがいるかもしれないので、事前調査をしたり、あるいは、授業中の様子をよく見ながら展開していきましょう。実践ビジュアル教科書『中学理科の地学』
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