このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 年(2017年度)です

第94時

実習22 左手と右手の法則

2018 3 2(金)、8(木)
理科室

はじめに
 本時で、左手と右手の法則が終わります。足掛け7時間の学習でした。最終日のポイントは、(1)左手の法則と右手の法則は同じように使えること、(2)視点を変えた図に惑わされないようにすること、です。


図1:本時の学習プリント(クリックすると拡大します)


本時の目標
・電気ブランコの動く方向を、右手の法則で説明する
・左手の法則と右手の法則は同じように使えることを理解する
・視点を変えた図に惑わされないようにする

準 備

生 徒 教 師
  • 教科書
  • 理科便覧
  • ファイル
  • 本日の学習プリント(1 /人)

授業の流れ
(1)本時の授業内容の紹介 (1分)

(2)電気ブランコ(左手の法則)の復習 (10分)
 電気ブランコを使って、前時『実験21 左手の法則』の復習をします。ブランコが動く方向を考えるときのポイントは、ブランコの中心に『点』を打つことです。そして、その点が中心となるように『フレミングの左手』を当てはめることでした。


図2:電気ブランコ(左手の法則)の復習に関する板書

 図2左は、電気ブランコの中心点における『電磁力』を示しています。図2右の立方体は、その『電磁力』の関係を示すためのものです。

(3)『右手の法則』から『力』を求める (15分〜25分)
 この(3)は本時の中心となる部分です。生徒の様子をみて、必要なら十分な時間をかけてください。ただし、先生による説明は1回にとどめます。2回めは、理解できた生徒を教壇に招き、先生は教室横からサポートします。

右手の法則から左手の法則へ、の説明手順
 電気ブランコの動く方向は、右手の法則でも説明することができます。右手の法則には『力』がありませんが、磁界によって説明することができるのです。以下に、7つのステップに分けた説明方法を紹介します。

ステップ1磁石の中央にある直線に注目する
ステップ2:その直線がつくる磁界を『右手の法則』で調べる
      →(図3)


図3:磁石中央にある直線を流れる電流がつくる磁界

ここで、いったん右手の法則から離れて、

ステップ3:ブランコをはさむ永久磁石について考える
ステップ4:永久磁石がつくる磁界の向きを図示する
      →(図4)


図4:電流による磁界、および、磁石による磁界

ステップ5:電流による磁界磁石による磁界の向きを合わせる
ステップ6:『同向きなら強くなり、逆向きなら弱くなる』
       と考える
ステップ7:『ブランコは、強い方から弱い方へ動く』
       と考える


図5:別学級における板書(クリックすると拡大します)

以上です。

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以下の内容は、中学生に教えないでください! 混乱を招く原因になります。とくに教科書出版社の方にお願いします。

磁界場、電界と電場
→ 私は専門外なのでその違いを詳しく説明できませんが、、、
(1)磁界という言葉は、高校になるとになります。
(2)電界電場という言葉は、中学で使いません。それらは高校になると、あまり区別することなく使うようです。

 ここで、ステップ1〜7を磁界という語句を使って分類すると、次のようになります。

ステップ1-2は、電流による
ステップ3-4は、磁石による磁界
ステップ5-7は、磁界を同じ現象として考える


図6:別学級における板書(クリックすると拡大します)

(4)右手の法則の復習 (分〜分)
 2時間の『実習20 右手の法則』を同じです。繰り返しまとめることで、定着をはかります。


図7:右手の法則に関するまとめ(クリックすると拡大します)

視点を変えた同じ模式図
 下図8は、 同じ現象を表したものです。違うように見えるのは、視点が違うからです。左は『斜め上』、中央と右は『斜め下』から見たものです。


図8:視点を変えた同じ模式図(図7の右半分)

 下図9にある模式図6つについても、すべて同じ現象を示したものです。


図9:左から右へ流れる電流がつくる磁界の模式図

(5)本時の感想、考察 (5分)


授業を終えて
 左手と右手の法則、電磁力の学習は本時で1つの区切りになります。次の時間は、モーターを作りに励みます。本時までの内容を理解できているなら、モーターの回転方向を指摘できます。さらに、高性能モーターをつくるための様々な工夫ができるはずです。楽しみ〜!

実践ビジュアル教科書『中学理科の物理学

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