このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録 3年(2018年度)です

第66時
実験12 フルーツ電池

     2018 11 7(水)、8(木)
     第2理科室

はじめに
 楽しい1時間になると思います。先生の仕事は、事前にいろいろなものを持参させる意欲を十分に高めることです。知的好奇心を掻き立てると同時に、食欲も刺激してください。全く悪いことではありません。身のまわりにある食材を科学的に調べるチャンスは、自分で確かめることはほぼ不可能です。中学生にしかできない楽しい実験をしましょう。

 ほとんどの食材にはイオンが含まれていて、どのようなものでも化学電池の材料になります。できないものは砂糖とエタノールぐらいですが、純粋なものでなければ、電流が発生してしまいます。

参考・関連ページ
フルーツ電池3年(2011年)


上:バナナ電池で、電子オルゴールの音を確かめる子どもたち
 机上にはカキ・リンゴ・オクラが見られる


本時の目標

準 備

生 徒 教 師
  • 教科書
  • 理科便覧
  • ファイル
  • いろいろな果実、野菜
  • いろいろな調味料
  • いろいろな水溶液
  • ティッシュペーパー
  • 本日の学習プリント(1 /人)
  • 銅 板
  • マグネシムリボン
  • 導 線
  • 電子オルゴオール
  • 50mLビーカー
  • 生もの廃棄用バット(1)
  • 廃棄用小袋 (1)

授業の流れ
(1)本時の授業内容の紹介 (1分)

(2)リトマス紙の確認、万能試験紙の紹介 (3分〜5分)
 小学校で学習したリトマス紙について確認、初めて使う万能試験紙について紹介します。いずれも、水溶液の性質(酸性中性アルカリ性)を調べるものですが、万能試験紙はその強度を色変化によって調べることができるものです。

pH(ピーエイチ、ペーハー)について
(1)酸性中性アルカリ性は、数値14で表すことができる


図2:pHに関する板書


図3:万能試験紙の容器に入っていた色見本

 生徒たちは自宅からいろいろな水溶液を持ってきているので、pHの値まで調べさせます。pH値が7から遠いほど、大きな電流が発生します。なお、水溶液の濃度によってpHは変わりますが、限られた時間なので体験レベルの実験で十分です。

(3)化学電池の作り方の手順、テクニック(5分〜7分)
 前時『化学電池』の終わりに、大雑把な手順は確認してあるので、今日は細かいテクニックを紹介します。


図4:化学電池の原理を確認するための板書

化学電池の注意、細かいテクニック
(1)水溶液は濃い方がよく鳴る
(2)金属どうしは近いほどよく鳴る
(3)ただし、接触させると電子で移動し、 電子は電子オルゴールを通らない(鳴らない)
(4)電子オルゴールには+−があるので、逆では鳴らない
(5)銅板(+極)マグネシウム(−極)で調べる
(6)よく鳴る場合は、−極の金属を変える
(7)試料が少量の場合、銅板に直接のせればよい


図5:銅板の上に、ガムシロップを乗せて調べる様子

(8)一度にいくつもの試料を銅板にのせると効率的


図6:4種類の試料を一気に調べる様子(クリックで部分拡大

(7)図6にように調べるときは、毎回、マグネシウムを綺麗にする
(8)水で洗浄するより、テッシュでていねいに拭き取る方がよい
(9)pHについても調べる
(10)未使用のものは食べてもよい(味を調べる)

(5)生徒実験 (30分〜35分)


図7:貴重なオクラがでました! アルカリ性は貴重です


図8:小さなカップに小分けされた試料


図9:pHを調べたり、電子オルゴールの鳴り方を調べたり


図10:歯磨き用ペーストでも化学電池できます


図11:おばあちゃんで取れた果物たち、だそうです


図12:ぬるぬるアルカリ性と白い大根を調べる(いずれも鳴ります)


図13:A君の学習プリント


図14:重いボトルを持ってきましたね。お疲れ様です!


図15:酸味が強いものは酸性、リトマスや万能試験紙を赤くする


図16:セロハンテープで添付


図17:Bさんの学習プリント


図18:とても綺麗なので、数値も記述してほしいなあ


図19:片付ける様子
左から、使用後の試料を集めるためのバット、アルミニウム板、亜鉛板、銅板、マグネシウムリボン、(青リトマス紙)、(赤リトマス紙)、電子オルゴール、導線

(6)本時の感想、考察 (5分)


授業を終えて
 ほとんど全ての試料で化学電池ができることがわかったと思います。

note:生徒と先生の会話
「先生も食べる?」
「遠慮なく頂きます!」

関連ページ
フルーツ電池3年(2011年)

実践ビジュアル教科書『中学理科の化学

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