このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 年(2017年度)です

第93時

実験21 左手の法則

2018 2 28(水)、3 2(金)
理科室

はじめに
 右手の法則は4時間使いましたが、左手の法則は2時間です。本時はその1時間めです。

 フレミングの左手の法則は、指を独特の形にすることから、印象深いものになっています。大人の読者のみなさんの中にも、指3本を直角に曲げてつくる形を覚えていらっしゃる方もいると思います。ただし、間違えてはいけないのは、右手ではなく左手を使うことです。右手にすると、答えが反対になります。

関連ページ
実験13 左手の法則
2年(2003年)
実験10 磁界から電流が受ける力
2年(2000年)


図1:本時の学習プリント(クリックすると拡大します)


本時の目標
・フレミングの左手の法則を知り、使い方を理解する
・電流、磁界、力の関係を理解する
・電気ブランコの考え方を理解する

準 備

生 徒 教 師
  • 教科書
  • 理科便覧
  • ファイル
  • 本日の学習プリント(1 /人)

授業の流れ
(1)本時の授業内容の紹介 (1分)

(2)フレミングに左手の紹介 (10分)
 電流と磁界と力の関係は、イギリスの物理学者フレミングによる『フレミングの左手』によって説明できることを紹介します。


図2:フレミングに左手に関する板書

 図2のように板書します。ポイントは、3色で色分けすることです。できればマーカーペンを使わせてください。この後、そのペンで自分の指を塗るからです。

 覚え方は、人差し指から順に『電・磁・力(でん・じ・りょく)』です。親指は一番強いので『力』、と覚えさせます。

 3本の指はそれぞれ直交させますが、作り方の順序を間違えると、不自然な形ができます。もともとフレミングに左手は見慣れない形なので、初めての生徒は気づかないこともあるので、全員そろってきちんと教えてください。

 「左手を挙げてください。どれどれ、・・・、あれ、右手を出している人が2人います。左手にしなさい」

 「全員左手を出したところで、まず、親指と人差し指でピストルの形を作ります。作ったら、バッキューン! 誰かを狙い撃ちしてください」

 「次に、中指を立てます。欧米では絶対にしてはいけない指サインですが、・・・その意味を知りたいのですか! では、世界の常識を教えます。これは『ファック・ユー』『ファッキュー』と言い、『お前をぶっ殺す』という意味です。日本でもこの言葉を言った場合、それだけで犯罪者になることは知っていると思います。世界中で、絶対にしてはいけない指サインなのです。と、余談が長くなりましたが、ピストルの形を作ったら、中指を垂直に立てます。指の付け根から90度曲げ、指はまっすぐに伸ばしてください。指がつるような気もしますが、がんばってください」

 「これから先生が1人ずつ見て回ります。それまで、指の形をキープしておいてください。指が曲がっている人は、先生がしっかり直しますので、最高に美しい形を作っておいてください」


図2:指に色を塗る生徒

指導上の注意
 ひと昔前は「全員塗りなさい!」と指示していましたが、最近はいけません。生徒の自主性に任せてください。皮膚が弱くアレルギー反応を示す生徒もいます。十分に注意してください。

 それでも、爪には『電』『磁』『力』と書かせましょう。フレミングの左手を楽しむこと、カラフルになった指を友だちと見せ合うことで、興味と理解が深まっていくものです。それが授業です。理科の先生へ、つまらない世の中にならないよう、遊心のある授業をしてください。面白いことをすれば、誰かが何かを言うものです。覚悟してがんばりましょう。


図3:同上


図4:同上

(3)立方体で、電磁力を考える (10分〜15分)
 プリントに立方体を書きます。そして、任意の角(かど)を決めます。その角(点)から、2本の矢印をそれぞれ垂直になるに書きます。そして、2本の矢印に電磁力のうち2つの名前を書きます。これで問題の完成です。

 問題ができたら、フレミングの左手をつくり、残りの方向を求めます。


図5:立方体で電磁力を考えるための板書


図6:同上

(4)電気ブランコの実験 (10分〜12分)
 電気ブランコの実験は、伝統的な実験の1つです。現象は『電流を流すとブランコが動く』という単純なものですが、考え方が大切です。図7を見てください。


図7:電気ブランコの実験の考え方

電気ブランコを考えるためのポイント
1)ブランコの中心に『点』を打つ
2)その点がどちらに動かか、考える
3)フレミングの左手を使って、、
  その点における電流、磁界、力の方向を求める

(5)実習:電気ブランコ (10分)
 本年度は実施しませんでしたが、14年前の記録『実験13 左手の法則2年(2003年)』で使った電気ブランコを掲載します(図8)。


図8:昭和40年代と思われる電気ブランコ

(6)本時の感想、考察 (5分)


図9:本時の板書(A組、クリックすると拡大します)


図9:本時の板書(B組、クリックすると拡大します)


授業を終えて
 次の時間は、『右手の法則』と『右手の法則』を統一します。お楽しみに!

関連ページ
実験13 左手の法則
2年(2003年)
実験10 磁界から電流が受ける力
2年(2000年)

実践ビジュアル教科書『中学理科の物理学

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