Home 中学校理科の授業記録 3年(2018年度)

第94時
天文分野の補足、星座早見盤

     2019 1 30(水)、31(木)
     普通教室

はじめに
 私が計画したカリキュラムは前時で終了しました。本時は教科書に掲載されている図版のうち、補足説明が必要なものを取り上げます。また、最後15分で、星座早見盤の使い方を紹介します。


本時の授業スナップと解説


図1:すべての天体は東→南→西へ動くことを説明するAさん

 Aさんは握りこぶしで地球を作りました。そして、月は地球の周りを回っていること、金星と地球は太陽の周りを回っていること、などを確認した。その上で、すべての天体が日周運動(東→南→西)をしているのは、地球が自転していることが原因であることを確認しました。地球の自転は、いろいろな天体のそれぞれの動きを無視できるほど大きなものなのです。地球の自転は『あなた自身が動き回っている』ようなものです。


図2:同上の説明をするBさん

 Bさんは両手で天球を作って説明してくれました。男女を問わず、級友から「かわいい」という歓声が上がりました。私にはできない魅力溢れる説明でした。こうした何げない時間を共有することで、天文分野そのものに興味を持つことができるはずです。私の仕事は、そうした機会をつくることです。


図3:教科書を片手に、太陽の運動を説明するC君

 C君は黒板に天球図を書きながら説明しました。図はゆがんでいますが、何をどのような手順で書き進めていくのか、みんなで見守ることに価値があります。C君は何を考え、何を説明しようとしているのか! C君の頭脳の中を探るわけです。こうした作業は、これまでの授業で日常的に繰り返しています。


図4:私による補足説明(クリックすると拡大します)

 図4は問題集の解説スナップ写真です。黒板左の模式図は、天の北極から見た地球の公転を示しています。4つある地球は、30度ずつ動いています。この30度は、数学的に図4のように移動させることができます。また、私が指でさしている『冬の地球』と先の模式図の『冬の地球』は対応しています。私がさしている模式図は、天の北斜め上から見た図です。

=== ここから星座早見盤 ===


図5:星座早見盤の裏側

 この星座早見盤のポイントは裏面です。裏面には『北極星の見付け方』と刻印されていますが、生徒に確認させたいことは次の(あ)〜(え)です。
(あ)星座早見盤の中心は『北極星』
(い)北極星=回転盤の留め金
(う)裏面は、北の空だけ
(え)表面は、北の空を中心に、天頂を超え、東西南北すべての水平線まで網羅したもの


図6:星座早見盤の表面


図7:星座早見盤は、2人で1個


図8:星座早見盤を、実際の空に合わせる生徒


図9:『 1月16日22時の星空』に合わせたもの


図10:図9の星空(クリックすると拡大します)

 図10を見ると、南の低い位置に『はと』があります。その上に『オリオン座のベテルギウス』が高度60度で南中していることがわかります。さらに上をみると、天頂に青い『天の川』があり、その中に『ぎょしゃ座(カペラ)』があります。


図11:図9の星空(クリックすると拡大します)

 図11は、図10の続きです。最下端に『ぎょしゃ座』があることがわかるでしょうか。これが真上になり、ここから先は高度が下がっていきます。これまでは南の地平線からどんどん上にあがってきましたが、図11は天頂から北の地平線に向かって下がっていきます。その途中、高度35度(名古屋北緯35度、東京北緯36度)に留め金『北極星』があります。北の地平線のところにみえるのは『りゅう座』です。

 星座早見盤を使って星を調べるためには、図8のようにする必要があります。


図12:北極星、北斗七星(おおぐま座)、カシオペア座、天の川(クリックすると拡大します)


授業を終えて
 星座早見盤マスターには数時間かかります。その途中、夜の屋外実習も必要ですね。

関連ページ
星座早見盤 3年(2004年)

実践ビジュアル教科書『中学理科の地学

第93時 ←
観測16 金星の見え方

→ 第95時
べっこう飴
↑ TOP
[→home
(C) 2019 Fukuchi Takahiro