このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 3年(2018年度)です

第55時
実験2 イオンを含む水を探そう

     2018 10 17(水)、18(木)
     普通教室

はじめに
 授業冒頭15分で、水溶性によって『物質を3つに分類』します。そこでは透明、電離、電解質、イオンなど、本日の実験を理解するために必要なことを整理します。3つのモデル図にすることで、目に見えない物質のイメージを視覚化します。

 その後、持参させたいろいろな物質を水に溶かし、電流が流れるかどうか(イオンを含む水かどうか)調べます。電圧を変えることができる電源装置、炭素棒、電子オルゴールを使います。この実験をするにあたって、乾電池と電流計を使うことも考えました。電流計による電流量(電子が流れる量、水に含まれるイオンの量に関係する)については、別年度の実践『フルーツ電池(3年)2011年』をご覧ください。詳しい説明はありませんが、電流計を直接につなぐだけで簡単に調べることができます。なお、それは外部電源によるものではなく、2種類の金属を使った化学電池で発生した電流です。


図1:本日の実験装置


本時の目標
・水溶性によって、物質を3つに分類する
電解質という語句の意味を理解する
・電解質が電解する様子をモデル図で表す
非電解質が溶解する様子をモデル図で表す
・水にとけない物質を溶解させようとしたときの様子をモデル図で表す
・自宅から、いろいろな物質を持参する
・いろいろな物質を水に溶かし、電流を流すか調べる

準 備

生 徒 教 師
  • 教科書
  • 理科便覧
  • ファイル
  • いろいろな試料
  • テッシュペーパー
  • 本日の学習プリント(1 /人)
  • 炭素棒(2 /班)
  • 導線(2 /班)
  • 電源装置(1 /班)
  • 電子オルゴール (1 /班)
  • ビーカー (必要量 / 班)
  • ナマモノ廃棄用バット

授業の流れ
(1)本時の授業内容の紹介 (1分)

 冒頭に、家庭から何か持参したものがあるか、挙手で調べます。そして、この後すぐに学習する『物質の分類』のうちに、持参したものを記述し、先生のチェックを受けるように指示します。

(2)水溶性による物質の分類 (15分)
 下表2のように、物質を3つに分類します。


表2:水への溶け方による物質の分類

指導上のポイント
(1)水に溶ける= 透明になる(無色でも有色でもよい)
(2)水に溶けない= 沈殿する
(3)水溶液が電流を流す= 電解質(←→非電解質)
(4)ほどんど全ての物質は、電解質
(5)非電解質は、砂糖とエタノール
(6)イオンは、プラスかマイナスの電気を帯びた原子

 

(3)実験方法の説明(5分)
 下図3のように説明します。電子オルゴールは微弱な電流で鳴りますが、大きな電流を流すと壊れます。壊れたものは廃棄することになるので、注意させてください。本校の子どもは十分に気をつけることができますが、荒れた学校の場合は電圧を変えることができない乾電池か一斉電圧を配給できる大型電源装置を使用してください。


図3:本日の実験手順、および、装置図

実験のポイント
(1)電子オルゴールの+極と−極を間違えないようにつなぐ
(2)電子オルゴールが壊れていないか、鳴ることを確かめる
(3)水道水で鳴らないことを確認する
(4)鳴る場合は、ビーカー•薬さじ•電極の洗い方、水が汚染されていないか確認

測定時のポイント
(1)1.5ボルトで鳴らない場合、通常の音になるまで電圧を上げ、その時の電圧を記録させる
(2)電極の間隔を一定にさせる
(3)電極の接触面積、電極の間隔が変わると、流れやすさが大きく変わる
 ※正確には(3)は次のようになる
 電極の接触面積(液量)と流れやすさは比例、電極の間隔と流れやすさは二乗に反比例する

(4)実験:オルゴールの音が聞こえるか(25分〜30分)
 以下に実験の様子を紹介します。


図4:何でしょうね。この白い液体は!


図5:小袋に入った液体は、ビーカーに出さない方が後始末に便利です。このような方法をとることは、事前に先生から指示しておきましょう。


図6:白(不透明)赤(不透明)や黒(不透明)や黄(透明)の液体がある


図7:うわー、ラー油を出して、水に溶かしたらしい。何でもやってみることが大切だ。


図8:アンズ? と入浴剤?


図9:マヨネーズ。古紙の上に出して、実験後は紙をたたんで捨てるように指示しました。


図10:炭素棒はティッシュペーパーで拭いてから洗うように指示します。


図11:液体洗剤


図12:ゴマ。左には無色透明の液体が絞り出されている。


図13:楽しげな実験台


図14:電子オルゴールに耳を近づけて電圧を上げていく


図15:小麦粉がこぼれた!


図16:ケチャップはかなり鳴ります


図17:ジャムかな? 何か溶かしている


図18:協力してどんどん調べていきます。

(5)本時の感想、考察 (5分)


図18:A君のノート


授業を終えて
 楽しんで頂けたと思います。

関連ページ
フルーツ電池(3年)2011年

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